するとその手のひらの先の空間に────透明な立方体状の箱が現れる。
全面ガラス張りでできているかのような、光沢を持った箱だった。
(中略)
破片を撒き散らし、箱の中から現れたのは、眩い輝きを放つ光球である。
その光球から天高くまで、光線が伸びる────それはレーザー光線だった。
イグニスが掲げていた手のひらを振り下ろすと、
「イグニス君のイデア能力は、光を直感的に操るものであるらしい。光の波長や振幅、進行方
向を揃えて1点に集中させれば────あんな風に高熱のレーザー光線を放つこともできるん
だ。(以下略)」