神座万象シリーズに登場する武器。
聖遺物のひとつ。形状は血液。
形成時は
その血が凝固し、周囲から動力と呼べるもの総てを吸う杭となって体から生える。
ヴィルヘルム・エーレンブルグが使用する際は人器融合型の聖遺物として機能する。
武器について
来歴
- ヴラド三世の血液
- ドイツ遺産管理局に回収された聖遺物のひとつ。
- 回収当時は結晶化した粉だった。
トリファ「おそらくは。コンスタンチノープルの僧院に代々隠匿されてきた秘宝だと
伺っております。ヴラド・ドラクル公——その人の血液。すでに結晶化し
た粉ではありますがね」
活動時の能力
不可視の杭
その殺意が、頭上から降ってきた。
咄嗟に後方へ飛び退る。さっきまで俺が立っていた場所を、見えない何かが砕
いていた。舗装された地面が穿たれ、深い穴が空いている。
それはまるで杭を打ち込まれたかのように——
形成時の能力
基本性能
- 機銃の速度で飛ぶ杭
- 一度に数万本放ち、自販機すらひしゃげさせる威力を有する。
咄嗟の遮蔽物代わりに使った自販機が、煙草の空き箱同然にひしゃげてい
た。のみならず、吹き飛ぶその質量が凶器となって司狼の半身に激突する。
(中略)
司狼は遅い。速くはない。少なくとも機銃の弾幕に等しいこの嵐を、見て躱
せるほどの身体能力は持っていない。
走行中の車を爆発炎上させたのは、頭上から槍のように落ちてきた巨大な棒
杭。いったい何の冗談か、電柱ほどの大きさを持つそれに貫かれたアコード
は、炎上も束の間、一瞬にしてばらばらの鉄塊へと風化していた。内部の人間
は、焼かれる以前にただのミイラと化している。
吸精
- ほんの僅かな接触からでも対象から吸精する
- 杭に張り巡らせた網目から吸精する。
- 杭を通して有機・無機に関係なく稼働するための力(魂)を吸う。
- 掠めた程度の接触でも、そこから吸い続ける。
- 接触しなくても術者を中心に吸精する
まるで血管のように張り巡らされた網目が杭を駆け上り、男の足から全身へ
と拡散していく。
吸い上げているのだ。ガソリン、水、そして血液……貫いた対象に内在して
いたあらゆる養分、稼働するための魂と呼べるものを。
(中略)
加え、杭が掠めた右腕は徐々に干からび始めていた。直撃されれば木乃伊
は必至。躱したところで、完全に避けられなければこの有り様だ。
植物状の血液製杭
それは発芽とでも言うべきか。人体を苗床に生えてくる 奇形の植物。
しかし葉もなければ花もなく、実もなければ樹液もない。
その内部には、ただ凶気。鼓動と共に蠢いている殺意の延長であり牙の具現
だ。
竹馬
連続してアスファルトを穿つ杭。その上を飛び跳ねるように走るヴィルヘ
ルムのスピードは、実際のところ追跡対象の半分にも及ばない。にも拘わら
ずみるみる間に詰めていくのは、単純に歩幅の差と言えるだろう。
長さ十メートルを超す杭は全て彼の足から生えており、その延長として機
能している。本体そのものが人間大のサイズとはいえ、一歩で稼ぐ距離の長
さは巨人のそれと同等だ。
使用者との関連性
最高の相性
魂の強弱ではなく、相性が問題だと道化は語る。
ヴィルヘルムの過去は先ほど知った。そして闇の賜物、その名が自分の予
想通りドラクル公の血液だというのならば、なるほど納得するしかない。
……運命の赤い糸とはよく言ったものだ。
吸血鬼の伝承にして象徴、出会うべくしてヴィルヘルムとそれは出会った
のか。
「獲れぬよ。ベイと聖遺物の結びつきは生半可なものではない。親和性だけ
でいうならば、黒円卓の中でも群を抜いている。
最上はマキナだが、それに勝るとも劣らん。(以下略)」
元ネタ
クリフォト(Qliphoth)
ユダヤの神秘主義カバラにおける悪の勢力もしくは不均衡な諸力を表す概念。
バチカル(Bacikal)
クリフォトのセフィラの一つ。サタンが対応しているセフィラで「無神論」を意味する。
関連項目
闇の賜物の武器分類。
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最終更新:2020年04月19日 16:37