しずるり探偵団の推理


ばーん! ハルコの部屋の扉が勢いよく開き、瑠璃奈と静穂がやってきた。

「犯人は!」
「あなた……です……?」

ここは男子禁制の妃芽薗学園寮、中等部宿舎。
マジカニアの王女パルプは、ここでは真木ハルコと名乗っている。
突入してきた二人は中学二年の同級生。三人ともラクロス部員で仲がよい。
背が低くショートカットの方が瑠璃奈。今日は何故か探偵帽をかぶりパイプを手にしている。
背が高くロングヘアの方が静穂。こちらは探偵ごっこに渋々付き合ってる様子だ。

「ふたりとも、何か変だよ。どうしたの?」

「今日はぁ、大納言先輩を襲った犯人を推理しに来ちゃったんですぅ」
「ルリ……迷ド探偵の物真似はやめとこうよ……」

「コホン。えー、つまり、シズと私の推理をちょっと聞いてもらいたいの。今、いいかな?」
「パルプちゃん、行き当たりばったりで動いてるみたいだったから……」

「ありがとう! 実は困っていたの……って言ってた! 聞かせて!」

渡りに船という様子で、ハルコが食い付いた。
戦ってみた感触で、ルガーさんが犯人ではないらしいことは判った。
しかし残る大会参加者は30人以上。
手当たり次第に戦っていたのでは、犯人に辿り着ける確率は低そうだ。

「まず、犯人の背格好! 高校生以上っぽい! 少なくとも竜じゃない!」
「でも、変身してるかも?」
「マジカニアじゃないから変身できる人はあまりいないよ……できる選手もいたけど……」

「そして、かなり素早い! あの大納言先輩を速さで圧倒するほど!」
「武器は棒みたいな物を使ってたそうだだけど……棒術使いとは限らないかも……?」
「拳法家だったらある程度の武具は普通に使えるもんね! でも術師タイプは外していいね!」

「なるほど。そうやって犯人を絞り込むんだ」

「以上のことから怪しいのは――」

バンっ! 瑠璃奈は懐から、選手の名前が並んだメモを取り出した。

合コン殺法の葦原美代子
転空刃斬拳のクリムゾンロータス
業曇流剣術の庵白彩
夢遊睡拳の宇多津泡沫
妖薙刀使いの菊一文字朱蓮
変態痴女の迷ド探偵たまき

「――この六人っ!」
「特にクリムゾンロータスが怪しいと思う……覆面してるし……」

「うん。それじゃあTV局前に行って探してみる……ようパルプちゃんに伝えるね」

「がんばれー!」
「無理しないでね……」



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最終更新:2013年11月13日 02:40