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『“The Transfer” No.6』


 ”LoverSuitの女”──────────神藤振子(しんどう・ふりこ)は魔人格闘家として二度死んでいる。  
 一度目は自らの拳が他人を打ち倒すにはあまりにも不適性だと知ったとき。
 そして二度目は、その拳の力を存分に揮えると臨んだ『世界格闘大会』において敗北を喫し、脱落してしまったとき。
 魔人格闘家の一族に生まれ、絶望の淵に沈み、それでも一筋の光明を見出したはずが、そこでも挫折を味わった。
 鍛えた身体も、天に与えられた能力も、自分には活かす事が出来なかった。
 悔しさと、そして絶望。
 闘えない魔人格闘家など、何の価値もない。
 活かせない能力など、何の役にも立たない。
 自分には生まれてきた意味など、何一つ無い。
 最後の拠り所として参加した大会からの脱落は、彼女の精神の根底を打ち砕くには充分過ぎる出来事だった。
 そんな彼女を救ったのは、一人の少年だった。自分よりも年下であるその少年は敗れた自分を献身的に手当してくれ、そして落胆していた振子を誠意を尽くして慰めてくれた。
 その時の事を思い出すと、今でも振子の身体は熱く火照る。自分の能力にあんな使い途があったなんて。
 だが、決して悪い気分ではない。格闘家としてではない別の生き方もある、という事を気付かせてくれたのだから。
 大会前に誂えたラバースーツが、振子の女性としての魅力を示す各部分を程良く締め付ける。今まで意識していなかった感覚が少年によって拓かれ、より敏感になった触感が悦びを覚える。
 もう一度会えば、彼はまた同じ事をしてくれるだろうか。
 はしたないと思いながらも、振子の肉体は期待と願望に震える。主人に与えられる褒美を尻尾を振って心待ちにする雌犬のように。
 ラバースーツの内部で汗が流れ、体液を吸った生地がより一層強く彼女を締め付ける。身体のラインが隠しようもなく露になるが、その羞恥さえ彼に見せつけたい。素肌を晒すよりも扇情的なその痴態を。
 その時を想いながら、振子は張り出した豊満な乳房を惜しげも無く揺らして再び戦いの場へと自らを駆り立てるのだった。


                                              <了>