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Battle Cinderella~sea side episod05【業と才】~決戦前夜


―――― 病院 7日目 ―――――

激闘の後、シスター・マリーは再び病室に戻る。
病室の窓から覗く”平穏な”夜景を確認すると、安堵の息を吐きカーテンを閉め、
今だ意識の戻らぬベッドの親友エリザのほうを振り返り、見やった。

『ふむ、これはお前のツレか』
「!!!?」

そして絶句する。
そこには彼女の親友の顔を覗きこむ黒帽子の痴女がいた。

†††

幾ら自分の気を緩んでいたとはいえ、接近に全く気づかなかった。いつ侵入してきたのか
気配どころか、部屋の扉を開けた形跡さえもないのだ。
幽霊船かよ!
その唐突過ぎるとしか言いようのない登場に慌てるマリーの動揺を涼しい受け流し、
黒帽子は言葉を続ける。

『細かいことは気にするな。丁度”後援者(スポンサー)”に会った帰りでな。
帰り際、ちょっと気になったのが居たのでお前のとこに依った。』
「…あー。」

依ったってオイ。言葉の意味は全く判らんが、心霊現象みたいな軽空母で有る。
この人の”後援者”って結局、誰だったのだろうか、病院関係者と言うことなのか…
マリーはもはやどう突っ込んでいいのか(最初からツッコミどころ一杯だったか)わからず
軽く首を横に振り、ため息を吐く。
それを何故か黒帽子は肯定と受け取ったのか、ベットの少女を見、頷く。

『心性障害だな。ナニカ理由は判ら-んが目覚めるのを拒否している感じだ。
ゆらぎと同パターンか―――

ちょっと幾つか聞いていいか。』

頷くマリー。
親友の意識は今だ戻らない、藁にも通りすがりの艦ムスにもすがりたい気分だった。

『コイツ意地っ張りか』
マリーは頷く。ここまで病状を悪くなるまで隠し通すなんてこんなに意地っ張り見たことがない。

『性格、悪いか?』
マリーは頷く。すぐ嘘をつく、騙す、嘘泣きする、とんでもない詐欺師野郎である。

『で、お前こいつのこと好きか?』
マリーは頷…きけて盛大に噴き出した。あわわわわ、いきなり何を言うのだこの人は!

『照れるな。かなり重要だ。こいつのことどれくらい好きだ。反対にお前がどのくらい好かれてるでもいいが』

マリーは赤面するとほにょごにょほにょ。と何事が小声で呟いた。

『…いや風呂場でおっぱい揉まれたとかそういうことは聞いてないから』


†††

『じゃ、説明するぞ。能力【DP戦略】
わらわは、お前らのいうところの『サイコ・ダイバー』と言う奴で人の心に潜ることができる。

コイツ、実は人の心読みながら戦ってんじゃねぇかとGK陣と一部の皆さんは思ってるかも知れんが
実は本当に読んでましたってオチだな。
なんで、それを使ってお前をコイツの心の中に連れていく、そこでエリザの意識を目覚めさせろ。』

黒帽子が片翼の少女に声を告げたのは意外な事実だった。

『これは多分親友であるお前にしかできん仕事だ―――ただ、直ぐには不可能だ。わらわのその
魔人能力は現在のところ”諸事情でかけっぱ”の状況なっている。
同時使用ともなると障害を突破しつつお前を送り込むまでの出力を確保できん。そして、この
”かけっぱ”状態、解除するには後援者(すぽんさー)様のご厚意って奴がどうしても必要になる。
発動は早くても大会が終了した後になるだろう』

大会終了後…綾鷹の言葉にマリーは親友をちらり見やり考え込む。
今もエリザが危険な状態に代わりない。早いなら早いに越したことはない。黒帽子は言葉を続けた。

『もし――――
それまで待てないというのなら半妖に浚われた『賞品の少年』を明日中に連れてこい。
アレは死兆星クラスの女性の心的障害すらとり解す、不可思議な力がある。
アイツがいればお前を明日にでもエリザの心に送り込むことができるだろう。

所在は―地下カジノ跡地―。
言っておくが、ここは今日以上の激戦区だぞ、明日いるのは転校生だけではない紫ノ宮もわらわも向かう。
アンラクシ―の奴も匂いに釣られてくるだろう。
怖ければ来なくていい。わらわが奴を連れて来る。お前はそれまで親友の番をワンワンしていればいい。

じゃな。』

そこまで告げると彼女はプツリ、かき消すようにいなくなった。

その様子に、片翼の天使は、心優しき闘いの鬼、は笑った。

それは彼女の師匠らしい、
実に、安っぽい、らしい挑発だった。

†††

―― 病院中庭 ――――

『シスター・マリー。

お前は見事”才”を開花させた。
戦うことでしか、発揮せえぬ”鬼の力”という才を。
ただそれだけでは駄目だ。”才”に見合った”業”をトモなわなければ、ただの修羅のまま終わってしまう。

己の業と才の全てを「恋愛」と言うファクターに食いつぶされたチョロイン達と同じ轍を踏むことを意味する。

そうではないと示さなければいけない、費やした覚悟と勇気のみが、己が業と才いう力を制するのだということを。

そして、そのことを『スポンサー』に示してほしい。
それを持ってわらわの今回の『仕事』は終了することとなるのだから。

――――で、さてと、
後の問題は…然したる目的もなく明日なきまま修羅道まっさかり爆走中の高学歴おっぱいどもになるわけだか、
コイツら本当にどーすっかね。
カジノに来ると想定すると紫ノ宮やマリーの転校生戦の邪魔にならないようわらわがコイツの足止めするのが
正しい流れだ。ただ生憎と最悪のタイミングで膝に矢を受けてしまっている。
今のわらわじゃ奴らにとって美味しい『鴨』でしかないわけだ…矢鴨かよ。足止め役すらできんじゃねーか』

黒帽子は”本人にも”聞こえない独り言を呟く。
月の巫女の退場による余波は思わぬところに波及をしていた。ここに来て聴覚の治療までも出来なくなったのだ
、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、
回避が出来ないということはアンラクシ―の攻撃を全弾防御できないということと同義なのだ。
しかも相手のほうが反応値が高く、逃げ切ることも難しい。狙われたらその時点で勝ち目はほぼゼロなのだ。
はち合わせた時点で『綾鷹』の優勝の目はほぼ消えるといっていいだろう。だが…

『だが、それはまあいい――こっちは少年を確保した誰かがトータルで1位と2位を押さえ優勝すればそれで『勝ち』なのだから。
どちらにしろ、この世界の以降の命運はお前らに託すしかないのだし。
ただアンラクシ―の奴は勝てばいい理論だから少年を転校生に取られても、気にしねーだろう…そこがな…。
お、うのみの線もあるか。ギリはどうかな。

さて、じゃわらわは今の自分で何が出来るか。もうちょい考えてから行動に移すとするか…。』


そして
各々の思惑の元、大会は運命の最終日を迎える。

(大会7日目採点結果)

シスター・マリー  100点満点(最大成果・花マルの◎)
超時空軽空母『綾鷹』 0点  (自己採点・勝てない戦にて痛恨の一打。大×)


                          (Battle Cinderella~sea side episod05【業と才】~了)