「蛇は煉機器とおなじような性質を持つ化け物であり、擬似的なコア部位を打ち込んで操るこ
とができる。そう簡単じゃないが。適合性や耐性もあるし、なにより強力な煉気が必要だしな。
蛇の煉気の波長と操る側の煉気の波長が似通っていればベストだね。操りやすさが飛躍的に向
上する。……なあ、岩代零くん」
(前略)一本がレッドキャップの脚に突き刺さったが、もう一本がはずれたのは……
レッドキャップの煉気が相変わらず感じられないままで、煉気の流れからその俊敏な動きを先
読みできないためか──。
百華が砂のかたまりから引き抜いたのは、宝石じみた飾りがつき無数の根を生やしたちいさ
な牙、といったようなものだ。