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処女改体、あるいはオサレ空間より聖女は飛翔する


マリーの日記より抜粋

一日目
綾鷹師匠の不思議空間で修行をすることになった。
ここはメンタルとタイムのルーム的な場所らしく、時間の流れがとても遅いようだ。
幸運を得られたことを神と師匠とに感謝をして、今日から肉体改造に励むことにする。
何事も基礎が重要だろう。まずは十字架(ファルコネェン)素振り五千本からだ。


二日目
朝の祈りの後、ひたすら素振り。
昼の祈りを挟み、ひたすら素振り。
夜の祈りの後就寝。


三日目
猛烈な筋肉痛で目が覚める。
折れそうな心を奮い立たせ素振り。
苦しい……だがオレは強くならなきゃいけないんだ


七日目
この空間に来てから一週間が経った。
愚直に素振りを続けているが、強くなっている気が全くしない。
具体的に言うと、HPも攻撃力も上昇している気がしないっていうか……

✝✝✝✝✝

己の肉体と武術に限界を感じ悩みに悩み抜いた結果
彼女がたどり着いた結果(さき)は
感謝であった
自分自身を育ててくれた教会への限りなく大きな恩
自分なりに少しでも返そうと思い立ったのが

一日一万回 感謝の素振り!!

気を整え 拝み 祈り 構えて 殴る
一連の動作を一回こなすのに当初は5~6秒
一万回殴り終えるまでに初日は18時間以上を費やした
殴り終えれば倒れる様に寝る
起きてはまた殴るを繰り返す日々

✝✝✝✝✝

「いやいや、これ時間が足りないわ」

「しっかし祈りの時間を減らす訳にもいかねぇしなあ……」

「仕方ない。祈りを捧げる回数はそのままにして、素振りを減らそう!」

✝✝✝✝✝

二ヶ月が過ぎた頃 異変に気付く
一万回祈り終えても 日が暮れていない
齢16を越えて 完全に羽化する
感謝 1時間を切る!!
かわりに 殴る時間が増えた

オサレ空間を出た時 マリーの祈りは
音を 置き去りにした(FS:信仰心+3)

✝✝✝✝✝

波の音と彼女を気遣う子どもたちの声で、マリーは目を覚ました。

\オネエチャーン/ \シンジャッタカトオモッタヨー/

そうだ……
こいつらの為に、オレはまだ戦わなければならない!

「心配……かけちまったな」

砂浜に身を預けたまま、子どもたちの頭を撫でる。

その瞬間
浜辺を照らす光が突如マリーの体を包み込み、彼女を宙へと浮かびあげる。
辺りに響く賛美歌と鐘の音は、弱った精神の為した幻聴か?

否!神の祝福は突然やって来たのだ!

天から舞い降りた光輝く球体が、彼女の右肩甲骨辺りに吸い込まれる。
するとどうだろう!綾鷹との戦いで傷ついた修道服を跳ね除け、白く輝く一片の翼がマリーの背中に顕現したではないか!

\テンシサマダー/ \マリーネエチャンガテンシサマニナッター/

眩い光の消失と同時にふわりと砂浜に着地したマリーに、施設の子どもたちが駆け寄る。

戦いの後遺症で、頭は未だにぐらつく。
一枚の羽では飛ぶこともできない。
だが、戦いですり減った彼女の精神は、既に満ち満ちていた。

守るべき者たちのために。


片翼の天使・マリー 誕生SS 了