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超時空軽空母『綾鷹』DEATH VS 転校生(忘却の影)


少女は走る。

ガラスの靴もなく

少女はただ走る。

かぼちゃの馬車もなく、

少女はうねる様な動きで地を跳ね、街路を抜け『標的』を探して 裸足のままに

そして足が止まる。眼に映る先にはただの街灯、ただその上には一本の黒帽子が立っていて


『ふん、じゃ一位殿の名代を務めるとしようか』
「――――――」

彼女の言葉の意味を理解したか否か、誰にも見染められることなかった可愛そうな”灰かぶり”は、

酷く機械的な眼差しのまま『標的』となっている黒帽子に突撃した。



──────────超時空軽空母『綾鷹』DEATH VS 転校生(忘却の影) ──────────



『綾鷹』の立てた作戦(オペレーション)は極めて単純なものであった。

何人か捜索の網を張らせ、転校生が突破してきたところを逆に迎撃するというもの。

彼女はこの転校生が、どのような理屈(メカニズム)で動いているか

そして”その動機”も。既に見当がついていた。

―眠れシンデレラ―

ゆえに強烈な回転と電磁波を帯びたボディプレス、一直線に向かってきた転校生の初撃を
翻し躱ことはなかった。
『彼女』は最低限の動きで攻撃を流すと強烈なカカト落としで切って落とす。

突撃の角度を直下に曲げ、勢いそのままにアスファルトにキスをする少女。
続け様に地に降りる軽空母。


―それが合図ですよ
                 ―貴方の脱落以降の役割は―


脳裏にちらつく紅い影。


『ふん”刷り込み済”―案の定そういうことか。あの性悪女の考えそうなことだ。』

今の一撃に何かを感じたが忌々しげに呟く黒帽子。
対して記憶喪失の少女は無表情のまま、酷く動揺した。今の声は、そして脳裏にちらついたあの影は…一体?
黒帽子が嘯く。

『しゃーね、ことのついでだ、てめーの記憶。

その頭、どついて思い出させてやろう。ズズハラの眷属』



††††

―スズハラ本社ビル地上”存在しない”130階。0032号室 ―
― 存在しない時間 ―

蒼い空の中、一組の男女がいる。

「君らにしては地味だね」
「今回の大会は『殺人行為』が禁止されています。故に仮面の派遣は適切ではない
そう結論付けされました。」
「確かに。上手い対策を取ったものだよね。これでは十三属生は十全に働かない。
殺人属性も考えモノだ。」
「なので眷属の派遣。精々それくらいが関の山と―」
「そうという結論にいたったわけか。ふむ、いっそ私がいってもよかったかな」
「逸脱者認定受けますよ。」

声が聞こえる。
そして影が近づいてきた。

「そうかい?じゃキリエくん…だったな。君にはもう一つばかり仕事を任せることにしよう。」

──────────超時空軽空母『綾鷹』DEATH VS 転校生(忘却の影) ──────────

GOOOOOOOOOOOOOOOM

そして少女は
強烈な一撃をドタマに受け、路上を転げ飛ぶ。一回転、二回転、三回転。


『その記憶をうしなぁぁぁぇええええええええええええええええ』

「。。。。。。。。。。てぇぇえええええええええええええええええええええええ」


うわっとんだ私、今確かに何か記憶思いだしかけたのに今綺麗に飛んだ。身体も相当トンだけど。
慌てて飛んできた先を見ると、その先に変なアキカン帽子被った痴女がいた。

『テメーなにヒトとの戦闘中に回想に入り浸ってるんだ。わらわをする―するとは無礼千万。
目の前の闘いに集中せんか!」
「…。」
なんか逆切れしてる。
いや、ここまで至る経緯、上手く思いだせないけど、なんか最初このひと記憶喪失直してやる
とかなんとかいって戦闘始めませんでしたっけ。
で殴られて、ちょっと記憶を思いだした様な。アレは誰…三越先輩…じゃなかった気がする…

「シンデレラがしんでれら?ん?アレ」
『はん元来の調子もどってきたじゃねぇのか。
わらわはどちらでも一向にCome one!かかってこい!さっきの機械じみた動きより楽しめそうだ。』

そうだ、今は目の前の現状を打破しなければ、私は私なりにいつもそうやって突破してきたんだ。

そして私は突撃する。
彼女は『壁』は撃ち返してくる。

突撃する。撃ち返してくる。
突撃する。撃ち返してくる。
突撃する。撃ち返してくる。
「ふふふふ」
『くくく』

この壁は、目の前の彼女は避けなかった。無論、逃げない。拒(ガード)まない
いまままで皆、私のことよけてたのに拒んでたのに、

楽しい!楽しい!楽しい!楽しい!楽しい!楽しい!

楽しい!楽しい!楽しい!楽しい!楽しい!楽しい!

楽しい!楽しい!楽しい!楽しい!楽しい!楽しい!

楽しい!楽しい!嬉しい!嬉しい!嬉しい!嬉し…

幾度目の打ち込みだろうか、ついに力尽きたか、少女が意識を失う。
それでも彼女は前のめりに壁にぶつかっていくことを止めなかった。
軽空母『綾鷹』はうんざりという形で息を吐く。

『コイツのチョロイン化は自力治癒で問題なさそうだな。
全く変なタイミングでめんどくさい仕事押しつけるなよ。クェル・クス。』

ようやく眠りに付いた少女(シンデレラ)を自分の身体引きはがしながら
もしもリタイアしていなければ彼女のことを受け止めたであろう少女の名を口にする。

言葉は文句だが、その口調は『彼女』にしてみると妙に優しげなものだった。
その彼女はもうこの舞台にはいない。
更に何事かいいかけた軽空母『綾鷹』だが、次の瞬間、鋭い眼差しで西の空を振り返ると
徐に宙に浮かぶナニカを睨みつけた。

『おいおい、時空改変だと
誰だよ、やべ―ことに手を出したのは…しかもド失敗してやがる。うわーもう死地メンドクセーナ。
全くどいつもこいつもOTUKARESANだ。』

そう彼女はため息交じりに呟くと
破れかけの黒マントを少女に被せ、一路、西の空へと飛び立つ。特異点の元へと