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猛信寺うのみ応援SS「雪合戦部観戦模様」


希望崎学園、雪合戦部部室。
その入り口をくぐったのは、大翼を備えた妖艶な鳥人。
雪合戦部部員、北部理里である。

彼女が部室に入ると、そこには既に数人の部員がいる。
彼らの視線の先には、何かの中継と思しき映像を流すTVが鎮座している。

「ほーのーかーちゃん♪何してるの?」
「離して下さい理里先輩。TV見えません」
抱きつかれた幼い女子生徒、雪合戦部部員の緋糸ほのかが、にべもなく応える。
「ちぇっ、冷たーい。何見てるの?」
「カクカクシカジカです」
「ありがとう、魔印藤君」
雪合戦部部員、魔印藤魂斗郎の能力『カクカクシカジカ』は、「カクカクシカジカ」と相手に言うことで、大量の情報を瞬間伝達するものである。
それにより北部理里は、TV内で繰り広げられている、世界格闘大会についての詳細を知悉する。

「うのみちゃんが一人で行ったの?大丈夫かしら?」

彼女の危惧は、尤もではある。
雪合戦部における猛信寺うのみの役割は、常に最前線に立つ切り込み隊長ではあるが、
それは彼女が単体で格闘大会に十二分な活躍を見込めるということをそのままは意味しない。
雪合戦部の能力者は、他者と自分を強化するものが非常に多い。
多数の“バッファー”による、被強化魔人による総攻撃こそが、希望崎学園雪合戦部の常勝戦術である。
その中でも彼女、猛信寺うのみの能力『ハイパープラシーボ』は、その全ての強化を倍加する。
それ故の雪合戦部の中核戦力である――ということはつまり、単体での戦闘力をそこまで過信できるものではない。

「まあ、大丈夫でしょう」
長髪糸目の男子生徒、雪合戦部マネージャー、来栖裃が口を開く。
「彼女も理解しているでしょう、僕達が最も重視する力は」
「そうねえ……引き際を見誤って死ぬことはないかしら」
(そんな子、『新潟』行っても何も出来ないでしょうしねえ)

TVの中で、試合が進んでいき、次の試合が組まれる。

「うのみさんの試合が始まるようですね」
「頑張って欲しいわあ。絵姫ちゃんお願いねえ」
「も、揉まないで下さい!北部先輩」
「いいじゃない、少しくらい」
「全く――使いますわよ」
セクハラを受けた金髪美女、雪合戦部部員の西条絵姫が、能力を発動する。
『1セントコンセントレーション』。周囲の人間の集中力を操作する能力である。
TVを見る部員全員の集中力が高まり、今より始まる試合へと注視する。
一挙手一投足を見逃さないように。部員の成長を確認するために。

希望崎学園雪合戦部部員。猛信寺うのみ、彼女の初めての試合が始まる。