作品名:
神咒神威神楽
使用者:天魔・奴奈比売(アンナ・シュヴェーゲリン)
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詠唱 |
ものみな眠るさ夜中に
水底を離るることぞうれしけれ
水のおもてを頭もて 波立て遊ぶぞたのしけれ
澄める大気をふるわせて 互に高く呼びかわし 緑なす濡れ髪うちふるい
乾かし遊ぶぞたのしけれ
――太極――
随神相――神咒神威・無間黒縄
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可能性の無限拡大 |
どこにも行かないで 置いていかないで 私はとても遅いから 駆け抜けるあなたに追いつけない
ああ だから待って 一人にしないで あなたと並べる未来の形を 那由多の果てまで祈っているから
それが限りなく無であろうとも 可能性だけは捨てたくないから
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斬刃 |
私は地べたを這いずりまわる 空を見て 空だけを見て あの高みに届きたいと 恋焦がれて病んでいく
他の物は何もいらない あれが欲しい あれが欲しい ああ だけど悲しい 届かない
だから祈ろう 私という存在の全てを賭けて あの星に届く手が欲しい
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凶兆 |
皆私を残して逝ってしまう 誰も私を顧みない 寂しい 寂しい 私はいつも一人きりで 泣いて震えて沈んでいく
仲間が欲しい 手を取り合いたい 皆と一緒に あなたと一緒に 一人にしないで 忘れないで
ねえ だから横並びになりましょう 私のところに降りてきて 私があなたを引きずり下ろす
愛するあなた みな残らず 私の愛に巻き込まれたまま泥に沈んで お願いだから
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能力についての詳細
影海
蠢いていた影が牢全体を覆い尽くした更なる下層。そこはま
さに、影で出来た海だった。
揺れる気泡に、深海の如き動き辛さ。浮力が身体を覆ってい
ながら、絶対に浮かび上がらせぬという念が纏わりつく異質な
世界。
不動縛
拡散する影の海で対象を縛り上げるという強制停止。一種の不動金縛り
だが、その圧は膨大なため、捕えたものは山でも握り潰してしまう。
行かせない。行かせない。行かせない。私の傍にいて頂戴。
影に圧されながらも、接触すれば脳裏に響く禍々しき女の
声。
狂えるほど愛しい男に手を伸ばすような、過ぎ去った刹那を
悔やむかのような呼び声は、物理的な圧力よりも先に対象の精
神を破壊していく。
- 歪みの源泉として歪みの力を行使できる
- 西側(神州)に渡った後に三百年かけて改変されたため、完全に再現できないものもある。
歪みとは、本来穢土の力である。ならば自分たちの能力も、
元を辿ればこちら側に発生源があるのが道理だ。それが奴奈比
売だというのだろうか。
奴奈比売「三百年かけて、そちらのノリに改変されているようだから完
璧な再現はできないけれど」
- 元々は奴奈比売の嫉妬と恋慕が西側の人々の主観によって改変されたもの
- 屈折した感情であるため、受け取る人物によって全く別種の歪みとして受け取っている。
このように、奴奈比売の理に関わる想念はかなり屈折しているため、受
け取るものの主観によってまったく印象が変わってくる。神州西方に流
れ込んだ彼女の力の一端がそれぞれまったく別種のように変化してい
るのもそのせいだろう。また、かつて彼女が使っていた武器が、多彩な
特性を持つ群体であったということも無関係ではないのかもしれない。
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可能性の無限拡大 |
- 可能性を具現化した触手での攻撃
- 玖錠紫織が宿す歪みの基。
- その触手ができた可能性のある攻撃を具現化する。
その歌と同時に、奴奈比売の触手の中でも一際でかいのが俺
たちをなぎ払った。
この一撃が奴奈比売の必殺なのかと——全速で躱した、次の
瞬間。
俺たちの身体が、別方向から同一の触手によって弾かれる。
(中略)
二本の触手に連携を食らったとかそんなチャチい仕掛けじゃ
なく、二撃目は間違いなく直前までこの世の何処にも存在して
いなかった。
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斬刃 |
祈りを終えた瞬間、さっきとはまた異なる別の現象が発生し
た。
俺たちの頭上を凄まじい突風が走り抜け、見当違いの方向へ
と想像を絶する速度で飛翔する。
俺たちをすっぽ抜けた烈風の鎌鼬。それはそのまま海面を走
り、
後方に控えていた船団の一部をまとめてばっさり切断してい
く。
横薙ぎに真っ二つ。……およそ数十隻の船が、一瞬で海の藻屑
と消えやがった。
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凶兆 |
- 神域の災害を引き起こす
- 凶月一族が宿す歪み。
- 作中では海上であったため海鳴りを起こし、山脈を覆うほどの津波を起こした。
刹那、あらんばかりの海鳴りが響き出す。それは凶兆の具
現、凶月一族の持つ歪みが神威の領域となって発動する。
白波が刃となり、山脈を覆うほどの壁となって凶災の津波が
東征軍の船団を取り囲むように発生した。
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それは有り体に言えば触手、と形容するのが正解だがいかん
せん大きさが桁外れて巨大だった。水底に棲むという王、船団
さえ締め上げる異形の像が波を掻き分けて直進している。
大の男が数十人がかりで手をつないでも抱えきれるものでは
ない大きさ。そんなものが、高速で海の中を進んでいるのだ。
如何なる膂力を持つのか、触手がうねるたびに、さざ波程度
だった海の波が猛り立ち、泡立ちながら津波へと変じていく。
総ての触手が帯のように薄く広がり、影の陰気となって滲み
出る。東外流の海、その全域すら覆うべく彼女の真を顕わにし
た。
使用者との関連性
太極の基となった渇望
彼女がこうした能力を持つに至った背景は複雑で、まず第一に劣等感。
自分より前に行く者の足を止めたい。邪魔をして引き摺り下したいと
いうあまり褒められたものではない思いがあるのだが、同時にそれは、彼
女にとって眩しいものである夜刀の傍にいたいという恋心の表れでもあ
る。
元ネタ
黒縄地獄
八大地獄ののひとつ。第二の地獄。
罪人は熱して焼けた縄で身体に墨縄した後に、熱した鉄斧もしくは鋸で縄の跡に沿って身体を削る、
鉄山を背負わされて鉄の縄の上を渡り、縄から落ちて砕けるか鉄の鼎に突き落とされて煮られる。
といった縄を使った罰がある。
関連項目
無間黒縄地獄の能力位階。
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最終更新:2014年12月08日 23:39