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Battle Cinderella~sea side episod04【業と才】~


その選択は一種の賭けだった。

「これでどうだッ!直撃コース」
渾身の力を持って振り下ろされた十字架は地を抉り、砂煙をあげる。
そして全長2mに及ぶ重く厚い質量が再び露わになったとき、半丁の博打に身をゆだねた
巨大な十字架は―己が末路を知る。
その業物の先はしっかりと左手で押さえられ地にあった。『直撃』コースから反らされていたのだ。

「マズッ」
『…30点。』
完全に態勢を崩される形になったシスター・マリーが前のめりにまま倒れ込む
そこに軽空母『綾鷹』の容赦ない右の拳が、カウンターを入れる形で彼女の頭を撃ち抜いた。

そして宙を舞う中、不良少女は猫と少女の絵姿を垣間見る。

 \ディピーセンリャク!!チョコットダケVER!!/


────────── 超時空軽空母『綾鷹』DEATH VS シスター・マリー──────────

(またオレは負けたのか)
焼けた砂浜に身を伏し、この大会に来て味わう、何度目かの鉄の味。そして言いようのない挫折感。
連敗そして膨らみ続ける借金。眼をそむけることが出来ない現実が彼女に重くのしかかってくる。
(またオレは負け…く)

―目覚めるのです
―目覚めるのです、マリー。

今にも折れそうな心の中、どこからか声が聞こえた。
そしてその声に導かれるよう目を覚ました瞬間、彼女は謎の空缶にいた。

「!!」

そこは見たこともない未知の空間だった。
いや正確にはさっきまで見ていた砂浜と似ているのだが完全に違う場所―のはずだ。
地面は砂浜のままだか、妙なオブジェが乱立しているし、いまだー星がちらついている。
っていうか紫色の空にぷかぷか星が浮いている。あとリンゴも浮いている。林檎!?

「ナンンジャコリャー」

―あ、こっちこっち
―こっちをみるのDEATH。マリー。

驚きファンシー空間。
慌てて声のするほうに向くと白いワンピースを着た羽根の生えた女の子が宙に浮かんでいた。
先ほどまで戦っていた対戦相手に姿かたちは似ているが雰囲気がまるで違った。妖精さんだ。
なんというか威厳の代わりにふわふわとした能天気さが周囲に漂っている。
大きさは30cmもないだろう。妖精さんぽいぞ。
カワイイ!ヤッター!。

「あ、貴方は?」
―私は貴方の持つ聖アリマンナ教会の十字架に宿る聖霊(トイウセッテイデイッテミルヨテイ)です。

「オレのメインウェポンの十字架(ファルコネェン)の?」

―そうです、貴方が恣意的に教会の屋上からひっこぬき粗雑に運用しているその『十字架』です。
ちなみにそんな名前では私は有りません」
「聖霊ということは天使様じゃないですか!?」
驚きのまま、恐れ多く畏まる割と信心深いマリー。相手のどこか微妙に刺のある言い方とかも今は
気にはしていられない。
「とするとここは」
「そう、ここはアレです。なんかブ○ーチの卍解イベントとかによく使ってるアレなオサレ空間と
同質な例のアレです。今の状況を”挽回する”ために必要なため貴方を呼びこみました。卍解だけに」
「…。」
「…挽回だけに。」

白い翼の少女はこほんとここで咳払いする。
「とりあえず女王…じゃなかった。綾鷹さんから今回の点数の内訳を預かっています。見るのDEATH。」
「え、綾鷹師匠から」

手紙を開くマリー。
(点数内訳)
  • スキル選択は現状の苦境ではまあ最善+5点
  • わらわに挑んだ心意気+5点
  • 基本点は20点。勝率20%の意。
『勝てね―タイミングでいどんでくんじゃねー、せめて連戦時希望にしとけボケ』

「勝て…ないタイミング。」
そうだろうか、自分は結構善戦していたと思う。あの時カウンターが決まらなければ、そして自分の必殺技が
上手く決まれば或いは勝ってたかも。だが、白い翼の少女は首を振る。
「貴方は相手をまるでみていなく、相手は貴方を良く見ていたということです。相手の技目をよくみるのDEATH。」
「これは…全面攻撃…」
今回はお互いに”無駄引きなく”打ち合った結果の4ラウンド決着。だが当たり前だ。お互い攻撃しか選択していない。

「強攻撃は同タイミングで被ダメージ1.5倍のデメリットのある技です。
気合や回避など選択すればこのデメリットは帳消しになるのですが、あのじょ…『綾鷹』さんはきちんと
そこを読み込み、貴方が付け入る隙を作らなかった。
そして発勁であれ必殺技であれ、彼女のソレは貴方の攻撃ソースを上回マワッテイマス。
プラス向うのほうが素早く回避力も遥か上、ガード率は発勁込みで考えればそれも上、HPは同率。
これでは勝てる道理がありません。HPの過少ではなくダメージ累計の%計算がキモなのです。」

マリーはがくりと項垂れた。
今回外傷はほとんどないので借金は増えないが、この負けは精神にかなり響いている。心が折れそうだ。

「ついでにいうと貴方の必殺技単発しか打てない状態だとほとんど意味を為してません。
基本MP2余分に消費して発剄前借りするという技ですから、特に長期戦になれば不利になる一方です。」
「う。」
その彼女の精神状態をしってかしらずか鬼のように容赦なく目の前の現実を示し追い打ちをかける。

「あまりえらそうなこといえませんが、クェル・クスの砂浜の戦いとかは参考になりそうです。
貴方に欠けているものの一つがそこにはあるでしょう。

そして、ここは時と精神の部屋…ぽい何か、

マリー貴方は新たな"才"を修得する必要ノルマ分までここで己を鍛えなさい、そしてその成長を糧に
再び立ち上がるのDEATH。貴方が守るべき”業(カルマ)”を為すために。

くれぐれも新たな才能の選択を誤ってはいけませんよ。ホントこれもうラスチャン。

そして
暁の水平線に勝利を掴み取るのDEATHよ…


ですよ

ですよ

ですよ…


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ZZZZZZZZZZZZZZZAAA
ZZZZAZAZAZAZAZAZAZA・・・・・


\オネエチャーン/ \シンジャヤダヨー/ \オナカスイタヨー/

意識が戻ってきた。最初に聞こえたのは浜辺で波打つ波の音。
そして心配そうにオレを囲む子供たちの声と顔。


\アノヘンナカッコウノオネエチャーンハ/ \ボクタチガオッパラッタカラ/ 

(オレは…
オレはまだ立ちあがれるのか、この子たちの為に)

自然ほほを伝う、液体。才起の時、彼女は何を想うのか。

大会3日目終了の鐘がなる。そして秋の長く日差す夕日が、浜辺をただ紅く照らしていた。



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