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大納言蘭


妃芽薗学園ラクロス部、中等部のキャプテン・大納言蘭は極度の恥ずかしがり屋である。
フルフェイス・ヘルム型アイガードを常に着用し、決して素顔を見せないのも単に恥ずかしいからである。
実は割と美人なので大変もったいないことだが、恥ずかしいものは仕方ない。

蘭は、幼ないころから友達を作るのが苦手だった。
独りで野山を走り回って遊ぶのが常だった。
寂しくなかったと言えば嘘になるが、人と触れ合うのは怖かった。
そんな蘭が、ラクロスに出会った。

ラクロスは、網のついたスティックでボールを扱う球技である。
サッカーやバスケットよりも、相手との距離がスティックの分だけ遠い。
この距離感が、蘭には好ましく感じられた。

まわりにラクロスをしていた子はいなかったし、もしいても一緒に遊ぼうとは言い出せなかったかもしれない。
それでも蘭はラクロスに強く惹かれ、両親にスティックとボールを買ってもらい、独りで練習を始めた。
河川敷で独り熱心にスティックを振るう蘭の姿を見かけた者も多いかもしれない。
蘭はひたすら練習して、練習して、練習して――魔人となった。

豊富な練習量によって積み上げられた蘭の実力は確かなものだった。
妃芽薗中ラクロス部に入った蘭は、能力を高く評価され一年生にもかかわらずレギュラーに選ばれる。
持久力、ボールコントロール、パスワーク、いずれも高いレベルであり、特に一対一状況下で相手を抜き去る技術が高く評価された。
やっかみから来る嫌がらせも多少はあった。
だが、当時中等部のキャプテンだった神足光璃が徹底的な実力主義者であったため、蘭はそれほど辛い思いはしなかった。
そして、蘭は光璃に憧れを抱いた。

格闘技に興味を持ったのも、光璃の影響が大きかっただろう。
相手と直接殴り合う格闘技は、自分には向いていないと思っていた。
だが、一対一の倒すか倒されるかというシンプルな人間関係は、意外にもしっくり来た。
独り密かに格闘の鍛錬をする中で自信を深めた蘭は、腕試しのために世界格闘大会にエントリーした。
そして、見事に本戦出場権を勝ち取ったのだった。

あの夜。妃芽薗の森に呼び出され、光璃もまた大会に参加してると聞いた蘭は喜んだ。
自分の実力が、どこまで光璃に通用するのか、この機会に試してみようと思った。
しかし……。