ニヴルヘイム・フェンリスヴォルフ
作品名:
Dies irae
使用者:ウォルフガング・シュライバー、
ラインハルト・トリスタン・オイゲン・ハイドリヒ=メフィストフェレス
独表記:
Niflheimr Fenriswolf
神座万象シリーズに登場する能力。
位階は
"創造"、型は求道型。
ver1(通常時)は
聖遺物と半融合しての最速化、
ver2(狂乱時)は完全に聖遺物と融合し、
誰よりも速くなる最速化、超再生能力を持つ
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詠唱Ver1 |
さ ら ば ヴ ァ ル ハ ラ 光 輝 に 満 ち た 世 界
Fahr' hin,Waihalls lenchtende Welt
聳 え 立 つ そ の 城 も 微 塵 と な っ て 砕 け る が い い
Zarfall' in Staub deine stolze Burg
さ ら ば 栄 華 を 誇 る 神 々 の 栄 光
Leb' wohl, prangende Gotterpracht
神 々 の 一 族 も 歓 び の う ち に 滅 ぶ が い い
End' in Wonne, du ewig Geschlecht
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詠唱Ver2 |
あ あ 私 は 願 う ど う か 遠 く へ 死 神 よ ど う か 遠 く へ 行 っ て ほ し い
Vorüber, ach, vorüber! geh, wilder knochenmann!
私 は ま だ 老 い て い な い ま だ 生 に 溢 れ て い る の だ か ら ど う か お 願 い 触 ら な い で
Ich bin noch jung, geh, Lieber! Und rühre mich nicht an.
美 し く 繊 細 な 者 よ 恐 れ る こ と は な い 手 を 伸 ば せ
Gib deine Hand, du schön und zart Gebild!
我 は 汝 の 友 で あ り 奪 う た め に 来 た の で は な い の だ か ら
Bin Freund und komme nicht zu strafen.
あ あ 恐 れ る な 怖 が る な 誰 も 汝 を 傷 つ け な い 我 が 腕 の 中 で 愛 し い 者 よ 永 劫 安 ら か に 眠 る が い い
Sei guten Muts! Ich bin nicht wild, sollst sanft in meinen Armen schlafen!t
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ラインハルト詠唱 |
接触を恐れる。接触を忌む。我が愛とは背後に広がる轢殺の轍
ただ忘れさせてほしいと切に願う。総てを置き去り、呪わしき記憶は狂乱の
檻へ。我はただ最速の殺意でありたい――貪りし凶獣
死世界 ・ 凶獣変生 皆、滅びるがいい――Niflheimr Fenriswolf
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Ver1の能力について詳細
能力発動時の形容
行くぞ。これが真の魔高速——その時ヴァナルガンドが変形を始めた。
エンジンが、ハンドルが、シュライバーに絡み付いて融合し——
魔高速
触れられないようにするには一つ。ただ誰よりも速いこと。
それを求めた。それのみを願った。過不足なく単純に、僕を犯そうとする
奴にさえ捕まらなければそれでいい。
(中略)
ここにその渇望をルールに変えよう。
あらゆる枷と鎖を断ち切って、天地を喰らう狼と化せ——
Ver2の能力について詳細
能力発動時の形容
未だ忘我の顔と口調で、破滅の詠唱が紡がれる。それに呼応するかのよう
に、奴の銀髪がおどろに乱れて伸びていく。
すでに銃もバイクも消え失せて、今のシュライバーは徒手空拳。にも関わら
ず跳ね上がり続ける重圧は、この姿こそが真のものだと告げていた。
総てを喰らい尽くす悪名の狼——詠唱の進行と共にその骨格が組み変わり、
さながら獣人化とでも言うべき変身を遂げていく。
- 犠牲者が右眼窩から溢れ出す
- バラバラの肉片か体液となって噴き出す。
- 致死レベルの悪臭が溢れる
奈落のような口を開けるシュライバーの右眼窩……そこから血と膿と腐汁が
席を切ったように溢れ出す。
いや、それだけではない。
蛆虫が、精液が……そして細切れになった人体の残骸がドロドロの汚液に塗
れて流れ出る。
指があった。目があった。耳があり鼻があり舌があり性器があった。
これがシュライバーの狂気の源泉——奴が今まで喰い貪り、殺し続けてきた
総ての犠牲者。
(中略)
致死レベルの悪臭と渦を巻く怨念の中、(以下略)
最速化
- 誰よりも速くなる
- 速度に上限はない。
- どんなモーションでも(突っ立っているだけでも)自動で相手を越える速度が出る。
今の俺に可能な最大限の時間停滞——それはたかだか五十メートル前後の距
離など瞬く間に踏破するはず。
それなのに——
(中略)
呆然と突っ立ったまま、殴られた右頬を押さえているシュライバー。吹き飛
ばされた眼帯の下、空洞になっている右目を晒して呻くだけの奴よりも、俺が遅いというのはどういうことか。
まるで、こちらがどれだけ加速しようとその上を行かれるような——
- 完全な時間停止でない限り、時間遅滞能力すら無視する速度
- 完全な時間停止といっても光速等の物理現象に依るものは無視されると思われる。
シュライバーの速さを追いきれない。停止同然に遅まった世界の中で、
白騎士だけが超速の流星と化している。
(中略)
ヴォルフガング・シュライバーは、肉体の接触を狂気の域で忌避してい
る。その渇望を満たすために選んだのが、誰にも追いつかせず誰にも触らせ
ないという禁断の魔高速。ゆえに彼が発揮し得る速度には限界がない。
時間軸変調
- 先手を打たれようと時間軸を変調させて先手を取る
- "誰よりも速い"特性を回避から攻撃に使用している?
しかし、待ち受けていたのは予想に反した微笑。明らかに俺が先んじていた
にお関わらず、何か時間軸を逆転させられるような感覚に囚われた。
(中略)
それは完全に、後手が先手を追い抜くという不条理だった。
カウンターのさらにカウンター。信じ難いことだったが、今のラインハルト
は俺より速い。
超再生
- 今まで取り込んだ魂の数だけ再生できる
- 触れられた事実を認識できないまま接触部分が自壊してその部分の再生が始まる。
- 本来ならば触れられると砕けるしかないVer1の欠点が克服される。
触れれば壊れる。触れれば死ぬ。しかし己は死の世界——断崖の先で永劫
の殺戮に酔う不死不滅の英雄だ。
(中略)
殴った腕が崩れようと、シュライバーは気づかないのだ。接触の事実すら
認識することが出来ない以上、致命崩壊は起こり得ず、魔性の法理に従って
傷の超速再生を開始する。
流石は殺し殺され合うことを至上の愛情表現とする不死英雄。一撃を食らい
絶壊しながら、彼の燃料はまだ尽きない。おそらくは頭部を吹き飛ばされたで
あろう傷さえも、すでに一切の跡すら残さず再生していた。
聖遺物化
- 使用者の発する行為総てに霊的な威圧が宿る
- 同じ融合型の攻撃でも純度が低ければ咆哮だけで弾ける。
融合型の極致である今の状態は、まさに活動する聖遺物そのものだろう。
その声、眼光、吐く息にすら霊的な威圧が宿っている。
欠点?
- 主の完全復活が為されないと超再生がされない。
- 神父が素手で死世界・凶獣変生(Ver2)発動後の使用者を殺害している。
不滅の英雄である彼らに、死の概念は存在しない。ラインハルト・ハイ
ドリヒがいる限り、無限に蘇る永遠の戦奴……
しかし自律個体としての再生は、これで主の完全復活まで成されない。
使用者との関連性
能力の基となった渇望
- 誰にも触れられたくないという渇望
- 誰にも触れない=誰にも捕まらない=誰よりも速く動けることを実現させる。
触れられないようにするには一つ。ただ誰よりも速いこと。
それを求めた。それのみを願った。過不足なく単純に、僕を犯そうとする
奴にさえ捕まらなければそれでいい。
偽神化
戦姫が疾走って示した道を、最速の白光が駆け抜けた。
彼は狂乱している。絶壊している。ゆえに何者も恐れない。
ただ黄金が望むなら、どこまでも速く鋭い矢になろう。誰も触れず誰も追
いつかせず、ただ喰らい貪る殺意でありたい。
(中略)
走る凶獣の衝撃が、流星と化してさらなる道を広げた刹那——
元ネタ
ニヴルヘイム(Niflheimr)
北欧神話に登場する世界。氷に包まれた冥府とされる。
フェンリスヴォルフ(Fenriswolf)
北欧神話に登場する神狼。フェンリスヴォルフはドイツ語読み。別名でフローズヴィトニル(Hróðvitnir)という名があり、名前の意味は「悪名高き狼」。
使用者の聖槍十三騎士団における魔名である。
錬金術における白(alberdo)
黒(物質の死)の後にくる色で「不老不死の命」、「新生」、「再生」、「復活」を意味する。
Ver.2こそが真の能力だというのも頷ける。
詠唱 Ver.1
リカルト・ワーグナーの戯曲『ジークフリート』の第三幕でブリュンヒルデが放つ台詞。
この独白を最後に第四夜の「神々の黄昏」へと物語は進む。
詠唱 Ver.2
ドイツの詩人・マティアス・クラウディウスの作曲した歌曲『死と乙女』(Der Tod und das Mädchen)。
全部で八文からなる歌曲。
関連項目
死世界・凶獣変生の能力分類。
死世界・凶獣変生の能力位階。
次回作に登場する死世界・凶獣変生。
「抱き締められたい」という真の渇望に目覚めてしまったため、死世界・凶獣変生の回避能力は失われている。
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最終更新:2020年04月20日 14:06