DH4 ~Battle Cinderella~
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DH4 ~Battle Cinderella~
ja
2014-01-28T22:00:40+09:00
1390914040
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Battle Cinderella~sea side episod06【業と才】~
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*Battle Cinderella~sea side episod06【業と才】~
●招待
しかし、なんという十日間だったのだろう。
少年は嘆息する。
思えば最初からクライマックスだった。そして最後まで”とんでもない”展開だった。
ある日訳も判らないまま浚われたのを皮切りに、見張りのお姉さんに逃がしてもらい脱走、
仲間たちとの合流もままならないまま
学園の先輩に助けられ、病院でひとりの少女に出会った。そして離れ離れに。
そして彼女は再び彼の前に現れた。
その彼女は着衣の乱れを治すと改め、こちらをくるりと向うとくすりと笑った。
『蹴り』が突きましたよ、そんな顔だった。
たぶん今のが最後の戦いだったのだろう。
周りにはその決着を見届けようと、たくさんの女性達が集まってきていたからだ。
決着はどこかの誰かを彷彿とさせるひざ蹴りだった。
(なお、この場に男性はいない、軽く運命淘汰された)
そして自分へと歩を踏み出す出会いの少女。
対戦相手の女医さんとそこに慌て駆けよる看護師さんの姿。
少し距離を置き壁に手をつき、何かを思慮気に呟く、彼の妹。
横になんか凄い水着姿で駆けて来るシスター。
まるでスローモーションのようだった。
その全ての動きがまるでコマ送りの映像のように、少年の眼には酷くゆっくり鮮明に映っていた。
あまりに唐突で衝撃過ぎる、その最後の出会いによって
『じゃ ラストステージにご案内するか、少年少女 』
少年へと皆駆けよる中、全員の中心点に、まるで割り込むような形で、頭から真っ逆さまに、
少年の『同級生』が天上から落ちてきた。
「へ?のもっ…」
いや死んじゃうでしょて落下シーンの彼女と視線が合った瞬間、彼は笑いを含んだその言葉を確かに聞いた。
――――――― ☆ ☆ ☆ D P 戦 略 ☆ ☆ ☆ ―――――――――
と。
ポーポー。
どこかで汽笛のなる音が聞こえてきた。
●間奏曲『Dangerous crossover』
Dange-rous crossover!
Dange-rous crossover!
Beyond t
2014-01-28T22:00:40+09:00
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リミラヴが使い魔になった日のこと
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*魔技姫ラクティ☆パルプ・エピローグ「リミラヴが使い魔になった日のこと」
「まだ終わっていません!」
バーン! 謎の襲撃者を操っていた真犯人、大納言蘭の病室に現れたのは……
「ハルコ!!」
瑠璃奈と静穂が同時に叫び、パルプのもとに駆け寄って我先にと飛びついた。
【魔技姫ラクティ☆パルプ・エピローグ「リミラヴが使い魔になった日のこと」】
「心配したんだよ!」
「本当に……。どこで何をしてたの……?」
2人とも涙声だ。
帰ってきた友人を二度と失うまいと、強く強くすがりついている。
「ごめんね。実は……ホテルで寝てたの」
パルプは決まり悪そうに答えた。
「なんだよ! なんなんだよその理由は!」
「えー……寝てたって……」
2人は口々に非難の言葉を述べるが、嬉し涙はとめどなく、しがみついた腕は固く離さない。
「みんなも見たかな? 私、未来の姿になったんだけどね、それがとてもキツかったらしくて、ぐっすり寝たなーって思ったら4日も経っててもうビックリ!」
「ホントにビックリだよ!」
「良かった……戻ってきてくれて……!」
言われて見ればパルプの姿は〈未来支配者〉ではなく、見慣れた魔技姫ラクティ☆パルプだ。
「ごめんなさい……ハルコちゃん……私のせいで辛い思いをさせてしまって……」
蘭は涙ながらにパルプへ謝罪した。
「えっ、どなた様……でしょうか?」
見知らぬ美人に突然謝られて、パルプは驚き聞き返した。
蘭は傍らのフルフェイスヘルム型を手に取って見せる。
「あっ、大納言先輩! いいんです。先輩のお陰で、私は素晴らしい出会いを得ることができましたから」
そう言ってパルプは、ラクティ☆ロッドを掲げた。
ロッド先端の星形のレリーフが輝き出す。
「謎の襲撃者は、先輩自身が生み出した神足光璃さんのコピーでした」
「……はい。……その通りです」
ロッドの光が強まり、神妙な顔をした蘭のことを照らす。
「先輩は言われました。『仇を討って』と」
「……はい。……えっ?」
更にロッドの光が強まる。蘭は嫌な予感がして表情を曇らせた。
「ラクティ☆パルプがばっちり解決致します!」
「えっ? えええっ!?」
パルプは光輝くロッドをラクロススティックのように振り下ろす!
ロッドの先端から光弾が放たれ、ベッ
2014-01-28T21:59:48+09:00
1390913988
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さようなら、六九さん
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*さようなら、六九さん
ごめんなさい。私はあなたを救えない。
私は、あなたが消え失せようとも構わないと思った。
それが、愛するあの人を護るただ一つの道だったから。
あなたは私の友達、静穂と瑠璃奈の危機を救ってくれた恩人なのに。
たとえ任務の一環だったとしても、恩人であることに代わりはないのに。
私は、《未来視》の力によってマッチングに介入し、最適な展開を紡いだ。
平和な未来のために? ……それもないわけじゃない。
でも、一番の理由は、私自身の想いのため。愛する人を護るため。
私は、あなたに、最後の戦いの場すら与えず、惨めに消えてもらうことを選んだ。
さようなら、六九さん。
あなたは、私の友達を救ってくれた恩人です。
感謝しています……でも、さようなら。
――《未来支配者》パルプは、己の手の平を見つめた。
最終ターン、二人の選手を打ち倒し、六九から任務達成の機会を奪って滅ぼした。
酷く汚れてしまったこの手は、あの人と繋ぐのに相応しくないとパルプは思った。
(だから、今は見逃してあげる)
賞品の少年と手を取り合って去っていく優勝者の後ろ姿を、パルプは黙って見送った。
胸のチクチクする痛みにこらえ、襲い掛かって略奪したい気持ちを抑えつけながら。
(でも、いずれ奪いにゆきます。マジカニアの未来と、私のために)
かくして、魔技姫ラクティ☆パルプの世界格闘大会は終わりを迎えた。
パルプは何度も傷つき、倒れ、絶望も味わった。
しかし、それを乗り越え、大きく成長し、そしてなにより大切な想いを手に入れた。
これからも、少年を巡るパルプの戦いは続くだろう。
だが、ひとまずは、お疲れ様でした。
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2014-01-28T21:57:36+09:00
1390913856
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天王星ちゃんエピローグ-side Pluto-
https://w.atwiki.jp/holyland4/pages/613.html
*天王星ちゃんエピローグ-side Pluto-
「ただいまー」
「おかえりなさい!」
天王星ちゃんが帰ってきた。右腕骨折という怪我を負いながらも、それでも元気に帰ってきた。
「結局再起不能にならずに済んだね―。お疲れ様!」
「わわっ。またそうやって抱きしめる―」
「だって可愛いんだもんー。」
殺そうだなんて思っててごめんなさい。
殺さなくても、私がずっと地球で養えばいいんだもんね。
私のとりあえずの目標は、天体としての彼女を宇宙にいさせないことだから。
「もー。賞金、10万円しか稼げなかったよ―」
「じゃあそれは骨折の治療に使おうか。普通のお医者さんなら10万も使わずに済むでしょ。」
「えー。じゃあ余ったお金は焼き肉にでも使おっか。」
「お?焼き肉かー。行っちゃう?」
「行っちゃお行っちゃおー!」
こんなに自然に笑えたのはいつぶりだろう。
吹っ切れたからかな?
あぁ、焼き肉楽しみだなぁ。
【END】
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2014-01-28T21:56:27+09:00
1390913787
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とあるお嬢の中指直立最終話『とあるお嬢の中指直立』
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*とあるお嬢の中指直立(とあるおじょうのファックですわよ)~~最終話『とあるお嬢の中指直立(とあるおじょうのファックですわよ)』
物語も終わりを迎える。
これは、少女達の戦いの軌跡。
少女は戦う。勝利の美酒に酔いしれるまで。
少女は戦う。敗北という泥を啜ってまでも。
ある者は欲望のため
ある者は名誉のため
そしてある者は、誰かのため
これは、とある少女の物語
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~~とあるお嬢の中指直立(とあるおじょうのファックですわよ)~~
最終話『とあるお嬢の中指直立(とあるおじょうのファックですわよ)』
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勝利を確信したのは、膝に確かな手応えを感じたからだった。
零距離からの膝蹴りが、女王蜂の膝蹴りが。
超時空軽空母『綾鷹』DEATHの顎を撃ち貫いた感覚が確かに残っていたからだ。
「貴方は強く、聡明で。 確かにランカー1位に恥じない方でしたわ」
「それでも……。それでも、”女王”を名乗るには、些かおこがましいのではなくて?」
糸の切れた人形のように力無く崩れ落ちる、超時空軽空母『綾鷹』DEATH。
一瞥も無く彼女に背を向けたのには理由があった。
『綾鷹』に、問いに返答する意思も意識も無い事も理由の一つではあったが――――。
乱れた髪を。
乱れた服を。
乱れた呼吸を整える間も無く。
――――見知った少女が眼前に立ちふさがっていたからだ。
「おー。シノミヤ。また会ったな」
「……ええ。随分と早い再会でしたわ。鏑木さん」
「ははは。そう言うなって。それじゃ、始めようか? 最強のバカ決定戦だ」
荒い呼吸を隠そうともせずに、眼前の少女は続けた。
乱れた髪。
血で塗れた服。
ひしゃげた岡持ち。
彼女もまた、数多の傷を負っているのだろう。
――――恐らく自分よりも。
きっと、これが彼女の最後の戦い。
だから、きっと、これが彼女の最後の一撃。
だから、私は、彼女の一撃に真正面から応えなければならない。
「ははは。流石シノミヤ。やっぱりバカだなー。 ……サンキュ」
岡持ちを握る手が。
鞘に納められた足刀が。
僅かな沈黙。
2014-01-28T21:55:31+09:00
1390913731
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Battle Cinderella『女王』の敗北 ~姫騎士たちの散華~part4
https://w.atwiki.jp/holyland4/pages/611.html
*Battle Cinderella『女王』の敗北 ~姫騎士たちの散華~part4
――地下カジノ跡地 最終日――
「今更、何をおっしゃってるのです!聞く耳持ちませんわ!どきなさい!」
『何言ってるかわかんね―けど、お前、端から人の話きかね―じゃないか』
優勝候補たる上位ランカー達が激しくぶつかり潰し合うこととなった最終日
その幕開けは奇しくも互いに聴覚喪失に陥ったこの二人だった。
偶発的な遭遇。そして戦いは―
火力で勝る紫ノ宮 緒子が超時空軽空母『綾鷹』を順当に下し、そのコマを進めた。
†††
………。
『やれやれ、負けた負けた。最後はみんな大好きおこちゃんとのバトルか。
最後まで噛みあわなかったが、お互い耳が聞こえない現状じゃそこはしゃーねか。』
地に伏した彼女は、対戦相手が、次の相手を求め、移動するのを確認するとゆっくりと起き上る。
まず自身の身体の状態をチェックし、深刻なエラーが発生していないかを確認。
ついで、ぐーとの身体を反らし、ついで清々しくひとのびをした。
それは肉体ダメージだけでなく精神ダメージまでもまるで感じさせない動きだった。
この大切な優勝決戦戦、初戦で敗退し脱落することとなった立場にしては…
『おーし、最後は気持ちよく負けたことだし。わらわもラストミッションいこう。よっと。』
全然堪えてなさそうだった。
『強めの気配を幾つか感じるな。こちらの戦いの推移を慎重に伺ってる感じだ。目的は少年の確保…。
恐らくは運営側の人間だな。主催者にも内緒で…案の定、運営側も腹に一物あったってことか』
主催者側と運営企画側は一枚岩の存在ではない。ある意味当然の成り行きであるともいえる。
もし手をこまねいてそれに云い様にやられるとしたらそれはされたほうが悪いのだ。
そして、それは”運営”側にも”主催者”側にもいえることなのだ。だからこそ彼女もそのラストに
備え、歩を一歩踏み出す。
その眼の前に突如、羽根を生やした少女が、ぽむっと擬音を立てて現れた。完全に血相を変えている。
現れた暇もなく彼女に向かいこう叫んだ。
「女王つつつつ、大変大変~へんたいへんたい~で、エライことに」
それはマリーの夢の中でファルコネンの聖霊を名乗っていた綾鷹そ
2014-01-28T21:54:06+09:00
1390913646
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とあるお嬢の中指直立『夢』
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*とあるお嬢の中指直立(とあるおじょうのファックですわよ)~~7ターン目『夢(たったひとつのおもい)』
(おとうさま、おとうさま)
(どうしたんだい? 緒子?)
(おこは、おおきくなったら、■■■■になりたいですわ)
(緒子ならきっとなれるよ。 でもね、緒子。 そのためには、緒子は強くならなきゃいけないよ?)
(つよく……?)
(ああ、そうだとも)
(だったら、おこは、つよくなりたいですわ。せかいでいちばん、つよくなりたいですわ)
(おこは。 おこはつよくなって、■■■■になりたいですわ)
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~~とあるお嬢の中指直立(とあるおじょうのファックですわよ)~~
7ターン目『夢(たったひとつのおもい)』
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天井一面に広がる真っ白なタイル。
身を包む毛布は、冷え切った身体を優しく抱きしめてくれる。
少しだけふらつくのは、差し込む光のせいだろうか。
朦朧とした意識の中、再びまどろみの海へ落ちそうになるが、
頬を撫でる隙間風がそれを許さなかった。
(懐かしい夢を見ましたわ……)
幼い頃の自分。
純粋に、無垢に。
絵空事のような夢を信じていた自分。
自分は……何になりたかったんだっけ?
「おー。起きたか、シノミヤ」
ふいに投げかけられた言葉は、冷水を浴びせられたかのように意識を覚醒させる。
声はすれど、その姿は見えず。
申し訳程度におかれた簡易カーテンを挟むように、声の主は居るらしい。
どこか、どこか聞いたことのある声だった。
「鏑木さん……ですの?」
「おー。大正解、私だ」
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「ビックリしたぞ。シノミヤが運び込まれてきた時はな」
「ここは……?」
「病院だな。それすら覚えてないの?」
「……」
そうだ、自分は敗北したんだ。
分かっていたはずだ。
気づいていたはずだ。
自分が討ち倒されたことを。
少年はもう、傍に居ないことを。
「全く。肩を並べて戦った二人が、同じ部屋で横になってるとはなー。 知ってるか? あたしら、バカ1号と2号って呼ばれてるらし
2014-01-28T21:42:21+09:00
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謎の襲撃者、その正体
https://w.atwiki.jp/holyland4/pages/609.html
*謎の襲撃者、その正体
真木ハルコは帰ってこなかった。
魔技姫ラクティ☆パルプは帰ってこなかった。
病院で財前倉持に敗れ、転校生〈未来支配者〉として再び姿を見せた後、どこに行ったのかはわからない。
静穂と瑠璃奈は、自分たちだけで事件の幕を引く決意を固めた。
追い詰められた真犯人が口封じを図ったら――?
その可能性は低いと思われたが、もしそうなったら2人の命はないだろう。
だが、2人はパルプの意志を引き継ぎ、危険を冒すことにしたのだ。
パルプの思いが人を動かし、誰かが最終的に未来を切り拓く。
それが、パルプの『ばっちり解決』なのだから。
夜。2人は病室の扉を開き、解決編を宣誓する。
「犯人は――」
「あなたです……!」
まだ戦いの傷が癒えず、左腕に点滴をつけた『犯人』はゆっくりと半身を起こして2人を迎えた。
「やっと――辿り着いてくれたのですね。もっとも、来るのはラクティさんだと思っていましたが……」
その声は悲しげだった。
「ラクロスと格闘技に取り組む、先輩の真摯な姿勢は尊敬しています」
「でも……あなたは『やりすぎた』。そうですね……大納言先輩」
「なぜ私自身が犯人だと考えたのか、聞かせて貰えるかしら?」
襲撃事件の『犯人』、大納言蘭は努めて平静を装って尋ねた。
だが、フルフェイスヘルム型アイガードの奥から響く、その声は震えていた。
「パルプさんがいくら調べても、参加選手の中に犯人らしき人物はいませんでした」
「先輩の言葉に嘘がないなら……犯人は『選手なのに大会に参加していない選手』」
「『被害者自身が真犯人』――私たちは迷ド探偵たまきさんの正体を知って、この発想に至りました」
「大納言先輩、あなたの真の能力は『コピー能力』……違いますか?」
「正解よ。よくわかったわね」
「先輩は、毎晩遅くまで独りで熱心に練習をしてました。でも、先輩の練習には不自然な点があったのです」
「フェイント、パスワーク、対人格闘……先輩の得意技は、独りだけで練習するのは難しいものばかりです」
「先輩の能力は――『望む人物のコピーを作り出し練習相手とする能力』!」
445 :未来支配者:2013/12/11(水) 08:19:06 「そうです。能力名『シャドウ蘭にゃん'sメイト』。孤独な私が生ん
2014-01-28T21:40:54+09:00
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世界格闘大会最終日、ラ・ピュセル&トラロック&ベル、大会に星を咲かす
https://w.atwiki.jp/holyland4/pages/608.html
*世界格闘大会最終日、ラ・ピュセル&トラロック&ベル、大会に星を咲かす
中庭に設えられた特設のバトルフィールドが、病院というこの場所を考えるとひときわ異彩を放っている。
魔人格闘家が動きやすいよう充分なスペースをとった空間を中心に、円形に簡易の観客席が並び、マスコミ席もある。
退屈な入院生活に飽きた患者達が賑やかな客席の中にちらほらと混ざり、黒い群衆に白い患者服が点々と斑を作る。
これまでとは少し変わった客層の間を、賑わいの中心に向かってラ・ピュセルと雨衣は歩いていた。
ざわざわ、がやがやとした喧騒を右に避け、左に躱し、ほどなく二人は客席の最前列に辿り着いた。
雨衣はここで足を止める。ラ・ピュセルは軽く頷き、そのまま群衆の視線の中心へと進む。
世界格闘大会8日目。大会最終日。最後の大一番である。
雨衣は、戦場に向かうラ・ピュセルの背中を見送り、どうか格好良く勝てますようにと祈った。
頭の中での祈りを終え、さて席に座ろうと空席を探す雨衣に声がかかったのは、その時であった。
「雨衣さーん! こっち空いてます!」
聞きなれない少年の声。しかし確かに自分の名前を呼んだ。雨衣は首を巡らし、声の主を探した。
客席の最前列に、こちらに向かって手を振る少年がいた。年頃は小学校高学年か、せいぜい中学1年生といったところか。
改めて見ても見覚えのない相手ではあったが、雨衣はひとまず呼ばれるままに少年の元へ向かい、隣の空席に座った。
「この前はごめんなさい」
どなたでしたっけ、と聞こうとした雨衣の言葉に先んじて、少年が謝罪した。
はてな、と首をかしげる雨衣に、ああそうでした分かりませんよねと少年が頷く。
「僕が『ヘタレの方のラ・ピュセル』です」
照れくさそうにそう言った少年を見て、
「ああーーー!!」
雨衣は、得心がいったと大声をあげた。
「私の本当の名前は――」
「ベルよ。よろしくね、雨衣」
大会初日の夜。既に日の暮れた夜空が窓から臨める病室。
アニメや自身が手がける衣装の話で盛り上がっていた雨衣が、最後にラ・ピュセルに対して本当の名前を聞いた時。
囁くように、名前を名乗ろうとしたラ・ピュセルの背後から、突如としてもう一つの名乗りがあがった。
「あっ」
「えっ」
2014-01-28T21:40:02+09:00
1390912802
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5回しかガチャしてないのに81が2回出るのはおかしいと思うんですよ最終ターンSS
https://w.atwiki.jp/holyland4/pages/607.html
*5回しかガチャしてないのに81が2回出るのはおかしいと思うんですよ最終ターンSS
「清々しいほどに無理だったな、倒れそうにない」
「少なくとも大会参加者3人で撃破できる相手ではなかったのです」
後半開始後3日間拠点にしていた刑務所を離れ前半戦で使用していた宿泊施設へと戻った庵白彩一行、
世界格闘大会7日目、終末を背負う者へ庵は全力で挑み全力でふっ飛ばされた。
しかし彼女の闘志の炎は一層燃え、そして剣筋は最終日を前に更に鋭くなっていた、
「・・・しかし大会中に負傷や精神的な問題で大会を去っていった参加者が
操作していたガイノイドのを私が思いっきり真っ二つにしてしまった北部明日子含め計20人、
その内いつの間にか転校生として大会に乱入するようになったのが先程知らされた2人含めて計9人」
「あと女装して参加したのがバレて大会を追放された迷ド探偵たまき、
自分から大会を去っていったリオレイア希少種を含めると22人が大会からいなくなっているのです」
「大会が始まる前から師匠や友達からこの大会は危険だとは聞いていたが・・・
それにしても異常な大会に参加してしまったものだな・・・
ここまで来たのだから大会終了まで戦い続けるがな、逃げては武闘者として恥だ」
「ところで一つ問題があるのです」
「ん?もう月の巫女に怪我の治療をしてもらえないそうだが私は問題ないぞ?
この程度なら剣筋は衰えないし高速移動に関しても全く問題は無い」
「いや、大会最終日に残っている参加者は18人なのですけど白彩は現時点でその中で賞金ランキング11位なのです、
最終的に18人からどれだけ残るかは分からないにしてもこのままでは
白彩は『最後まで残った中では弱い方』として分類されてしまうのです!」
目立つ試合はあったとはいえ総合で弱い方に分類されては『光る所はあったが所詮そこまでの格闘家』でしかない、
勝利の栄光を掴めるのは唯一人、そしてその栄光に照らされ語り継がれるのは『上位陣』のみである。
「・・・えっ?中々順位が上がらないとは思っていたがそんなに私順位が下だったのか?」
「白彩はとにかく相手の間合いまで飛び込んで斬りに行くから怪我が多すぎるのです、
しかも毎度毎度重傷を負っているから幾ら転校生に勝とうが賞金が治療費
2014-01-28T21:38:37+09:00
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