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虎虎虎


「え~~い! もういいや! 泳いじゃえ~~!」

思い切るや否や、大会運営が何故か用意していた水着を購入し、着替えて海で泳ぎだす紅虎!
そしてそんな彼女を背後からひっそりと狙う影!!
それは!!!!

「あちょー!」ドガッ!
気配を察した紅虎が咄嗟に放った一撃を容易く受け止めた、
それは!!!!

「ガウ! ガウガーウ! (紅虎!少しは成長したようだな!)」
四足歩行の逞しい体躯!
それを覆う立派な黄色と黒の縞模様がついた毛並み!
「お師匠様!」
涙を浮かべ、ガバッと抱きつく紅虎。それはまぎれもなく彼女の師匠、トラーであった。
「お師匠様…何でここに!?」
「ガウ……ガウガウガウウ(うむ……、推薦状の件で主催者に呼ばれてな)
ガオガオガウーガ(ついでだからお前を驚かせようと思ったのよ)」
「お師匠様、凄い……。ホントにホントにびっくりしました!」

耳元から響く、師の声。独特の言語であるが、数か月、師と共に修業した紅虎はようやくそれを理解できるようになっていた。
師の元を離れて日本へと発ってから、まだ一か月も立っていない筈だが、その声は妙に懐かしくも感じる。
見たこともない異国で戦いに挑んでいる紅虎の心に、師の言葉は今、大きな力となった。

「お師匠様お師匠様お師匠様!」
「ガウガウガウ!(紅虎紅虎紅虎!)」
「お師匠様お師匠お師匠様お師匠様!」
「ガウガウガウガウ!(紅虎紅虎紅虎紅虎!)」
「お師匠様お師匠様お師匠お師匠お師匠様!」
「ガウガウガウガウガウ!(紅虎紅虎紅虎紅虎紅虎!)」
「お師匠様お師匠様お師匠お師匠お師匠お師匠様!」
「ガウガウガウガウガウガウ!(紅虎紅虎紅虎紅虎紅虎紅虎!)」
周りも気にせず喜び合う師弟。

それを少し離れたところから見つめる人影。
それは敗退したはずの屋良改め(離婚した)子虎励子であった。
("彼"が居るような気がして来てみたら面白いものが見れたわ。
ふふふ、麗しき師弟愛ね。なんて微笑ましいの!
でも……その師の愛が奪われた時、
彼女が得る絶望とそれを埋めるべく得ようとする希望の大きさ……、
どれ程のものになるかしら。
あ、もちろん虎さんの愛を奪うっていっても、
あくまでも目的の為の手段であって本気じゃないの。
私の本当の心は"彼"ひとりのモノだし!キャーキャー。
でもでも私がこんなに幸せだからこそ!
他の人たちにも幸せになって欲しいっていうかぁ……うふふうっふふ)
そうして妖しくクネクネとくねりながら励子は、
まだ乳繰り合っている師弟へと歩を進めるのだった。