鏑木諒子 二ターン目開始SS


「これで・・・よし!と・・・」

ホテルの一室。調理服に着替え終えた鏑木諒子は頭の三角巾をきつく締めた。
今日から世界格闘大会、本戦第二ターン目が始まる。
一ターン目は訳の分からぬまま戦いに巻き込まれてしまったが今回は違う。

彼女は今回の闘いに、確固たる意志を持って臨もうとしていた。


ホテルを後にした諒子はエントランスから出てすぐのところで立ち止まった。
その目線の先には、彼女を待ち構えるように黒いスーツの男が立っている。

「本当によろしいのですか?」
「・・・何が?」
「彼女は・・・転校生なのですよ?」

いつもより少しだけ緊張した様子の黒服に、諒子は澄ました表情で言葉を返した。

「私にだって、転校の経験位はある」

なんとも馬鹿馬鹿しい返答ではあったが、黒服を真っ直ぐ見据える少女の瞳には
一点の曇りも無ければ迷いも無い。

「止めても無駄な様ですね・・・。」

呆れる黒服に不敵な笑みを送り、

「私がボコボコにされたら、よろしくね」

とだけ言うと、少女は戦いの地へと向かう為再び歩き出した。

                                   終

※三角巾・・・・・・抗菌仕様。



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最終更新:2013年11月13日 02:45