ナハツェーラー
作品名:
Dies irae
使用者:ルサルカ・シュヴェーゲリン=マレウス・マレフィカルム
神座万象シリーズに登場する使い魔。
影の使い魔であるが、その実態は血泥の塊で身体を喰らう等、物理的に干渉できる。
使い魔についての詳細
物質吸引
車輪が通過した跡から、放射状に広がる食人影。それは瞬く間に橋を覆い、
全ての死傷者と破壊された車両を一つ残らず呑み込んだ。後には何も残らな
い。
なんという馬鹿げた、そして常識外れも甚だしい行為だろうか。一方的なジェノ
サイドによる口封じと証拠隠滅。──なるほど、ここまでやれば不条理すぎ
て、原因不明と世人は言うに違いない。
精神破壊
司狼は、並の人間ならば直視するだけで精神が焼ききれるほどに異形な牙
の群れを一瞥し──
魂への攻撃
なぜならそれは、今まで生きて感じたことの無い冷たさだったから。
皮膚? いいや違う。触れられているのはそのような表層ではなく、身体の
中に秘められた芯──魂を侵食されていると直感した。
身体操作
- 影が絡みついたものの身体を操作する
- 遠隔操作で直接戦況を確認せずに戦闘させることが可能。
中庭に彫像のごとく立ちすくむ巨躯の怪人。その手に、脚に、数多の影が絡
み付いて、マリオネットのごとくルサルカへと繋がっている。
「まぁ、操縦はこんな感じ。わたしじゃバビロンのやってたことの二割も出来
ないから、足りないところは創意工夫でね。でもその代わり、メリットだって
あるんだよ。この方法なら、遠隔操作も可能だし。隙だらけの姿を敵に晒すこ
ともない」
ようやく立ち上がったカインの口から、場違いな声が漏れてきた。
細く、高く、可憐で軽快。紛れもない女の声音で、いつも歌っているような
その口調は……
掲げた鉄塊から、紫電が爆発し迸る。目を焼く雷光が地面に落とした影が蠢
き、密度をもって震えだす。
(中略)
ルサルカは、操操という意味においてシスターより数段劣る。
だがその反面、カインと自らの術を連携させられるのはこいつだけ。
雷光が生み出す影、影、影──敵に回せば最悪のコンビネーション。
立体化
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スライム状 |
ルサルカがそう告げると、彼女の足下の影がゆっくりと盛り上がり始める。
立体を形作ったその姿はファンタジーなゲームに出てくるスライムのようで
あった。
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巨人 |
現れたのは漆黒の巨人……地面に広がった落書きが、そのまま巨躯となって
俺の眼前に立ちはだかったから。
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多頭竜(ヒュドラ) |
影が厚みを持ち、起き上がった。
地面から剥がれるように鎌首をもたげ、割れた口には何重にも並んだ牙の
列。
まるで蚯蚓、いいや多頭竜だ。カインの足元から四方八方全方向に、伸びて
蠢く影の竜は、その数すでに数百以上──
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+
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ドレス |
- 食人影全てドレスとして纏い、指先から突き出す
- 通常は面で制圧している食人影を点攻撃に集中させている。
ルサルカは、自らの身体に直接食人影を纏わせた。破れた服を覆い隠す、漆黒のドレスであ
る。
(中略)
らしくない叫びで己を奮い立たせ、ルサルカはその手を突き出す。影がルサルカの腕を伝い、
鋭い槍となってベルゼブブの内部に侵入する。ドレスが薄くなる度に、その槍はどんどんと長
く強くなっていく。
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自己再生
魂ごと締め上げられる不快感を振り切りながら、伸ばされた巨大な腕を断ち
切り躱す。平面の影はそれすら意に介さず腕を伸ばし、無形の影として再生
したが、そんなことさえどうでもよかった。
斬撃で消し飛ばし、影の巨人を両断する。
(中略)
だが───そんなもの、焼け石に水だ。影は変わらず地を這っている。
ルサルカの足元から、術者という発生源がある限りそれこそ無限に出てくる
だろう。自称した技巧派の名の通り、消耗による負荷は一切見られない。持
久戦ではジリ貧だった。
使用者との関連性
魔女の使い魔
- 魔女である使用者の使い魔
- ある人物から魔道の薫陶を与えられる際に得た使い魔。
- エイヴィヒカイトの外の理にあるため、エイヴィヒカイトの使い手にも有効。
影を──アンナ・シュヴェーゲリンが初めて手にした地星の異能を。
これは黒円卓の法理から外れているモノ。水星ではなく、謎の影から貰っ
た力だ。ゆえに今はこれしかない。
元ネタ
ナハツェーラー(ドイツ語:Nachzehrer)
ドイツの民間伝承に登場する吸血鬼。
正確には死後蘇生した死体で、肉食・吸血・殺戮を好み、その影に触れたものは呪い死ぬとされている。
関連項目
関連タグ
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最終更新:2020年04月20日 14:01