神座万象シリーズ > 世界観

シナリオ:正田 崇
イラスト:Gユウスケ



世界規模

大きさ

+ 黒白のアヴェスター
単一宇宙 平行世界の概念を持たないため増えようとするとその宇宙内部で何らかの辻褄合わせが生じる

時間軸

舞台・土地

+ 黒白のアヴェスター
ヒラニヤプラ
天将地雄の時代における善(白)側の総本山。
前の時代の戦いで荒廃し、星霊ブシュンヤスタによって再生したが、大転墜によってブシュンヤスタが不義者となったため悪夢が具現化する惑星となった。
ワルフラーンが生まれてブシュンヤスタを討つまでブシュンヤスタが眠る間は悪夢が惑星全土に具現化して民を蹂躙した。
五〇年ほどの周期で訪れる“目覚めの日”は惑星は悪夢から解放され、凪の季節となる。 この凪を伸ばすためにに義者たちは生け贄を差し出していた。
凪の延長は短くて十日、平均して一月、最長でも半年程度しか保たず、生贄たちは心魂体を芯まで凌辱され、原形を留めぬほどにすり潰されて打ち捨てられる。
ワルフラーンによってブシュンヤスタが討ち取られた後は不明。

聖王領ワフマン・ヤシュト
前の聖王領が絶滅星団によって滅ぼされた後にウォフ・マナフが移住した辺境惑星。
不義者が生まれない理によって中世の牧歌的な自然環境が構築されている。

龍骸星ザッハーク
魔王の第六位カイホスルーが支配する星。直径は約10万㎞(聖王領の八倍近い大きさ)。
二百年ほど前にカイホスルーが星霊の座を簒奪した星。
かつては龍晶星と呼ばれ、豊かな生命に溢れた星だったがカイホスルーの搾取によって荒廃し、生物の数はかつての5%前後にまで減少した。
不義者が大多数の義者を虐げる圧政と搾取により義者にとっては最悪の環境。
+ 龍穴
星霊となったカイホスルーが定期的に巡る重要地。カイホスルーがそこを訪れれば星の恵みが与えられる。
龍穴は全部で十八ヶ所あり、そこにはオアシスを中心とした都市が建てられカイホスルーの寵姫たちが支配している。

主星クワルナフ
絶滅星団サウラヴァの主星にしてクワルナフ本人の星体。
大地はクリスタル状の奇妙な柔性を持つ謎の大地が一枚岩のように繋がっている。
空は金、紫、赤や緑などが結合と分離を繰り返して万華鏡のようなマーブル模様を描いている。
大気成分は数百種類の気体が混合しており有毒か判別不能。温度は摂氏で約四〇度で、重力はやや軽い。
大地の上には神殿が建っており、頭足類を逆さまにしたような幾つもの巨柱が捻じれて絡まり合いながら天を目指す形状をしている。
神殿からは無秩序ながらも整然さ、恐ろしさと荘厳、狂気と芸術性を感じさせる。

流血庭園バリガー
魔王の第四位フレデリカが支配する異次元空間。
クワルナフによって滅ぼされる前、聖王領の一部ごと赤子のフレデリカを封印するために分離の法によって現実世界から切り離された。
完全な封印ではないので「生と死の願望が飽和した」場所と繋がって現れる。
こうした条件を満たさないために殺人鬼たちの情報は伏せられている。

空葬圏ドゥルジ・ナス
魔王の第五位マシュヤーナが支配する星。ガヨーマルトを中心としたガス状の惑星でありガヨーマルトが五つの星を貫通してできている。
大気は水素、メタン、ヘリウム、アンモニアで構成されており成分的に真っ当な人類は生存不可能。
陸地になるものがガヨーマルトしかないため、義者は飛行するしかない。人間の場合、飛行の星霊加護は最低でも二重にかける必要がある。
飛行種の義者は群れを作って交代しながら互いの身体を足場にして羽を休める。

新大陸アルナワーズ
聖王領と龍骸星が物理的に融合した結果として生まれた大地。
星と星の接触面ということから相応に広大な面積を誇る。
もともと存在していなかった領域のため誕生したばかりの火山島にも似た不毛の荒野が広がり、命の営みは存在しない。
一種の国境線であり、善悪の支配も及んでいない中立地帯。
アルナワーズとは、その地を治めるアルマの家名。

特異点(アンラ・マンユ)
魔王の第二位ナダレが支配する船。歴代ナダレの居城で、時代ごとに名前が異なる。
前時代ではヴァーハナ、さらに以前の時代ではメルカバー天浮舟などと呼ばれており、全て『神の乗騎』を意味する。
常に宇宙のどこかに現れては消えるを繰り返すためナダレに招かれない限りはたどり着くことはできず、最終決戦の場となる。
黒の七王がナダレ一人になった際、残った中心人物をナダレが招き、討たれることで大転墜が発生する。
その際に短い時間だけ特異点は凪の領域と化して大転墜の波が届かない。
元々は"零"の時代の科学技術の結晶で、奇跡や魔術といった超常=曖昧なものでは一切なく数理で生み出されている。
内部は気密性が極めて高く、閉塞的というより選ばれし傑物のみが立ち入りを許されるような貴い雰囲気を醸している。
内装は鋭角的な意匠と流線型の意匠が融合しており、壁や床の材質は不明。これに類する造りは他の何処にも存在せず、作中の者は誰にも説明できない。
内部のモニターには宇宙に存在する全生物を表示できる。

登場する用語

人物の特性に関する用語

+ 黒白のアヴェスター

剣の巫女
神剣アフラマズダの依代として“彼女”の精神を降霊させる器。
アフラマズダの“声”は義者の中でも高位かつ相応の強い霊感を持っていれば聞き取ることができるが、
アフラマズダが女性的な存在のため器になれるのは原則的に女性のみ。
剣にすぎないアフラマズダは自立行動が不可能なため、勇者と出会うまでは巫女の肉体を間借りして周囲の地盤を固めていく。

武具や能力、術技に関する用語

+ 黒白のアヴェスター

国・組織

+ 黒白のアヴェスター
聖王領ワフマン・ヤシュト
善側(しろ)の勢力の総本山。ナダレが崩界を使用したことで絶滅星団が出現し、一度崩壊しかけた。(物理的には滅んだ)
その後は辺境惑星に移住し、力を蓄えている。
内政は諸侯を立てて話し合いによる合議制を行う。義者の性質上、権謀術数による暗闘が起きないためこの政治形態が太古からずっと続いている。
現在の諸侯の数は十二。
文明レベルは中世程度だが義肢の技術だけは凄まじく高水準でエネルギーを貯蔵できる戦闘義肢を作ることができる。
義肢技術は善悪闘争によって肉体の一部を失う事態は日常茶飯事な上に戦力不足ゆえに離脱も許されない状況ゆえに移住後も残った。

+ 善教
ダエーナー。
聖王領を始めとする義者社会が、ほぼ全体的に共有している道徳。善悪闘争世界で善に埋めこまれた宿痾。
義者にとって善とはウォフ・マナフが謳う「真我に忠実な秩序と調和」の概念であるが、ここで言う秩序とは混沌=不義者の撃滅を指す。
そのため白の属性を持つ星霊たちは自らの支配地から黒を完全排除するような統治方法を取っている。
また敵の排除が最優先であるため弱者の庇護が二の次となる。むしろ不義者討伐のためなら犠牲は厭わない考えが常識的に根付いており、
無力な民の救済に拘泥して戦力低下や作戦の遅滞が起こっては本末転倒と見られている。
よって基本的に勝機が怪しい段階で戦うことはなく、勝利しても民への生活保障は最低限に済まして次の戦場へ向かう。
しかし龍晶星やフェルドウスの故郷がそうであるように年経た存在であれば独自の正義や善悪を有した価値観を持つことが多いため、
この善教も普遍の思想ではない。

+ 龍晶星
二百年前にカイホスルーが座を簒奪するまで存在した、善の星としての龍骸星。
当時の星霊もやはり龍種であり、極めて傲慢、尊大かつ、高位の力を持つ義者だった。
ウォフ・マナフとは異なる“善”の解釈を持っていたため、善教も違う。
己の善教に従って龍晶星が定めた統治方法は『十八人の最下級の不義者を被差別民として意図的に配置し、彼らを虐げることによって義者世界の安定を図る
というもので、これを大義式戒律で星に住まう義者に強制していた。
戦力的には一種の独立勢力で、聖王領とは多少の関わりを持っていたが従属まではしていない。
龍晶星とウォフ・マナフは対等の立場であり、必要に応じて相互に協力する言わば遊軍的な扱いだった。
龍骸星となってからは少数の不義者が大多数の義者を虐げる政治となっている。

ヒラニヤプラ
地雄の総本山で、聖王領と同じ役割を持っていた星。
先代ナダレの崩界で強力な天将を多数送り込まれ、ランカとマドゥライを除く地雄は全滅。星も壊滅的な被害を受けた。
ランカとマドゥライの娘ブシュンヤスタを人柱にすることでヒラニヤプラを再生させたが大転墜によってブシュンヤスタが不義者となったため、
悪夢の惑星となってしまう。

+ 悪夢の惑星となった後のヒラニヤプラ
ブシュンヤスタが眠っている間は惑星全土に悪夢が具現化するが、五〇年ほどの周期で訪れる“目覚めの日”は惑星は悪夢から解放され、凪の季節となる。
そして再び眠るのを阻害するために義者たちは「これと戯れる間は起きていてほしい」と一〇〇人ほどの生贄を差し出す。
ブシュンヤスタは自分の戒律上差し出された生贄を無視できず彼らを全力で虐げている間、惑星は長い凪が訪れる。
凪の延長は長くて十日、平均的に一月、最長は半年。

聖域
[[神剣アフラマズダ]が落ちた星の土地の呼称。
白の頂点であるアフラマズダを中心に広がり、黒の生物はまともに近寄ることもできなくなる。
そこに白の生物が集まって聖域を築き上げていく。

フェルドウスの故郷
双神ノーンハスヤという星霊が統べる星。
ノーンハスヤは昼と夜で別の顔、つまり義者だが不義者的な部分がある星霊。
フェルドウスの戒律で重要となる“曜日”はこの星の暦における曜日となる。

暴窮飛蝗アエーシェマ
バフラヴァーンを中心とした軍勢。縮めて「飛蝗」とも呼ばれる。
自分が最強であることを証明するために惑星をしらみ潰しに殺して回る。惑星破壊サークル
性質上、仲間意識はなく殺し合うため作中ではバフラヴァーン、タルヴィード、ザリチェードしか残っていない。

寵姫
カイホスルーの十八人の妃の呼び名。全員が一級以上の女性魔将。
受ける寵愛の程によって序列があり、寵姫はその序列に応じた貴石の名が冠されている。
貴石は上から順に龍玉、金剛、紅玉、蒼玉、翠玉、藍玉、黄玉、血玉、瑠璃、真珠、月長、柘榴、翡翠、琥珀、珊瑚、瑪瑙、水晶、黒曜。
寵姫は龍骸星に存在する龍穴から生じた18のオアシス都市の統率が任されており、序列は同時に都市の豊かさも示す。
寵姫たちはカイホスルーの愛を勝ち取るため、日々美しく、淫らに、かつ邪悪たらんと活動しているが、寵姫であってもカイホスルーの逆鱗に触れると処刑される。

その他用語

最終更新:2023年09月03日 00:24