長時間高速で飛行していたならば、全身が凍傷になってしまいそうな高度まで辿り着き、 駆真はようやく上昇を止めた。 太陽の強い日差しをその背に浴びながら、右足を高く掲げる。 (中略) 超高速で蒼穹から地上に向かって一本の線が引かれていく。 意識が飛びそうになる浮遊感の中、鷹崎駆真を構成する全ての要素が、細く、鋭く研ぎ 澄まされる。 今この瞬間、駆真の右足は最強無比の鎚となりつつあった。この世界に断てぬモノなど 無く、砕けぬモノなども無い。触れしもの全てに破壊を撒く、絶対平等の裁断者。
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