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『Witch's festival』


 『狂気の魔女』は激昂した。
 愛する兄を賞品として扱い、何処の誰とも知らぬ女に与えるなどという所業に。
 『狂気の魔女』は憎悪した。
 そのような馬鹿げた祭りに参加する全ての雌犬どもを。

 手始めに襲撃した相手は、一目見て分かる程彼女とは正反対な、明るい性格の体育会系の少女。名前は猛信寺うのみ(もうしんじ・うのみ)、と言ったか。対戦者の名前など、個性など全ての女を敵視する彼女にとっては些末事でしかなかったが。
 第二の相手、森乃 九(もりの・いちじく)。外見はともかく名前が気に入らなかった。家族の中でもいけすかないあの女を思い出し、特に念入りに捻り上げた。
 自分には似つかわしくない、砂浜という場所はこんな機会でもなければ訪れる事はなかっただろう。その場を去りながら『狂気の魔女』は考える。

 もっと。もっともっと。もっともっともっと。
 一人残らず駆除しなければ。
 そうすればきっと──────────。

 そして、『狂気の魔女』は歓喜した。
 他の全ての女を排除すれば、兄が自らのものになるという事実に。

 『狂気の魔女』の認識を変える事は、誰にも出来ない。
 目に映るもの全て、耳に届くもの全て、彼女を止める事は出来ない。

 誰かが力尽くで魔女の饗宴を終わらせるまでは。

                                         <了>