青褪めた死面

パッリダ・モルス
作品名:Dies irae
使用者:リザ・ブレンナー=バビロン・マグダレナ

神座万象シリーズに登場する道具。
聖遺物のひとつ。形状は仮面もしくは屍衣。
仮面形態では仮面を着けている死体(作中ではトバルカインのみ)を召喚・操作することができる
屍衣形態では範囲内にいる死体

+ 開錠の詠唱
プテウス・アクァールム・ウィーウェンティウム
Puteus aquarum viventium ――


+ 聖遺物起動の詠唱(死面版)
天が雨を降らすのも  霊と身体が動くのも
Das sich die Himmel regen Und Geist und Korper sich bewegen

神は自らあなたの許へ赴き 幾度となく使者でもって呼びかける
Got selbst hat sich zu euch geneiget Und ruft durch Boten ohne Zahl

起きよ そして参れ 私の愛の晩餐へ
Auf, kommt zu meinem Liebesmahl――

イェツラー
形成――

パッリダ・モルス
青褪めた死面


+ 聖遺物起動の詠唱(屍衣版)
  形 成   
――Yetzirah――

青褪めた死面
Pallida mors

愛しい人よ 私はあなたに口づけをしました
Ah! Ich habe deinen Mund geküsst, Jochanaan.

そう 口づけをしたのです とても苦い味がするものなのね
Ah! Ich hab ihn geküsst,deinen Mund, es war ein bitterer Geschmack auf deinen Lippen.

これは血の味
Hat es nach Blut geschmeckt

いいえ もしかしたら恋の味ではないかしら
Nein? Doch es schmeckte vielleicht nach Liebe.

ああ ヨカナーン ヨカナーン あなたばかりが美しい
Ah! Jochanaan, Jochanaan, du warst schön.





道具(死面)についての詳細

死人召喚

  • 青褪めた死面をつけた死人(= トバルカイン)を虚空から召喚する
    • 仮面を中心にトバルカインが生えてくる。
    • 仮面はトバルカインに合わせて空中で停止する。
それは仮面……なのだろうか。一切の光を発さず反射もしない漆黒の物体が、宙に浮いたまま留まっている。

(中略)

腕が、脚が、腰が、胴が、仮面の内から迫り出すように、ほんの数秒で出現していた。いまシスターは一人じゃない。
彼女の傍に佇むのは、優に二メートルを超える巨躯の怪人。
  • トバルカインの存在感を消す
    • トバルカインは操られているだけだが、殺意を飛ばす等の行為が可能。
あれだけの巨躯を誇りながらも、まるで存在感を感じない。目の前に在るというのに、何か冗談めいた非現実性を纏っている。
そしてそうでありながら、轟々と吹き付けてくる殺意だけは嫌になるほど本物だ。

死体操作

  • 死体を遠隔で操作する
    • 使用者自体は操っている死体の目として客観的に戦況を捉える。
      • 死体の死角が存在しない。
      • フェイント等に引っかかることがない。
カインは死体。機械にすぎず、こいつにフェイントなど意味はない。たとえ
頭上や背後の死角を取ろうと、操縦者に見られていては何の意味もなかった
のだ。

証拠隠滅

  • 死体等の戦闘跡を総て消す
 同時、視界を埋め尽くす漆黒の帳。カインの仮面に付属し ていた黒い布が爆
 発的に伸び広がり、フロア中を覆い尽くして総てを掻き消す。
蓮「———ぁ」
 そして次の瞬間、開けた視界に彼女らの姿は無かった。のみならず辺り一帯
 に飛び散っていた血と肉片、死体の山も、残らずそこから失せている。

消滅耐性

  • 使用者の死後も残存し続ける
    • 大抵の聖遺物は使用者の死亡時に崩壊する。
      • 例外としてエインフェリアのように復活できると聖遺物も再生すると思われる。
ヴァレリア「あなたの遺産は、私が貰い受けましょう。
      ほぅ、やはり思った通り、彼女が朽ちてもこれは消えぬ」
      リザ・ブレンナーが聖遺物、巨人の顔面を覆うデスマスクは、未だそこに健
     在だった。

第三者が使用できる聖遺物

  • 持ち主以外でも使える聖遺物
    • 魔術に詳しい第三者が外部から魔力を注ぐことで使用できる。
      • 完全に扱えるわけではなく、操る死体のメンテナンスがより必要になる。
ルサルカ「うるさいわね。カインを思い通りに動かせれば良いんでしょ? それくらい
    なら簡単よ」

    (中略)

ルサルカ「たいしたことじゃないわ。——魔力を、外部から注入しなくてはならないだ
    け。メンテナンスが今まで以上に必要になっただけよ。でもわたしがいるんだ
    もの。関係ないわ」
  • 血族同士ならば制御可能
    • 死体と血族同士ならば出し入れ魔術の薫淘を受けていない者でも死体の出し入れ可能。
「……ええ、元々他人の聖遺物、まともに使えなどしませんが。
 彼を御するという意味だけでなら話は別です。“血族”ですからね、出し
入れくらいなら出来ますよ。(以下略)」

視覚の延長

  • 視覚機能を持たせることができる
    • 遠隔で青褪めた死面の視界を得られる。
 瞬間、リザは自らの右目に親指を突き刺した。

 (中略)

 すると、巨人の仮面に象嵌されていた紅玉が、人の眼球に変わっていく。
リザの右目はすでに再生を始めていたが、その機能は切り離されているのだ
ろう。目を置いていくという表現は、つまり監視カメラを残すという意味。


道具(屍衣)についての詳細

骸繰り

  • より多くの死体を操る形態
    • 霊脈を通じて支配力を拡散させる分、多くの死体を操ることが可能。
      • 支配は男を堕落させる大婬婦の業が宿るため特に男の死体に対する支配力が強い。
より強く骸繰りを行うなら、聖遺物を仮面化させて直に被せる方法を採るよう
だが、ここでは数を優先していた。ゆえに骸装は舞台役者のごとくリザ・ブレ
ンナーを飾り立てる。



元ネタ

パッリダ・モルス(Pallida Mors
Pallida Mors aequo pulsat pede pauperum tabernas regumque turris.が元ネタと思われる。
ホラーティウス『詩集』に登場する言葉で
意味は「青ざめた死は、貧者の小屋も、王者のそびえ立つ館も等しい足で蹴りたたく。」ということ。
要するに皆平等に死ぬということ。

開錠の詠唱
雅歌の4章15節に登場するfons hortorum puteus aquarum viventium quae fluunt impetu de Libanoが元ネタと思われる。
意味は「あなたは園の泉、生ける水の井、またレバノンから流れ出る川である。」という意味。

詠唱
死面はカンタータ第76番「主の栄光を 天は語り」の第1部レチタティーヴォ。
屍衣は戯曲「サロメ」の最終。国土の半分よりもヨカナーンの首を欲し、実際に手にいれてその生首に口づけをするシーン。


関連項目

青褪めた死面の道具分類。

青褪めた死面で操る死体。聖遺物を使用する。

次回作での使用者の能力。
青褪めた死面の特性を継いでいる。

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最終更新:2016年05月05日 23:26