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天奈瑞VS天王星


「やぁ、来てくれたんだね。大量出血になったと聞いて心配したが元気そうでなによりだよ」
「はい、天奈さんも怪我が完治したようで良かったです! やっぱりお互い万全の状態で戦いたいものですからね。」

天奈瑞と天王星の二人は病院で戦う約束をし、その約束が今果たされようとしていた。

「私には負けられない事情があるからね。仲間達の墓標を建てるっていう目標があってね……。悪いが本気で行かせてもらうよ」
「望むところです!私もそこまで素晴らしい目標ではありませんが、友達に焼き肉奢ってあげたいんです。負けませんよ」
「ははっ。それもまた素晴らしい目標だと思うよ。さて、そろそろ試合といこうか。あまり喋りすぎるとやる気が弛緩してしまいそうだ。」
「そうですね。では、勝負開始ということで。」

お互い臨戦態勢に入る。
天王星は目を瞑り、睡拳の始動へ。
天奈瑞は多節棍を構える。
緊張の糸が張り詰めるように場が静まっていく。

そして。

天奈瑞が先に動いた――が、天王星も負けじとウラヌスタックルを発動させる。
前回の試合で負けたのは、初撃で必殺技を繰り出さなかった慢心によるものだと天王星は考えている。
そこで、今度こそ必殺技を当てようと思ったのだが

「あれ?」
「君の必殺技は当たれば強力だが、当たりさえしなければどうってことはないからね」

避けられた。

続くニの手も回避された動揺が祟ったのか、攻撃が当たらなかった。
必殺技を使ってしまったことで、身体に負担がかかり心身共に疲労している。
一瞬、攻撃の手が緩んだ隙に天奈瑞の攻撃を食らってしまった。
強い一撃ではなかったが、必殺技使用後の天王星には充分な打撃だった。

「勝負ありだね」
「げほっ。ごほっ。……お見事でした」

また吐血してしまった。治ったばかりの怪我が開き、あちこちから再び出血が始まる。

「……おっと。そこまで出血させるつもりはなかったんだが、すまなかったね」
「いえ、本気勝負ですので、これくらい……ととっ。」

やせ我慢を言って歩き出そうとするが、身体へのダメージがやはり大きかったのかふらついてしまった。

「おぶってあげようか?」
「いや、申し訳ないです……。」
「いいからいいから、私は治療なんてしてあげることはできないから、怪我させたことへの侘びだと想ってさ」

そう言うや否や、天奈瑞はしゃがんで背負う態勢になった。こうまでされると流石に天王星の方も断りづらい。

「じゃあ、その、よろしくお願いします。」
「はいよ。帰り道はどっちだい?」
「えっと、あっちです。ていうか家までずっとこの体勢ですか?」
「もちろんそのつもりだけど?」
「そ、そうですか」

――――背負われてる姿を冥王星ちゃんに見られたらちょっと恥ずかしいな。

――――でも、この揺れ心地も悪くないかも。

天奈瑞の背中で、天王星はそんなことを思う。
その背中はとても暖かった。

【END】