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ラクロス部に入った理由


ラクロスなんて、あんまり興味はなかった。
本当は手芸部に入ろうと思ってたんだけど、なんだか私の考えてた手芸と違う気がしたし。
友達がいろんな部活を見てみて選ぼうって言うし。
そんなわけで、ラクロス部の公開練習を、友達と一緒に見に行ったのだった。

ラクロスというのは、虫取り網みたいなスティックを使ってボールを運ぶスポーツだ。
手の代わりに変わった道具を使うハンドボールって感じ。
ボールは小さくて、それがすごい速さで遣り取りされる。
正直、私にはあんなに速いのは無理だなって思った。

(あの棒、なんかドリームキャッチャーに似てるなぁ)
なんて、おまじないアイテムのことを考えながらぼんやりと眺めていた。
ラクロス部に入ろうなんて、ちっとも思わなかった。
ちなみにラクロスの起源は北米の呪術儀式らしいので、この連想はあながち的外れでもなかったみたい。

「みてみて! 光璃先輩、かっこいいと思わない?」
友人が指さす方に目を向けると、ラクロス部のエースである神足光璃先輩にボールが渡された所だった。

ラクロスコートを、光る風が通り抜けたように感じた。
スティックをくるりと回してボールをクレイドルするのが見えた次の瞬間、光璃先輩は敵全員を抜き去りシュートを決めていた。
ブシューッ! ある者は首筋から! ある者は脳天から! 噴水の如く鮮血を撒き散らし次々に倒れる敵選手達!
通り抜けざまに光璃先輩はスティックでゴーリー以外十一人全員殺害していた! タツジン!

「えー、新入生の皆さん。ラクロスは『地上最速の格闘技』とも呼ばれてますが、こーゆーのは普通に反則なので御安心ください」
演武パフォーマンスを終えたディフェンスの一人が立ち上がり、血糊を拭きながら説明する。
私の目は、光璃先輩に釘付けになっていた。
ラクロスを見るのも初めてで、さっきのプレイがどの位すごいのかも解らない。でも……
(きゃーっ! なんて凛々しいお顔! まるで私が思い描いてる理想のヒーローそのもの!)
そんなわけで、私、小暮ロコ子はラクロス部に入部したのだった。


あの夜。ぬいぐるみ作りで夜更かししていた私が窓の外に目を向けると、妃芽薗の森に向かう光璃先輩の姿があった。
下心混じりの好奇心から後をつけたが、すぐに見失ってしまう。
そして私は、暗い森の中で白い光が輝くのを見た。

「まにあって! ブリリアント☆リフレクター!」