唯「うわっうわったあ~む♪(^q^) > 」 ss部のみ その2

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唯「うわっうわったあ~む♪(^q^)/」 ss部のみ その2」(2013/10/16 (水) 01:49:11) の最新版変更点

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ぎいた!2 憂が食事の準備をしている間、梓は居間で「幕張」を読んで暇をつぶしていた。 いよいよ吉六会奥義「奈良づくし」が炸裂しようとする、まさにその時だった。 唯「あーう!あずなん!ゆいとあそぶでつ!(^q^)」 床でアイスを舐めて大人しくしていたはず唯が、気持ち悪い顔を近づけてきた。 漫画を読む邪魔をされたくないし、第一池沼に対して、どう接していいかわからない。しかし、梓はそんなことはおくびにも出さなかった。 梓「うん、いいよ。何して遊ぼうか」 梓は、池沼を差別するのはいけないこと、池沼は天使なんだ、といったような偏向教育を受けて育ってきた。だから、内心は気持ち悪いと思いつつも、唯の申し出は断れなかったのだ。 唯「あーう!?それなんでつか?(゚q゚)」 唯がソファー壁に立てかけてあったギターケースに興味をしめした。 梓「え?これはむったんだよ」 むったんとは、梓が愛機のフェンダームスタングにつけたあだ名だ。 本当は池沼などに触らせたくなかったのだが、前述のような偏向教育と、見せるだけだったら構わないだろうといった判断の甘さが、悲劇を招いてしまった。 梓「見せてあげるね」 そういってケースからキャンディーアップルレッドのムスタングを取り出した。 梓「本当はストラトのリッチーブラックモアモデルがほしかったんだけど、手が小さいからムスタングにしたんだ…て、わからないか」 唯「むぅ~、むふぅ~(`q´)」 梓「え?」 顔を上げると、唯が不気味なうなり声をあげて梓の腕の中にあるギターをにらんでいた。 梓「ど、どうしたの?」 梓は怖くなり、ギターを抱えたまま後ずさった。 次の瞬間 唯「むふぅぅぅぅっぅ!!!!!!ぎ------------------た!!!!!!(`q´)」 唯が絶叫した。 梓「え、ええ!?」 梓は何が何だかわからず、凍り付いてしまった。  ドスドス ドシーン その隙に唯の巨体が突進してきて、梓ははじき飛ばされてしまった。 梓「ちょ、やめt 唯「むふぅーーー!ゆいのぎいたかえすでつ!あずなんわるいこ!(`q´)」 そう叫びながら、唯は梓の腕からギターをもぎ取ろうとしてくる。 梓「ちょっと、やめてって!何、どうしたの!?」 梓はなぜこんなに唯が興奮しているのかわからなかったが、とにかく唯にギターを奪われまいと、抵抗する。 唯「ぎいた、ぎいた!!(`q´)」 どうやら唯は、梓がもっているギターが自分のものだと勘違いし、梓に盗られたのだと思っているらしい。 夕方、楽器店の前での憂とのやりとりでわかるように、唯の足りない頭では、ギターの形で区別することなどできないのだ。 加えて、チェリーレッドとキャンディーアップルレッドをどちらも「赤」としか認識できないため「赤いギター=ゆいの」という思考が成り立ってしまうのだった。 もちろん池沼のため、梓が唯のものなどを盗るわけがないといったような常識的な思考はできない。 唯「むふううぅぅぅぅぅぅううぅううううううぅぅぅぅ!!!!!!!(`q´)」  ドスーン!! 梓がギターを離さないことにしびれをきらし、唯は梓をギターごと突き飛ばした。 デブの唯にの全体重をかけられたらたまったものではない。梓の小さな体は、簡単に飛ばされた。 梓「きゃっ!」  バキッ 梓「え…」 嫌な音がした。 見ると、衝撃で梓の手を離れたギターは床に叩きつけられ、ブリッジが吹き飛び、ボディには一文字に亀裂が入っていた。 梓「あ…」 7年間、苦楽をともにしてくたムスタング。 初めて手にした時の喜びと質感。 毎日ストレッチをし、手が小さいというコンプレックスを克服して、初めてFが押さえられるようになった時。 1ヶ月かけて、Deep Purpleを全曲コピーしたときの達成感。 高校の軽音部で、初めて組んだバンド。 1年目の、初めて人前で演奏した学園祭。 2年目の、紬の奏でるキーボードとの、激しいバトルに精根尽き果てた学園祭。 そして3年目、部長として、バンドのリーダーとして、そして憂に負けないように、一層練習に打ち込む日々。 梓の音楽は、常にこのムスタングと共にあった。 それをこの池沼が。 唯「あーう。ぎいた、ぎいた(^q^)」 こわれたギターに唯が駆け寄る。 梓「わたしのむったんにさわるなああああああああ!!」ドンッ 唯「あう('q')」 体の小さい梓だったが、全力で体当たりしたために唯はひるんだ。 その隙に梓はギターを拾い上げる。 唯「むふぅぅぅ!かえすでつ!(`q´)」 梓「うるさい!!」バキッ! 唯「ぎゃ(>q<)」 梓は壊れたギターを唯の身体めがけて振り下ろした。唯が小さく悲鳴を上げる。 梓「お前みたいな池沼が!」バシッ 唯「あう("q")」 梓「私の全てを奪う気かぁ!」バシッ 唯「んひ("q")」 梓「このギターの弦一本の価値すらない池沼が!」バシッ 唯「ぎょご("q")」 梓「死ね!死んでしまえええええぇ!」バシッ 梓は泣きながら、唯をギターで殴り続ける。 唯「あう…たすけて、うーい("q")」 梓「軽々しくその名前をよぶなあああ!」バシッ 唯の口から憂の名前が出たことで、梓はさらに激昂した。 梓「お前のために憂がどれだけ辛い思いをしてるかわかってるのかぁ!」バシッ 唯「あう…("q")」 梓「お前のために憂がどれだけ自分を抑えているかわかってるのかぁ!」バシッ 唯「んひ…("q")」 梓「池沼の分際で憂を縛り付けるなぁ!」バシッ 唯「あ、あずなん、やめる…("q")」 梓「お前がいるから憂は、憂は…うわあああああん!!!」 梓はもはや、溢れ出る思いを抑えることができなかった。 同時に、目の前にいる池沼に対する怒りも、抑える術がなかった。 憂のことを好きだから。 本当はずっと、唯がうらやましかった。 本当はずっと、唯に嫉妬していた。 だからずっと、唯が憎かった。 自分のギターがボロボロになるまで唯を殴ると、梓は手を止めた。 唯「あ…ぅ…んひぃ、んひぃ("q")」 梓「あのね、私は憂のことがずっと好きだったの。憂のためならなんだってする。憂が私を選んでくれるなら、私は絶対幸せにする」 唯「("q")」 梓「ずっと憂の隣にいるお前は。憂の足を引っ張り続けているお前は。憂の全てを奪っているお前は、いったい何をしてあげられるの?」 しかし所詮は池沼、梓が何を言っているか、なぜここまで怒っているのかなど、理解できるはずもない。 だから唯は懸命に、この世でただ一人、自分の味方であるはずの人間の名を呼ぶのだった。 唯「あ~ぅ…たちゅけて、うーい…("q")」 梓「ああああああああああ!!!!この池沼があああああ!!!」 これだけ言っても、まだ性懲りもなく憂の名を口にする池沼に、再び梓は激昂した。 そして、再びギターを振り上げたその時。 梓の小さな身体は、殴り続けた疲労ですでに握力がなくなっていた。 振り上げられたギターは手の中で滑り、コントロールを失い、まるで意志があるかのように唯のフケだらけの頭に吸い込まれていった。 ぐしゃ いままでとは違う、明らかに異質な音と手応えだった。 気がつくと、梓の足下には大量の血だまりができ、その中心には頭が1/3ほどまで陥没した、唯の醜い身体が転がっていた。 うい! 梓「あ…」 梓は持っていたギターを取り落とした。殺してしまったのだろうか。が、 唯「ぁ……ぅ……ゲロゲロゲー」ビチャビチャ 唯は蚊の鳴くような唸り声をだすと、大量の胃液を床にぶちまけた。 憎まれっ子世にはばかるというが、おそるべき池沼の生命力である。 しかし、頭の外傷と嘔吐の症状を見れば、今すぐ搬送しないと助からないであろうことは素人の梓にも容易にわかる。 梓「あ、あ、あ、きゅ、救急車!」 我に返った梓は、慌てて救急車を呼ぶために携帯電話を鞄から出そうと振り返る。 そして、その場に立ち尽くした。 梓「憂…」 居間の入り口で、憂はじっと梓を見つめていた。 梓「み、見てたの…」 憂は梓を見つめたまま、こくりとうなずいた。 憂「そりゃ、これだけ大騒ぎしたら、嫌でも気づいちゃうよ?」 梓「いつから…どうして止めないの…」 憂「またお姉ちゃんが悪さをしたんだと思っていそいで来てみたら、案の、定梓ちゃんを突き飛ばしてむったんを壊してた…梓ちゃんがやらなかったら、私がお姉ちゃんを殺してたよぉ」 梓「え…あ、救急車呼ばないと!」 憂「どうして?」 梓「何言ってるの!早くしないと唯先輩が死んじゃう!」 憂「梓ちゃん、死ねって言ってたじゃない」 梓「そ…」 憂「救急車なんか呼んだら、梓ちゃん捕まるよ。死んじゃったら、傷害致死だよ」 梓「だからって!唯先輩が死んでもいいの!?」 憂「いいよ」 梓「え…」 梓は絶句した。憂が、梓の目をまっすぐ見て言った。 憂「梓ちゃん、言ってたじゃない。私を絶対に幸せにしてくれるって」 梓「憂…」 憂「梓ちゃんが捕まっちゃったら、誰が私を幸せにしてくれるの?」 梓の目から涙が溢れ出た。 憂は転がってる唯のそばに腰を下ろすと、そっと抱き上げた。 唯「あ…ぅ…んひ…う…い…」 憂「嬉しかったんだよ、梓ちゃんが好きって言ってくれて」 憂は優しく微笑んだ。 憂「昔ね、私たちのお父さんとお母さんが自殺したの。原因はもちろん、お姉ちゃん。介護に疲れて、将来に絶望して」 初めて聞く話だった。なぜこの家には兄弟2人しか住んでいないのか疑問に思うこともあったが、ずっと聞けずにいたのだ。 憂「私に残されたのは、お姉ちゃんだけだった。だから、お姉ちゃんを守るために、私は虚勢をはって生きてきた。池沼の家族だっていうだけで差別されても。世の中をすべて敵に回しても。 だって、私にはお姉ちゃんしかいなかったから」 憂「お姉ちゃんのことを疎ましく思っても、気がつかないふりをして。そうやって、自分さえもだまして、居場所を守ろうとしてきたの。 でもね、出会ってしまったの。それまでの自分の全てを否定してでも、そばにいたいと思える人に」 梓「…」 憂「はじめはね、友達になって、お話するだけで十分だった。でもね、時間が経つ度に、だんだん梓ちゃんの存在が私のなかで大きくなって。 同時に、私のお姉ちゃんに対する執着とか、愛情とか、そんなものがどんどん薄れていって」 憂「さっきの梓ちゃんの言葉、嬉しかった。梓ちゃんさえいてくれたら、もう何も恐くない」 梓「憂、うい!大好きだよ、憂ーーー!うわあああん!」 唯の身体を抱き続けている憂を、梓は後ろから抱きしめた。 どれほど時間が経っただろうか。 唯「う…ぃ…うん…た…」 憂「梓ちゃん。…手伝って、くれるよね?」 憂がこれから何をしようとしているのか、梓にはすぐにわかった。 梓「言ったじゃん。私は、どんなことがあっても憂を幸せにするって」 憂「ありがとう、梓ちゃん」 唯「ん…ひぃ…」 梓が浴室へ唯を引きずっていく間に、憂は物置から適当な道具を探してきた。 二人は唯の服を脱がそうしたが、唯自身が動けないのと、デブな身体が邪魔をして断念し、ナイフで「ロマンス☆」Tシャツを切り裂いた。 そしてオムツを脱がせると、大量のウンチがこぼれて浴室の床を汚した。 着衣のまま作業をすると汚れてしまうので、2人も服を脱ぐ。 全裸の可愛らしいJK2人が、床にころがる同じく全裸の豚のような池沼を見下ろしている。端から見ると異様な光景だった。 唯「んひ…んひぃ…」 憂「じゃあ、始めようか…」 梓「うん…あ、私がやるよ」 憂「だめだよぉ。こんなのでも、一応私のお姉ちゃんなんだから」 梓「うん…」 憂「梓ちゃん、しっかり押さえててね」 梓「わかった」 梓は言われるままに、唯の左腕を伸ばし、全体重をかけてしっかりと押さえた。 梓「…いいよ、憂」 唯「ぁ…ぅ…」 憂「それじゃあ、いくよ、お姉ちゃん」 憂は持っていた鉈を振り上げると 唯に優しく微笑かけ 一気に振り下ろした  ゴスッ 唯「あんぎゃあああああああああああああああああああああああああああああ!!!!!!!!!!!!!」 醜い絶叫と共に、唯の身体が大きく痙攣し、衝撃で梓ははね飛ばされた。 見ると、唯の左腕は骨が露出しているものの、まだ切断には至っていない。 再び憂が鉈を大きく振りかざした。 梓は慌てて唯の左腕を押さえ直す。  ゴスッ  ゴスッ 唯「ぎゃああああ!う゛も、う゛も、ゴゴゴゴゴ」 3度目でようやく、左腕は身体から離れた。 その度に繰り返される唯の絶叫は、とてもついさっきまで虫の息だったようには思えないほど大きく、醜かった。 続いて憂は右足に移る。豚足よりも醜い唯の足は太く、完全に切断するのに7度斬りつけなければならなかった。 唯「も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛も゛」 しかし左腕と右足でだいぶコツを掴んだのか、右腕は1度斬りつけただけで、難なく切断することができた。 梓はその凄惨な光景を一度も目を瞑ることなく、一度も目をそらすこともなく見続けていた。 これから憂と共に生きていくために。そして姉を解体する憂の姿は美しいとさえ思った。 池沼とはいえ、生きたまま手足を切断されるのは一見残酷な光景に見えるかもしれない。しかしこれは、少しでも長く大切だった姉を生かしておいてあげたい、一秒でも多く姉を見続けていたいという、憂に残された最後の、ほんの僅かな愛情だった。 普通の人間なら、腕と足を落とすと気絶するか、下手をすると痛みによるショック、失血などでそのまま死んでしまうだろう。 しかし運がいいのか悪いのか、唯は重度の池沼だったため神経の伝達や脳の活動が極端に鈍く、痛みで死に至ることはなかった。 それどころか、普段の唯なら、憂にお仕置きをされたり池沼狩りにあったりすると池沼の防衛本能が働いてすぐ気絶してしまうのだが、損傷を受けた脳は、その防衛本能すら奪っていた。 したがって気絶することすらできない唯は、意識を保ったまま激痛を受け入れるしかないのだった。 梓「最後の一本だね」 残された左足をしっかりと押さえながら梓が言った。 唯「ぁ…ぅ…なかよしがっこう……すみれぐみ…ひらさわゆいでつ…」 唯「とくいな…ものは……うんたん♪でつ……」 頭を損傷し正気を失った唯だったが、手足をもぎ取られる耐え難い痛みが意識を現実へと引き戻したらしい。 残された力をふり絞り、蚊の鳴くような弱々しい声でうんたん♪をはじめた。 もちろん腕はすでに切り落とされてしまったので、行動に移すことはできない。 しかしよく見ると切断面の筋肉がピクピクと動いているのがわかる。おそらく唯は腕がないことなど忘れ、一生懸命うんたん♪をしているつもりなのだろう。 唯は必死にうんたんを続けた。 唯「うん…た…ん………う…んた…ゆい…うんたん♪じょーず…ほめる…」 それは唯にできる唯一の、そして精一杯の命乞いだった。 憂「お姉ちゃんはうんたん♪上手だもんね」 唯「う…んた…うn  ゴスッ 唯「ぎょごぉ……」 最後の一本が切断された。 もはや唯には、叫び声を上げる力は残されていなかった。 だるまのような姿になり、切断面から血が噴き出してもなお、唯は生き続けていた。 憂はそんな姿を見て言う。 憂「ごろごろしてるお姉ちゃんもかわいいよぉ」 唯「ぁ…ぅ…」 憂は名残惜しそうに唯を見下ろしていたが、やがて決心したようだ。 憂「最後だね、お姉ちゃん」 梓がおもむろに唯の頭を押さえ、憂は鉈を首筋にあてがい、振り上げた。 唯「ぁ……ぅ……たちゅけて…ぅーぃ……」 唯が最後の力を振り絞り、憂の名を呼んだ。 憂「ばいばい、お姉ちゃん」 梓はその瞬間に見たものを永遠に忘れないだろう。 唯に向かって微笑みかける憂の顔は、この世に存在するいかなるものよりも美しかった。梓は憂の笑顔に引き込まれ、そしてこの世で一番醜い音を聞いてしまうのだった。 唯「ぅーぃ」  グゴシャ あとしまつ! 唯の身体を始末するために、憂と梓は全裸のまま風呂場で道具を使い、唯の身体を解体していった。 肉を削り、骨を砕いて細かくし、トイレに少しずつ流す。梓は唯の身体を溜めた洗面器を持って、風呂場とトイレの間を数え切れないほど往復した。 じれったかったが、一気に流して配水管が詰まってしまったら元の木阿弥だ。 慎重に慎重に、少しずつ少しずつ、唯の身体は下水に飲まれていった。 日付が変わり、夜が明けても、作業は休むことなく続けられた。 そのころになるともはや機械的な流れ作業になり、なんの感情も湧くこともなかった。 唯の最後の破片を流し終わったのは夕方になったころだった。 二人は血と脂でぐしゃぐしゃになった浴室の床を綺麗に掃除すると、一緒に風呂に入った。 ほんの少し前まで、唯の身体が転がっていた場所。 お互い一言も発することはなかった。 穢れた身体を綺麗にすると二人は抱き合い、ベッドへ倒れ込むのだった。 二人は泥のように眠りを貪った。 いちやあけて! 翌朝梓は、階下から聞こえる物音と食欲をそそる匂いで目を覚ました。 梓「ん…憂?」 階段を下りて食堂へ行くと、憂が鼻歌まじりに食事の準備をしていた。 梓「おはよ、憂」 憂「あ、おはよう、あずにゃん!」 梓「にゃ、にゃん?」 振り返った憂に、梓はドキリとした。 それまで括っていた髪を下ろし、前髪を軽くヘアピンで止めている。 憑きものが落ちたように明るく輝く笑顔は、もう池沼を身内に抱える人間の顔ではなかった。 梓(にゃ、かわいすぎるよぉ)カアーッ 憂「ん?どうしたの、あずにゃん?」 梓「え、コホン、な、何よあずにゃんって」 憂「あずにゃんはあずにゃんだよぉ。それより早くご飯食べよ。遅刻しちゃうよ」 梓「う、うん。じゃあいただきます」 憂「いただきまーす」 食事を終えると二人は並んで歯を磨き、着替えて、手をつないで登校した。 それは、これから続く永遠への始まりとなる、特別な朝だった。 えぴろーぐ! 平沢家の唯は近所でも有名な池沼で、各方面に迷惑を振りまいていたが、ある日を境に姿をみなくなった。おそらく障害者施設にでも送られたのだろう。代わりに平沢邸には憂が「あずにゃん」と呼ぶ、日本人形のようなかわいらしい女の子が憂と2人で住むようになった。 憂と梓はいつも手をつないでいた。 ムスタングが壊れてしまった話をすると、軽音部の顧問のさわ子が昔使っていたというカールス・マーダーモデルのギターを譲ってくれた。 そのギターは重く、身体の小さい梓には大きすぎると思われたが、1週間後には見事に弾きこなせるようになった。 夏、二人はおそろいの浴衣を着て町内の夏祭りで弾き語りをした。二人のギターと憂の歌は、町内のおじいちゃんおばあちゃんすら魅了していた。 そして大賞の温泉旅行をもらった。 秋、学園祭で梓率いる軽音部は桜高の歴史に残る伝説を作った。 あっという間の高校3年の冬が過ぎた。 N女子大の合格発表の日、合格者の番号が貼られた掲示板の前で、手を取り合って喜び合っている2人の姿があった。 2人は大学の寮に入ることになり、それに伴って憂が18年間育ってきた家は、他人の手に渡ることになった。 家の中のものはほとんど処分し、残るは唯が生前使っていた部屋だけになった。 半年ぶりに扉を開けると、部屋の真ん中にチェリーレッドのレスポールが落ちていた。いや、正確に言えばレスポールを模した安物のギターだ。 憂がそれを拾い上げ、2人は半年ぶりに唯の話をした。もう遠い過去のことである。 唯の物はギターも含め全て処分し、池沼が生きていた痕跡はその日、この世からすべて消え去った。 そして4月。暖かい春の日、2人はギターケースだけを背負い、家を出た。 そしてしっかりと手をつなぎ、大きな世界へ向けて振り返らずに歩き出す。その手は決して離れることはないだろう。 足もとには二人の未来を祝福するかのように、桜の花びらが降り注いでいるのだった。   おしまいでつ!(^q^)

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