【1ターン目決戦】レズ・ナイト

私はレズ・ナイト！
埼玉県川越市出身だ！

私の目的は大会を通して私の里親を見つけることだ！
女の子がいっぱい集まる大会…つまりはレズのお姉さんの目も集まるに違いない！

今日の私の対戦相手は「リオレイア希少種」らしい。
いったいどんな奴だろう？

…その時だった。

「こんな奴だぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！」

ぐお！

私は２０メートルほど吹き飛ばされた。
誰だ！　いきなり突進してきやがったのは！？

「私だよ、私…リオレイア希少種だよ！」
「なんだって！？」

デカい！
５メートルはあるぞ！

「聞けば、貴様は里親を探しているらしいな…喜べ！　このリオレイア希少種が里親になってやってもいいぞ！」

何！
なぜ私が里親を募集していることを知っているんだ！？

「それはインターネットで募集を見たからだ！」
「何！？　ドラゴンがインターネットを扱えるのか！？」
「私はスキル“人外”を取得していない！　つまり、人間にできるようなことはたいていできるのだ！」

なんだとぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！？

「貴様…スキル“人外”を取得している私を見下しているのか！？」
「やかましい！　里親募集中のペット志願のくせに何言ってやがる！」

くっ…！

「幸いにも私のＦＳ『美麗』は２０ポイント…つまり絶世の美女と言っても過言ではない！　貴様の希望通りだ！」
「黙れぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ！」

爬虫類と同棲などできるか！

「そうか…残念だ…ならば死ぬがいい！」
「死んでたまるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！」

ＢＡＴＴＬＥ　ＳＴＡＲＴだ！
先手必勝！
私は――

胴回し回転蹴りを繰り出した！

「くらぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ！」

命中だ！

「痛てーじゃねぇか！」

うお！　効いてない！？

「お返しだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！」

そう叫んでリオレイア希少種は噛みついてきた。
クリティカル・ヒットだ！

「ぐお！？　肉が食いちぎられる！」
「『衣装』を“肉”に設定したお前が悪い！」
「ち、畜生！」
「もう一発だぁぁぁぁぁぁぁぁ！」

再び肉が食いちぎられた！　このままでは内臓が露出してしまう！

「とどめだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！」
「ぎゃぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！」

突進で私は２０メートルほど吹き飛んで、魔人一家に突っ込んでしまった。

「私の勝ちのようだなぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！」

138 ：レズ・ナイト：2013/10/27(日) 22:17:04 勝ちどきをあげるリオレイア希少種。
しかし――

「まだだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！」

私は叫ぶ。

「何！？」
「貴様には…貴様には負けん！」
「バカな！？　確かに息の根を止めたはず！？」

たちこめる砂煙の中から私は姿を現す。

「猫に九生あり。古来より猫には九つの命が宿ると言う。」
「冗談も休み休み言え！　貴様のどこが猫だというのだ！」
「私の祖父と祖母に一体ずつ猫がいる。つまり、私にも半分ネコの血が流れているのだ。」
「何だと！？」

ちなみに残りの半分はタチだ。

「しかし、いくらしぶとくても無駄なこと！　貴様の肉を食いちぎって骨だけにしてやる！」
「なめるなよ…！」

たしかに…敵のスキル“魔弾の射手”と、この地形…勝ち目は薄い。
しかし私は退けぬ！

「貴様のような…元ネタがあるくせにそのことをキャラクター説明に明記していない奴に負けるわけにはいかないのだ！」
「いきなり何を言う！？」
「ちゃんと“著作権規約”を読んだのか！？　ゲーム原作者からお願いされているだろうが！」
「うるせぇぇぇぇぇぇぇぇ！　そんな事しなくてもキャラクター説明読めばだいたいわかるだろうが！」

どうやら口で言ってもわからないようだな。
ならば仕方ない！

「こいつを…食らってもらうしかないようだな！」
「！？　何だそれは！？」

リオレイア希少種の視線の先にあったもの。それは…

６代目ＥＬＦ　ＮＮＲ！
いすゞ自動車が開発した５ｔトラックだ！

「こいつの体当たりを食らっても無事でいられるかなぁぁぁぁぁぁぁぁぁ！」
「何ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ！？」
「都合よく鍵が付けっ放しになっていたのが貴様の運の尽きよ！」
「やめろぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉ！」

おそらく魔人一家の所有車だろう。
一時的に借用させてもらう！　エンジン・スタート！

「行くぜぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ！」

…その時だった。

フォン、フォン、フォン、フォン――
――警察だ！　無免許運転により逮捕する！

…しまった！
私は４歳なので…自動車免許は取得していない！

こうして私は…
刑務所にブチ込まれた！

ＧＡＭＥ　ＯＶＥＲ…