空獣

エア
作品名:蒼穹のカルマ
用語分類:種族分類
別呼称:千億魔獣軍(サウザンズ・デスペア)

蒼穹のカルマに登場する用語。
古代でによって地上から空へ追放された魔獣
高度二千~三万メートル近くに生息し、一瞬だけ地面に近づいて人間を襲う事ができる。
ウロヴォロス級以外に高度三万メートル以上の高さまで上がる事も無ければ、
ディアブロ級を除いて地上に降りられる空獣は存在しない。




詳細

来歴


+ 千億魔獣軍(サウザンズ・デスペア)
  • レーベンシュアイツの魔獣
    • 千億魔獣軍(サウザンズ・デスペア)と呼ばれた〈女王〉の軍勢
      • 旧来の魔獣軍の血が濃い空獣は〈女王〉に従うが、蒼穹園のある世界に適応して野生化した空獣は命令を無視する。
『遥か昔——私がレーヴェンシュアイツに侵攻するさらに前の話だ。この世界には私——ルー
ン・ロヴァルツが率いる軍勢の他にもう一つ、 〈女王〉 が率いる獣の軍勢がおり、激しい戦
いを繰り広げていたのだ』
「獣の——軍勢……」
『そう。……その圧倒的な物量に、われらは一時壊滅状態にまで追い込まれた。———そこで私
は巨大な魔方陣を敷き、〈女王〉ごと魔獣軍を異界に転送したのだ』


+ 異界転送後の魔獣軍
  • 空刑によって大地と海洋から追放される
    • 同族を喰われたが力を結集して追放した。
    • 空刑はレーベンシュアイツに移動しても有効。
「そこで、大地を司るわたくしたち地宮院と、空を統べる天幻院、海の海霊院」
「それに、あと数名の神の力を結集して、獣たちに神罰を執行することにいたしましたの」

(中略)

「数多ある神罰の中でも最高刑の一つ」
「大地、海洋から対象を追放する『空刑』ですわ」


+ 空刑後の魔獣
  • 空に適応する
    • 鳥類の捕食と共食いで絶滅を防ぎつつ、進化を遂げる。
      • 空を飛翔するための翼が生えて、強烈な紫外線を防ぐ硬い甲殻を纏う。
 だが——もしも。
 僅かな鳥類と、共食いで食料をまかない、
 ごく短い期間で身体を空に適応させ、
 そのまま空を新たな生活圏にしてしまう。
 そんな、この世界の生物には考えられない特性を持つ怪物が存在したのなら——



戦闘能力

浮遊する猛獣

  • 揺りかごから墓場まで空中で過ごす猛獣
    • 生死関係なく爪先まで空中浮遊し、着地することを許されない。
 大地に嫌われた怪物とも称されるその所以。空獣の身体は、爪の先一欠片に至るまで、
すべて不随意に浮遊するように出来ているのだ。

危険度

  • 大きさに比例して危険度(戦闘能力)が飛躍的に上昇する
 空獣は等級に比例して危険度が飛躍的に上昇する。実質的な最大種であるワイバーン
級でさえ、大きくてもその体長は五十メートルほどだ。
  • 群れる
    • 一団で約五十頭ほど。
『まあ、それにしても異常ですね。一つの塊を成す空獣の平均個体数は、多くとも五十く
らいだったと記憶していますが』

+ メテオストライク
  • 空獣の一団が地表へ急降下する現象
    • 警報器が鳴るより速く地上の人間を襲う。
 メテオストライクとは、空中にいる空獣群がひとかたまりに密集し、地表近くに一気に
飛来する現象である。滅多に起こることではないのだが、ひとたび飛来してしまうと、そ
の異常な降下速度ゆえ、警報が追いつかないのである。


ハーピー級

  • 皮膜性の羽を持つ蝙蝠型の空獣
    • 羽の大きさは身体の約2倍。
    • 大きくても大型犬程度のサイズ。
そこに写っている空獣は、大きく分けるのならば二種。身体の二倍はあろうかという皮
膜性の羽を有する蝙蝠のようなタイプと、それよりも一回り身体の大きい、前脚が異常
に発達したタイプである。双方、常に強力な紫外線に晒される皮膚は硬質化し、まるで甲
殻類のようにすら思えた。

ガーゴイル級

  • 頭に二本の角が生えた牛サイズの空獣
    • 前足が異常発達している。
そこに写っている空獣は、大きく分けるのならば二種。身体の二倍はあろうかという皮
膜性の羽を有する蝙蝠のようなタイプと、それよりも一回り身体の大きい、前脚が異常
に発達したタイプである。双方、常に強力な紫外線に晒される皮膚は硬質化し、まるで甲
殻類のようにすら思えた。

グリフォン級

  • 有翼の四足獣
    • 鋭利な爪、強靭な筋力、硬質化した堅牢な皮膚を持つ。
    • 全長十メートルほど。
 瞬間——目の前を飛び回る、羽の生えた四足獣のような生物の姿が、一層鮮明に彼の
目に映り込んできた。
 体長は個体にもよるが、平均すれば尾まで入れて十メートルほどだろう。毛も鱗もな
い、岩のように硬質化した皮膚で全身を覆われている。(以下略)

ワイバーン級

  • 体長30~50メートルの空獣
    • 長い首と尾と巨大な羽を持つ大型種。
 ワイバーン級と呼ばれるそれは、空獣の中でも大型とされている。
 岩のように硬質な皮膚組織は生半可な攻撃など通さない。長い首に尾、巨大な羽を持つ
その姿は、おとぎ話に出てくるドラゴンのようであった。

ティアマット級

  • 体長300メートルある蛇状の空獣
    • 騎士甲冑のような外殻で覆われており、巨大な羽根と腕を持つ。
 全体的なフォルムは太く短い蛇といったところだろう。だがその背に生えた羽根と、巨
木のような腕が、その形状を異様なものにしていた。全身は外殻のような皮膚に鎧われ、
顔にあたる部分も、まるで騎士甲冑のような形をしている。
 そしてその身の丈は、軽く三百メートルを超えるだろう。現存の空獣の規格をまった
無視した、異形の中におけるさらなる異形。

+ ハウリング
  • 大咆吼による五感・平衡感覚への攻撃
    • 至近距離にいる人間ならば耳を塞いでも眩暈すら引き起こす音響。
    • 物理的な振動を引き起こす。
 今までにない大きな吼え声が、空気を殺す。
 超音波? 高周波? 音波攻撃? そんな考えすら一気に駆逐される。校舎に並んだ窓
ガラスががたがたと震え、壁からは細かな建材の欠片がぱらぱらと落ち、ポールに掲げら
れた校旗がはたはたと揺れた。


ディアブロ級(特殊小型種)

  • 人型の空獣
    • 空獣の翼と鋭い角と尾を持つ。
    • 人間以上の高度な知能を持つ。
    • ワイバーン級を優に超える浮遊効率と闘争能力を持つ。
    • 着地が可能。
 だがその背には空獣の羽が見て取れ、額と側頭部にはそれぞれ鋭い角が、さらに
臀部から尾が生えていた。正直、冗談としか思えない姿だ。
 人の形をした空獣——特殊小型種・ディアブロ級。
 小型に属する空獣でありながら、人間と同等以上の高度な知能と、ワイバーン級を優に
超える浮遊効率と闘争能力を有する異常種である。
  • 人間への擬態が可能
    • 幼い子供は不可。
 と——次の瞬間、冬香の肩甲骨のあたりが隆起し、彼女の身の丈くらいはあろうかと
いう翼が出現した。次いで、カーゴパンツの腰元から尾のようなものが顔を出し、直線的
なフォルムを持った角が一本、側頭部から二本後方に向かって生える。

(中略)

 在紗が震える声で問うと、冬香は身体を大きく仰け反らせた。その動きに合わせて、彼
女の身体に出現していた人間以外のパーツが体内に収納されていく。

ウロヴォロス級

古神獣の項目にて紹介


元ネタ

エア(Air
英語で「空」を意味する語。

ハルピュイア(古希:Ἅρπυια,Harpuia, ラテン語: Harpyia、複数形:ハルピュイアイ(古希:Ἅρπυιαι, Harpuiai))
ハーピー(英:Harpy
ギリシア神話に登場する女面鳥身の有翼の怪物。
名は「掠める者」を意味する。
顔から胸までが人間の女性で老婆のような顔をしており、下半身が鷲の爪を持つ鳥とされる。
翼は禿鷲の羽根。
食欲旺盛で、食糧を意地汚く貪り、食い散らかした残飯や残飯に汚物を撒き散らかして去っていくという、この上なく不潔で下品な怪物である。

ガーゴイル(英:gargoyle
中国語では石像鬼、イタリア語ではドッチオーネ(doccione)、
ドイツ語ではアウスグス(Ausguss)、ヴァッサーシュパイアー(Wasserspeier)とも呼ばれる。
怪物などを象って彫られた雨樋の機能をもつ彫刻。
小説などではそのガーゴイルが動き出し人間を襲うといった魔物で描かれることが多い。

グリフォン(仏:griffon、gryphon
英語でグリフィン(griffin)、ドイツ語でグライフ(Greif)、
ラテン語:でグリュプス(gryps、 ギリシア語で γρύψ)と呼ばれる。
姿は鷲(あるいは鷹)の翼と上半身、ライオンの下半身をもつ伝説上の生物。
神話では、天上の神々の車を引く役割を持ち、商売敵の馬を目の敵にしており、雄馬を喰うと言われる。
また、黄金や宝物を守る役目を持ち、自身が守る黄金を求める人間を引き裂くといわれている。

ワイバーン(英:wyvern
一般的にはドラゴンの頭、コウモリの翼、一対のワシの脚、ヘビの尾に、尾の先端には矢尻のようなトゲを供えた空を飛ぶ竜とされる。
ワイバーンは紋章学の中で発展した存在であるため、その起源となるような伝説や神話は存在しない。
ワイバーンがいつ紋章学の中に限定されず想像上の怪物として扱われるようになったのかははっきりしていない。
幾つかの文献によれば当初の「怪物としてのワイバーン」は巨大な毒蛇であり、翼を持った竜としての描写はされていない。

ティアマット(シュメール語・アッカド語:tiamat
ティアマトは、メソポタミア神話(en)の女神である。
ティアマトは神々の太母として敬われたが、やがて権威を欲した神々から神々の主の座を降りてくれるように願われたことに激怒した。
最後はマルドゥク(エアの息子)という最強の武神と戦い、マルドゥクを飲み込もうと襲い掛かったが、
飲み込もうと口をあけた瞬間、マルドゥクが暴風を叩きつけて口が閉じられないようにし、体の中へ剣を突き刺されて死んだ。
ティアマトの死体は二つに引き裂かれ、一方を天に、一方を地に変えた。肉体の各部位は山や河川へと変わり、世界の基となったとされる。

ディアブロ(スペイン:diablo
「悪魔」の意。ボローニャの方言ではディアベル(diavel)。

ウロボロス(古典ギリシア: ουροβóρος ギリシア:ουροβόρος 英:uroboros
語源は、「尾を飲み込む(蛇)」の意の「古典ギリシア語: (δρακων)ουροβóρος」(〈ドラコーン・〉ウーロボロス)。
その後は、同じく「尾を飲み込む蛇」の意の「ギリシア語: ουροβόρος όφις」(ウロヴォロス・オフィス)と表現する。
ウロボロスには、1匹が輪になって自分で自分を食むタイプと、2匹が輪になって相食むタイプがある。
2匹のタイプの場合、1匹は何も無い素のままの姿だが(王冠を被っているタイプもあり)、
もう1匹は1つの王冠と1対の翼と1対の肢がある。
ヘビは、脱皮後の大きく成長したり、長期の飢餓状態にも耐える強い生命力などから、「死と復活」「不老不死」などの象徴とされる。
そのヘビがみずからの尾を食べるウロボロスは、始まりも終わりも無い「完全」としての象徴的意味が備わった。
ヘレニズム文化圏では、世界創造が全であり一であるといった思想や、完全性、世界の霊魂などを表した。
錬金術の分野では、相反するもの(陰陽など)の統一を象徴するものとして用いられた。
カール・グスタフ・ユングは、人間精神(プシケ)の元型を象徴するものとした。
他にも、永劫回帰、永遠、破壊と創造、宇宙の根源、無限、全知全能など、意味するものは広く、
多くの文化・宗教において用いられてきた。



関連項目

空獣たちの王種。
空獣たちへの命令権や特殊能力を持つ。

ウロヴォロス級空獣。
史上最大の巨体であり、〈女王〉の命令も無視できる。
かつて神を喰らい、大陸に穴を空けた。

対象の存在を空へと追放する最高刑。

空獣たちの祖先である千億魔獣軍を空へ追放した存在。

関連タグ


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最終更新:2022年06月28日 13:18