音響結界

サウンドスケープ
作品名:ストライク・ザ・ブラッド
使用者:矢瀬基樹

ストライク・ザ・ブラッドに登場する能力。
過適応能力者と呼ばれる特殊体質者の能力。
念動力によって一定空間内に対する聴覚を強化し、ソナーのように監視する能力。
薬によって能力の形式を"受信(パッシブ)"から"送信(アクティブ)"に変えることで気流操作能力を得る。




音響観測(パッシブ)

基本性能

効果範囲 高等学園敷地全域
結界崩壊時の再構築所要時間 74分

聴覚拡張空間

  • 聴覚を拡張させて感知する
    • 半径数キロの音を拾い、空間の構造・状況を精密に遠距離から把握できる。
 一種の念動力によって拡張された矢瀬の聴覚は、精密なレーダーに匹敵する解像度を持っ
ている。目で見るように音響を観測る。

隠密性

  • 逆探知されない
    • 超能力と異常体質による能力のため、魔術的、霊的隠密製を持つ。
      • 見えないため未来視にも引っ掛からない。
 音の反響を聞くだけの受身な能力───それゆえに姫柊雪菜のような卓越した霊視力の持ち
主でも矢瀬の監視には気づけない。

欠点

  • 爆発音に弱い
    • 音=振動波で破壊することも可能。
 強い光を浴びたカメラの画像がホワイトアウトするように、爆発的な大音響は"音響結界"を
破壊する。
  • 結界が破壊されると聴覚が一時的に不能になる
    • ノイズが耳に残る。
  • 音速を超えるものは捕捉できない
    • 音で捉える能力であるため。
 だが、その能力にも欠点はある。矢瀬が張り巡らす繊細な音の結界は爆発的な音響に弱く、
大規模な戦闘の監視には向いていない。
 そしてもう一つの欠点は、音速を超えて飛び回る相手には無力、ということだった。


気流操作(アクティブ)

気流操作

  • 時速90キロメートルの速度で気流を操作する
    • 追い風による加速や遠い洋上へ物を運搬するなどに役立てている。
 時速六十キロ近くで疾走するワゴン車を、矢瀬は生身で追跡する。彼の周囲に吹き荒れる風
速九十メートルの追い風が、その速さでの連続走行を可能にしているのだ。

原理

  • 大気振動の受送信の切り換え
    • 大気振動を『受ける』状態から『放つ』状態にシフトした。
      • 同じ原理だからこそ可能。
 電気信号の流れる向きが違うだけで、マイクとスピーカーは、原理的には同一のものである。
それは矢瀬の能力も同じだ。普段は受信側で使っている『聴く』ための能力を、発振側にする
ことで大気振動を発生させる──今の矢瀬は、自分の意志で突風を巻き起こし大気の流れを
自在に操っているのである。


音響爆裂(サウンドバースト)

轟音

  • 音響手榴弾にも匹敵する轟音を発生させる
    • 獣人などの聴覚が鋭敏な種族に有効にする。
 どこかホッとしたように呟いたのは、矢瀬だった。気流を操るという過適応能力者の能力を
使って、なにもない空間に、強力な音波の振幅を造りだしたのだ。そんな矢瀬の呟きも、意識
をなくした兵士の耳には届かない。


重気流躰(エアロダイン)

分身

  • 気流の分身
    • 筋肉、神経を擬似的に再現し、意識を移すことで遠隔での追跡調査を可能にする。
 矢瀬の頭上──上空数百キロの地点に出現したのは、気流によって生み出された矢瀬の
分身態だった。大気振動で筋肉と神経細胞を疑似的に再現し、そこに自分の意識を移したのだ。
"重気流躰"と名付けられた、矢瀬の切り札である。

衝撃波

  • 衝撃波を発生させる
    • 身体能力の低いとはいえ獣人を一撃で行動不能にする威力。
 暴風の塊が、少年の声で咆吼する。最後の力を振り絞って放たれた衝撃波が、不可視の鎚と
なってカーリを襲った。

欠点

  • 重気流躰使用時は感覚が薄くなる
    • 本体である肉体から意識を移しているため。
 矢瀬の能力の欠点は、分身体に意識を飛ばしている間、自分の本体の感覚が極端に低下する
ことだった。かろうじて声には反応できたが、声の主の姿まではわからない。
  • 重気流躰を破壊されるとダメージがフィードバックされる
    • 加えて能力増幅剤の反動でダメージはより多くなる。
 歩道の隅に倒れこんだまま、矢瀬基樹は激しい嘔吐を続けていた。その吐瀉物は鮮血で赤く
染まっている。〝重気流躰〟を破壊されたことによるダメージの逆流と、能力増幅剤の
過剰摂取が原因だ。


使用者との関連性

過適応能力者

  • 生来の異能力者
    • 人間として生まれた時から持つ超能力。
    • 魔力、呪力、霊力等を使用しないため、監視に向いている。

薬物服用による能力の切り換え

  • 能力増幅剤(ブースター)と呼ばれる薬を服用することで能力を切り換えられる
    • 受動・能動の能力の切り替えだけではなく、各能力の強化も行う。
 そう言って矢瀬は、ポケットから何錠かの薬を取り出した。市販の風邪薬によく似た姿の、
二色に塗り分けられたカプセルだ。

(中略)

 もちろん生身の人間が、なんの代償もなしに使えるような力ではない。
 矢瀬が呑んでいる薬は、能力を一時的に増幅するためのケミカルドラッグだ。副作用もでか
く、使いすぎれば相応の代償を払うことになる。

(中略)

 神経が灼けつくような感覚を味わいながら能力を解放。矢瀬の視界が一気に開け、数十キロ
先の海上までも鮮明に視覚する。


元ネタ

サウンドスケープ(soundscape
音を風景の観念で捉えるという概念。環境音の響きや種類で風景との関係性を捉えるために提起された。

エアロダイン(aerodyne
重航空機のこと。


関連項目

音響結界の能力分類。

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最終更新:2022年06月09日 23:49