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ダンゲロスホーリーランド4 ~Battle Cinderella~ ライク・ア・カレーのゲーム日記


「………………」

白い壁、白い天井、白い蛍光灯に照らされた白い机。
毎日見ている、見慣れた自室の景色。
椅子の背もたれに体重をあずけ、首をのけぞらせて脱力。白い景色を堪能する。

「………………あー」

両手を頭の後ろで組んで、そこで溜息がもれる。
腹筋に力を入れて体を起こし、そのまま机に両肘をつき、台形のポーズ。
たそがれる頭を、机上のPCディスプレイが青白い光で彩る。

「………………どうしてこうなった」
「何をやっているんですか」

不意に心地良い鈴の音が響いた。
頭の芯と腹に響くような、それでいて決して重くない、透き通った音色。
いや――――

「どうしてこうなったんだろうね?」
「私に聞かれても……」

それはハンドベルの音色を思わせる、女性の声。
自室で遠い目をしていた私に、私の丸い背中に、それまで黙って背後に立っていた女性が呆れ声が浴びせたのだ。
振り返り、視線をやや上方に。視線が豊かな曲線を越えて、整った顔立ちへ。眼鏡の奥で煌めく目と、視線が交わる。

「さて、これからどうしようか?」
「それは貴方が決める事でしょうに……」

意味が無いとわかりきった事を口にして、さらりと目の前の女性にかわされる。
やれやれと首を軽く振り、豊満さを強調するかのように胸の下で腕を組み、綺麗に描かれた眉をひそめてみせる女性。
世界格闘大会に参加する、宇宙の神秘を操り闘う眉目秀麗の女騎士ラ・ピュセル。

「そもそも貴方が――」

そう――――
今、ラ・ピュセルとこうして会話する事になった理由。今は私の背中を仄白く照らすPCディスプレイの中の出来事。
私がさんざんに頭を悩ませる事になっている、この、結果。


「貴方が決めた行動提出の結果でしょう」


そう。
これは反省会。
これは女騎士ラ・ピュセルと、ラ・ピュセルを投稿したプレイヤーであるところの私の、第1ターン反省会である。





■■■ ダンゲロスホーリーランド4 ~Battle Cinderella~ ライク・ア・カレーのゲーム日記 ■■■





「さて、こうしてホーリーランド4に嬉々として参加してはみたものの……」
「どうしたのですか? はじまったばかりでそのように頭を抱えて」
「正直、最初から想定外の出来事が連発し過ぎて……」
「まさか――私のキャラメイクに失敗したなどと考えているのではないでしょうね?」
「それこそまさか! 狙い通りの設計が出来たと思っているよ。折角だから最初はキャラクター性の説明をしておこうか」
「私、の、キャラクター性……ですか……」

姿勢をあらため、椅子に座りなおして背の高いラ・ピュセルの顔を正面から見上げる。
キャンペーンの趣旨に沿うようキャラクター説明に美女的要素を散りばめただけに、よし、我がキャラながら美人だ。
そんな美人の困惑顔を前に、話を進める。

「まずキャンペーンwikiを見るに今回はハーレム物キャンペーンらしい。と言ったら、異星の王族と婚姻がお約束だろう」
「To Loveるですね」
「そして都合の良い展開を都合良く作るための宇宙アイテム」
「To Loveるですね」
「そして、どうやらハーレムの主役は既に愛人が沢山いるらしい」
「ハーレム物ならば、そうなのでしょうね」
「ということは、むしろ愛人役より新たな愛人作りのサポートをする役者がいたほうが良いのじゃないかと考えた」
「だから、姫様付きの侍従である私をキャラクター投稿した、というわけなのですね」
「姫を導いたり、部下を指導したり、闘いの年季が表すとおりに大人のキャラクターなのにも訳はある」
「スキルにも意味はあるのですね」
「もちろん、宇宙人だから人外だったり、年上属性だから闘いの年季だったり、そしてプロローグを見ての通りの有名人」
「なるほど」
「さらに、年上属性や職業、ステータスについてはさらに細かい理由付けがある」
「年上……属性、の、理由」

手元のコーヒーをひとすすりし、話を続ける。
ここからは少し趣味・嗜好の話になる。

「自分が決めなくても何でも進めてくれる、頼っていれば良い相手というのは需要が高い。それが年上属性の理由」
「ああ……なるほど、寄りかかっていれば生きていける相手というのは、人によっては理想的な相手なのでしょうね」
「ただ、何か自分がワガママを通したい時だけは従って欲しい。そういう人のためのメイド属性だ」
「ふうん……立場的には自分が上であるから、願い事は聞いてもらい放題という事ですか」
「君の戦闘力に関しても、まったく同じギミックを仕込んであるよ」
「武器使いと精神力だけに特化していて生身の腕力は人並み以下、という、この?」
「普段ならとんでもなく強く、誰にも負けない。けれど、武器さえ奪えば力づくでなんでもし放題。だね」
「……」
「もちろん丸腰でも精神ビームでいざという時は闘える、が、悪漢でもなければそんな物騒なものは向けられない」
「作っていただいておいてなんですが、この場で切り捨ててもよろしいですか?」
「おっとストップ! これは私の趣味じゃないよ。これは全部偉大なる先人たちの知恵と研究の賜物さ」

腰に下げた剣の柄を握ったラ・ピュセルを言葉で止める。
切られるためにこんな事を語ったわけじゃあない。
本棚に手を伸ばし、分厚いハードカバーの本を一冊手に取る。水色の表紙の、この一冊。

「『戦闘美少女の精神分析』、これにそういうキャラクター性を精神的に分析してまとめられているんだよ」
「フィギュアの写真が表紙……ですか?」
「見た目は特徴的だけれど、中身はカッチリしたものだ。属性好きの理由を考えたりする人には薦めたい一冊だね」

ステマ乙。

「と、君のキャラクターメイクについてはそれくらいにして、そろそろタイトルのとおり、反省会を始めよう」

マグカップの中が空になったところで話も一区切り。
お湯を沸かし、改めてコーヒーを黒い液体で満たし――――そして、長い前置きを越えて反省会がはじまった。





○マッチング

「さて、いよいよ、第1ターンだ」
「公園へ移動して連戦しましたね。2勝する事は叶いませんでしたが、精神は1増えて防御も2増加。良い結果では?」
「いや、第1ターンだけれど、まず何より、伝言掲示板でYesともNoとも返事が来ない事をまったく考えていなかった……」
「ああ、私にヒーロームーブをさせるか、優勝狙いの戦術的行動を取らせるかという、そこからですか」
「これは返事が来ないなと諦めた時には行動提出時間が迫っていて、しかも、次善の策をまったく考えていなかった」
「ヒーロームーブしか考えていなかったのですね……」
「戦術を組むよりも面白いアクションを取りたくてね。どちらが先に巨砲ぶっぱで敵を倒すか、派手にやりたかった」
「勝利を狙う選手からしたら、200ダメージは避けられて仕方ないと思いますが」
「後から考えたらまったくもってその通りだった……。慌ててどうアクションするか考えたものの、ネタが浮かばず……」
「それであの行動提出SSですか。私が長考した理由がそんなものだったとは……」
「せめて1勝や2勝はしたいと、連戦での勝率が高い天王星ちゃんがいるだろう公園を選択した訳だ」
「あれはヒーローらしからぬ選択でしたね」
「弱ったところを狙い撃ちする。結果的にマッチングダイスに嫌われたのか希望は通らなかったけれどね」
「酷い戦術をたてた報いでしょうか」
「リアルラックに不安があっただけに……不安的中か……くっ」





○ VS トラロック

「けれど、このマッチングはドラマチックで良かった」
「まさかアニメ好きということで、私と関係性を築きやすい相手と闘えるとは。私もファンと会えて嬉しかったものです」
「それはね! このマッチングはまさかこう組まれるとはと感動したからね!」
「相手選手の投稿者様からも試合のSSを書いていただきましたし、良い巡り会いでしたと思います」
「キャラクター説明を読んだ時から頭に浮かんでいたネタをだいたい書いてもらってしまったね。
 私も試合SSを書こうかと考えて、そういえば対戦相手様も書いているとしたら被るなと考えていたところにいただき、
 とても嬉しかった。この場を借りてトラロックの投稿者様にお礼を申し上げます」
「試合SSを読ませていただきました。ありがとうございました」
「もしも転校生化しなかったら今後のターンは同伴者としてずっと連れさせていただきたいと思ったくらいでした」
「そう、転校生化……ですね」
「どうしてこうなった……」
「ビームの直撃が……私が全力でやったせいで……」
「本当に……どうしてこうなった……」





○ VS ルガーとその後

「こちらは、天王星ちゃんと当たれなかった結果としてのマッチングだね」
「負けてしまい、姫様に申し訳ない……」
「一回戦と一転して、互いを削り合う正統派な闘いとなったし、成長ポイントも儲けたし、あと……」
「退場者ボーナス……も」
「……勝利金額も充分だからね」
「成長結果の精神+1、防御+2はどうでしょう」
「良い引きだったね。徐々に身体も鍛えて、これからもしっかりと頑張ってくれるよう、頼んだよ」
「承りました」





「……と、いう訳で、ラ・ピュセルの成長と獲得賞金的には上々だったもののどうしてこうなった感の強い第1ターン」
「これにて反省会は終了ですか」
「そうなるね。そして、第2ターンはどう行動するか……今度こそヒーロームーブか面白ムーブをしたいものだけれども」
「あら、諦めていなかったのですね」
「ゲームは楽しむためにやるものだからね。存分に楽しむための努力は惜しまないよ」
「また早々と伝言掲示板に何か書き込まないのですか?」
「ガチャの取得を見てから考えようかと思ってね」
「アイテム……私の本領発揮となれるでしょうか」
「そうなると良いね。私のリアルラックに期待するとしようか」
「第1ターンの結果を見るとあまり期待はできそうにありませんね」
「まあ……それはそれ。という事で、反省会はおひらきだね」
「それでは私は第2ターンも成せる事を成すとしましょう」
「よろしく頼んだよ。そして、第2ターンでラ・ピュセルと闘う事になった選手の方も、どうぞよろしくお願いします」
「どうぞ、私と良い試合をしましょう」
「では――――」

また、次回。