平沢憂の憂鬱


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平沢憂の憂鬱

憂「お姉ちゃん、朝だよ!起きて」
唯「う~ん…」
憂「ほら、早く起きないと養護学校のバスに遅れちゃうよ!」
唯「うー、学校やだ!」
憂「ダメだよ!ちゃんと学校行かないと」
唯「やーだ!!のどたたんと同じ学校じゃなきゃやだ!」
憂「そんなこと無理でしょ!お姉ちゃんには普通の学校は入れないの分かっているでしょ!」
 「それに養護学校にお友達もいるんだし」
唯「やだ!のどたたんと同じがいい!!」
憂「気持ちは分かるけど、お姉ちゃんは和さんと同じ学校は行かれないの」
 「だから早く起きて。朝ご飯はお姉ちゃんの好きな卵焼きだよ」
唯「うん!唯起きる」
憂(卵焼きで喜ぶお姉ちゃん、無邪気でかわいいなあ~)

唯「うーいの卵焼きはおいしいよ」モグモグ
憂「ありがとう。お姉ちゃんにそう言われると本当に嬉しいよ」

お姉ちゃん可愛い・・・ぼーと見とれていたいが、そうはさせてくれない。
唯は箸どころかスプーンやフォークも満足に扱えないから、折角の料理も床やテーブルにこぼれたり、唯の顔や体にくっついてしまう。憂は直ぐに現実に引き戻され、それらを拾わなくてはならない。

ブブブー

突然大きな音が鳴った。そして直ぐに悪臭が漂ってきた。
唯は食事中にうんちを漏らしてしまったのだ。

唯「……」
憂「お姉ちゃん!また漏らしたでしょー!!食事の時は止めてよねー!」

憂は思わず声を荒げてしまった。

唯は一瞬ビクッとしたが、すぐにまた朝食を食べ始めた。
むしろ、溜まっていた物を排泄して気持ちがよくなったせいか、食欲が増して食べるスピードが速くなった。まるで、獣がようやくありつけたエサをがっつくような食べっぷりだ。

モグモグ、ぺチャグチャ

汚い、汚すぎる。
幾ら池沼でも、これが高校生の食べ方であろうか?
憂も獣のような姉の姿に我慢できず、ついに切れた!

憂「ふざけないで!!」
 パシーン、パシーン

憂は思いっきり唯を殴った。
憂の怒りは収まらず、手元にあった小瓶を唯に投げつけた。

唯「うわーん、うわーん。痛いよー、ヒック、うわーーん」
 「うーいがぶった、うーいがぶったよー」

唯は、耳をつんざく様な大声を出して泣きわめく。
我に返った憂は、また愛する姉に手を挙げてしまった自分に対し、激しく自責の念を感じた。

憂「どうして?どうして私はお姉ちゃんのことを分かってあげられないのだろう…」

池沼な姉が人の言うことが出来ないことは十分分かっている筈なのに、
「なんでこんな簡単なことが出来ないの?」
という、歯がゆい思いが言動に現れてしまう。
愛するが故に怒るのだが、姉には全く通じない。

憂(私、どうしたらいいんだろう……?)

流石の憂もかなり落ち込んでしまった。

憂「ねえ、お姉ちゃん、私どうしたらいいんだろう?」
 「お姉ちゃんが出来ないことを分かっていながら、怒るなんて最低だよね」

憂はポロポロと涙を流す。 池沼な姉を愛するが故の苦悩である。
しかし、唯にはなんで怒った方の憂が泣いているのか理解できなかった。

唯「うーい、私が悪いのに、なんで泣いてるの?」
憂「ごめんね、お姉ちゃん。お姉ちゃんは悪く無いよ。悪いのは私なんだよ」
唯「なんで?だって、私またうんち漏らしちゃったんだよ。悪いんだよね」
憂「悪く無いよ。お姉ちゃんはおむつしているから、うんちしたって悪く無いんだよ。」 「それなのに、私はお姉ちゃんのことを怒ったりして…」

憂の涙は止まらない。
唯は自分の思うように排泄が出来ないから、15歳になる今でもおむつをしている。
それを怒るのは、おむつをした赤ちゃんがうんちをして怒っているような物だ。出来ないことを要求するのは酷だ。
しかし、理屈では分かっていても、憂は姉が一刻も早くおむつが取れるようにトイレの習慣を教え続けているため、全然進歩のない姉に苛立ちを感じているのも無理は無い。

でも、こんなことで悩んではいられない。姉の面倒は自分が見ると長期出張する両親に約束した手前、ここで挫折するわけにはいかない。
憂自身が望んだ姉と2人のみの生活である。初心を思い出し、憂は次の行動に移った。

憂「さあお姉ちゃん、おむつ取り替えてサッパリしようね」
唯「うん。うーいが泣くの止めて嬉しいよ」
憂「お姉ちゃんは優しいんだね…」(また少しホロリと目頭が熱くなる)

憂は慣れた手つきで、姉のおむつを交換する。

憂「お姉ちゃん、新しいおむつだよ。綺麗になったよ」
 「あ、いけない!もうこんな時間!急がないとバスに送れちゃう」
唯「もう行くの?ごはんまだ残っているよ」
憂「もう時間が無いから、残りはお昼のお弁当で食べられるよ」
唯「うん、わかった。唯急ぐ」

とりあえず唯を送り出さないことにには…
憂は唯の支度だけ揃えると、唯をせかすように外にでる。
いつもなら、憂も制服を着て唯を送った後でそのまま学校へ行くのだが、今日はそんな余裕はなかった。

憂(仕方ない、今日は2限目からかな)

憂は中学3年、つまり受験生である。
高校受験を控えた今年受験勉強に励まなくはならないのだが、それ以上に唯の世話で一杯一杯の状態である。

何故そこまで自分を犠牲にして、姉の唯に尽くすのだろうか?
しかも、姉は池沼なので幾ら尽くしても正常の精神状態にはならないことは分かっている。残酷な言い方をすれば、無駄な努力である。

それに、姉は痴呆症も患っているため、むしろ悪くなる可能性が高いのである。
池沼なままの将来の姉とは反対に、自分の可能性は沢山広がる可能性のある憂である。
なのに、その自分の可能性を自分で止めてしまっているのである。

池沼な姉と、自分の可能性。どちらを取るかは自明の理である。
しかし、憂は自分の可能性を捨ててしまったのだ。この選択をした時点で、憂自身も既に精神的に病んでいたと言えるだろう。

憂はとりあえず唯の支度だけ済ませて、唯を養護学校に送り出そうとする。

憂「お姉ちゃん、準備はいい?」
唯「うんたん♪は?」
憂「カスタネットなら、ちゃんと鞄に入っているわよ。あと、ひらがな練習帳」
唯「おべんと、おべんと」
憂「もー、大丈夫よ!」
 「とにかく、早くしないと。準備は出来たから行くわよ」
唯「あう」

幸い養護学校のバス停は家から5分程度の真っ直ぐな道なので、間に合いそうである。
憂は唯を急かせて走らせる。

憂「ほら、走っれ、走っれ!」
唯「はぁはぁ」

唯は池沼だから、無駄な動きが多く憂のように早くは走れない。体が不自由なこともあるが、基本的には食っちゃ寝の生活だから、体が太り気味なことも影響している。
憂はそんな唯がじれったく感じるが、もうそういうことは慣れた。
しかし、唯は凄く苦しそうである。

唯「はぁはぁ…、うーぃ」

と言いかけた途端

ウェッ、ゲロゲロ、ビチャー

なんと、唯は苦しさの余り、吐いてしまったのである。

唯「ゲー、ゲー、ウェッ」

憂「……」

憂はまさかの展開に、言葉が出ない。
もうバス停は直ぐそこだと言うのに……

 なんで?どうして?
 どうして、これくらい走っただけで、吐いてしまうの?

憂には全く理解できなかった。

しかし、唯はまだゲーゲーやっていて苦しそうだ。

憂は我に返って、唯の介抱をする。

憂「お姉ちゃん大丈夫?無理に走らせてゴメンね」
唯「ゲーゲー」

しばらくして、唯のゲロは収まった。

ふとバス停を見ると養護学校のバスが止まっていた。憂はとりあえず、姉が調子悪くて養護学校を休むことを伝えて、バスを見送る。

朝食時にうんちを漏らし、そして今ゲロを吐いたこともあり、大事を取って唯を休ませることにした。

と同時に、自分も学校を休んで、姉の介護をすることにした。
憂は昨年までは年に1,2回休む程度だったが、新年度になった1ヶ月ちょっとの間で、もう既に10回近くも遅刻や欠席をしてしまっている。
もちろん、姉を世話しなくてはならないためだ。

もっとも、唯がゲロを吐くというのは特に珍しいことではない。変な物を舐めたり食べているから、常人より吐いてしまうことが多い。
それに、食べて直ぐ走ると気持ち悪くなる、ということも分かっていないから、その影響もある。
ただ、このまま姉を送り出すのに不安を覚えたので、休ませることにした。

しばらくして、唯は落ち着いたようだ。
憂は改めて声を掛ける

憂「お姉ちゃん、大丈夫?」
 「無理に走らせてゴメンね。もう私ダメだよね…」
唯「うーい、泣いちゃやだ」
憂「うん、でも憂が悪いんだ。本当にゴメンね」

憂は涙が止まらない

唯「うーい、泣くのダメ。唯大丈夫」
憂「お姉ちゃんは優しいんだね」

そして、2人で家に帰った。

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2人は家に戻った。

食堂は、唯が食べ散らかした朝食やおむつ、そして、自分が投げた小壜などが散らかっていた。

唯「うーい、汚いよ」
憂「そ、そうね…(まったく、能天気だな…、誰のせいで汚れたんだよ!)」

流石に能天気な姉の言葉に、返事をするのが誠一杯である。
しかし、唯にはその言葉が聞こえなかったようである。

唯「ねえ、うーい!うーい!汚い、汚い!」

憂に聞こえるようにと、唯は大きな声で食堂が汚いことを言う。
これにも憂は切れた!

憂「うるさいわねー!聞こえているわよー」
 「まったく、誰が汚したのと思っているの!!」
唯「うえーん、」

唯はまた泣きだした。朝食の時の繰り返しである。

 
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    (2009.11.03-11.25)
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