聖櫃(Dies irae)

スワスチカ
作品名:Dies irae
使用者:氷室、イザーク・アイン=ゾーネンキント

神座万象シリーズに登場する道具ないしは土地。
聖遺物のひとつ。作品の舞台である諏訪原市内にある霊的スポットを指す。
ベルリンでの場所はカイザー・ヴィルヘルム教会、ブランデンブルク門、帝国議会議事堂、ベルリン大聖堂、
シャルロッテンブルク宮殿、ジーゲスゾイレ、バウハウス、ペルガモン博物館。
諏訪原市での場所は博物館、公園、ボトムレス・ピット、学校、教会、遊園地、タワー、病院。
エイヴィヒカイトではなく、使用者の血統で動く聖遺物であるため聖遺物は破棄出来ず、使用者も常人のまま。




道具についての詳細

都市規模の聖遺物

  • 都市そのものが聖遺物
    • 作中ではベルリン、諏訪原市が聖遺物と化している。
    • 条件を満たすことで方陣を描く聖遺物。
ラインハルト「黄金の錬成。錬成陣……シャンバラは私の理想を内から流れ出させる契約
       の箱だ。聖典に言うところの、聖櫃。つまり都市規模の聖遺物に他なら
       ん」

生贄祭壇

  • 大量の魂を散らすことで解放される八つの祭壇
    • 多くの魂を散華させるとで方陣と化す。
      • 地図上で鉤十字となるように八ヵ所存在する。
シュピーネ「なぜ我々が人を殺し、魂を簒奪するか……答えは単純な足し算ですよ。千人分の命を持てば、千倍の生命力を獲得できる
      このシャンバラで起こるのは、そのストックを増やすための殺人競争遊戯です。大量の魂が散華した場は戦場跡として方陣と化し、それが八つ揃えばあの五人が戻ってくる。そして奪った魂に相当する、新たな力を授けてくれる」

解放条件

  • スワスチカ内で散る数多の魂
    • 解放には300人より多くの魂を集める必要がある。
    • 魂の質が上質であれば、生け贄の人数は減る。
リザ「そう、スワスチカは私たちの死でも開く。
   要は、大量の魂をその場で散らしてしまえばいい。そういうことなら」

(中略)

ヴィルヘルム『マレウスが集めたのは三百人……それっぽっちの劣等じゃあ、俺の腹は膨
       れねえ。ここのスワスチカは開かねえ』

+ 魂の質
  • 自身の意志で行動できるものほど魂の質が良い
    • 生き汚いだけの常人でも一般人の2倍近く質が良い。
 クラブ、ボトムレス・ピットに集う者らの魂は、なかなかどうして上質だ。
霊的に鍛えられているというわけではなく、単に彼らは生き汚い。

(中略)

 ゆえに彼ら凡人を捧げるならば五百は殺す必要があるスワスチカも、ここ
の者らなら二百か三百で足りるはず。


  • 戦場であること
    • 魂は戦場で散らさなければならない。
    • 武器や戦意がある状態で散ることにより最高の霊格で解放される。
      • 武器も戦意もない状態でも無理矢理開くことが可能だが、霊格は落ちる。
櫻井螢「スワスチカを開くのは戦場……武器も戦意もない普通人を捧げたところ
    で、そう簡単には開かないし、何百人も使って無理矢理こじ開けても霊格
    的には落ちるでしょう」
   「だから、私達には戦いが要るの。あなたという敵がいて、そこに巻き込ま
    れる人がいて、大量の血と魂が散華すれば、そこは戦場跡として方陣と化
    す」
   「といっても、それが最良というだけで、あなたがいなければどうにもなら
    ないわけじゃない」
   「戦場予定地に敵がいなければ民間人を、それさえいないのなら仲間同士で、
    結局スワスチカはこじ開ける。多少霊格が落ちようが、総てそうでもない限
    り許容範囲……副首領閣下の術に穴は無く」

解放後

  • 解放後は高濃度汚染される
    • 解放直後は比較的に清浄だが夜には魔境と化す。
    • 真っ当な神経の持ち主ならば近付く気すら起きない。
      • それでも近付くと障りを起こす。
櫻井螢「普通、スワスチカが開いた場所は、真っ当な神経の持ち主なら立ち入れな
    いくらい汚染されるものなんだけど、ここはホールに集中したから、それ
    以外は無事のようね。綾瀬さんに障りを起こさせたくなかったら、あそこ
    には近づかせないほうがいい」
  • 散華した魂の質で汚染の性質が変わる
    • 吸血鬼が死ねば夜には怨念と呪詛で満たされた魔境と化す。
 第五番目のスワスチカ……ここは常人ならば立ち入れないほどの汚染区域
と化していた。どうもその性質は散華した魂によって変わるらしく、ここは
特にそれがきつい。根城にしているクラブのホールより、数段禍々しい気配
が満ちている。
 ヴィルヘルムと、彼が集めた魂によって開かれた場であるゆえに、辺り一
帯が呪詛と怨念と憤怒と憎悪で煮えくり返っていた。

 事実、注文の品を運ばせるために呼びつけたトラックの運転手など、校門
を潜った瞬間に嘔吐して失禁したほどである。(中略)エ
リーや生き残りの一般生徒達が耐えられたのは、午前中という陽性の気が強
かった時間帯と、開いた直後で本格的な異界化がまだ甘かったからという理由
に他ならない。深夜の学校は、もはや完全に一種の魔境と化していた。


使用者との関連性

解放時のフィードバック

  • 六ヵ所以上解放すると陣痛が始まる
    • 女性であれば未体験だろうと本能的に理解する。
 そう、この痛み、この倦怠感、決して男には分からない。
 玲愛自身初体験の感覚だったが、本能的にこれが何かは理解できる。女な
ら、おそらく誰もがそうだろう。
 つまり産みの苦しみ、陣痛だ。
  • 戦争奴隷たちへは聖槍によって刻まれた聖痕にフィードバックがゆく
    • 血液が吹き出し、激痛が襲う。
「我々の聖痕は聖槍に貫かれた証であり、服従の印です。大隊長らは、そ
の誓いを我々の数倍強く受けている。ゆえに、破る者を許さない。

 (中略)
 聖痕が疼く。血を流す……これはすなわち、ハイドリヒ卿がご帰還なされ
るという前兆であり、スワスチカが機能しだしたという証です」


元ネタ

スワスチカ(Swastika
ドイツ語で「卍」、「鉤十字」を意味する語。

聖櫃
キリスト教で聖人の不朽体が納められた、装飾された箱。


関連項目

聖櫃の道具分類。

聖櫃総ての解放によって発動する"流出"

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最終更新:2020年04月20日 14:09