悪意の残滓、凍れる孤影 > エンディングフェイズ


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シーン12


事件を終わらせた一行は七海以外、一先ず支部へと帰還する。
七海は襲撃された拠点が気掛かりだったようで、そちらの方に向かっているようだ。
支部では、チルドレンである天理・剣が出迎え、先の戦闘(シーン9)の後、倒した対象の「回収」が完了した事を幸一に報告する。
幸一含む一行は早速、「面接」に向かった。

対象の中のリーダー格だった彼、聖は暗躍者に従っていたFHのエージェントである。
先の戦いの後、回収を命ぜられた剣に搬送され、支部の倉庫に収容されていたのである。

心境を問うDrache。
その返答はDracheの予想を裏切る「安堵している」という回答だった。
暗躍者──森野・誘は元々医師であり、聖にとって彼女は恩ある先輩であった。
しかし、誘が或る死を目の当たりにした際に覚醒し、そのままジャーム化。
現場に居合わせた聖は、同じくオーヴァードになり、彼女に付き従う道を選ぶこととなる。
彼は、本当は止めるべきだった、それをどこかで自覚していたのだろうと、自身の感情を説明する。

続けて、聖は処遇について話し始める。先の戦いで幸一は勧誘自体は行っていた。
玲の後押しもあり結局彼はイリーガルとして籍を置きたい、という旨の返答。
細部の要求は後程送る、という事になり一先ず面談を終了する。
一同は倉庫を後にしようとする──が、和樹と玲を見送った幸一はここで聖と剣に一つの命令を下す。

幸一「もしもだ。もし、俺があの女のようになったら迷わず殺してくれ。それが一つ目の俺からの命令だ」
幸一「分かってるとは思うが、天理お前もだぞ。恐らく玲には親しかった奴を殺すのは無理だ、だからお前等が俺を殺せ」

そんな事態はこないだろうが、と前置きをし了承する二人。


幸一は次に、皆の立会の元、霧谷へと事件解決と聖の処遇について報告を行った。
霧谷はその報告に驚きながらも、一同を労うのだった。


シーン13


一方、やせいのおうこくの拠点が襲撃されていた七海は、単身拠点に戻る。
そこでは、メンバー各位が帰りを待ち受けていた。
無事に仕事を終わらせられた事を喜ぶ面々。

改めて、事件の全経緯を説明する。各々が所々で反応し、また、その流れで喋る猫ことDracheの存在を初めて知る人も。
そしてここは支部とは違い、歳若い女子メンバーが多いやせいのおうこく。
可愛らしいものに目がない人も多く、当然のように「喋る猫」という存在に対して興味津々な人多数。

七海はいつの間にかDracheが潜んでいたスマートフォンを見下ろす。
そこには「某パズルゲームが自動で動く」という衝撃的な光景が広がっていた。勿論デモシーンと言った類のものではない。
そして響く声。Dracheのものである。

せがまれて《ハンドリング》を披露したDracheだったが、我先にと飛び付くかしましい面々に流石のDracheも困惑。
一頻りもみくちゃにされた後、一同は打ち上げを行うべく、街へと繰り出していくのであった。


シーン14

  • シーンプレイヤー:Drache(PC2)

深夜、Dracheは依頼主である真北へと連絡を取る。
事件が無事解決したことを報告するためだ。

雪は救出され、天月市支部で保護されている事。
処遇等の小難しい事は霧谷が何とかしてくれるであろう事を伝えると、彼は一安心したようだ。
謝辞を述べる真北に、面白かったから構わないと返すDrache。その返答に真北は苦笑する。

続けてDracheは藤篠市支部の状況の聞くが、解決の報を受けても、混乱収まらぬ様子であるようだ。
とは言え、この事件がDracheに依頼された背景を考えればそれも無理からぬ事であった。
真北はこの現状を鑑み、雪の処遇を当分の間天月市支部預かりとして貰えないか、とDracheに打診。
それに対しDracheは、既にそんな感じになっている、と真北に答えた。

報酬をどうするか、という話を真北は振るが、Dracheはそれにハイエンドユーザも驚きのスペックのPCを要求。
とは言え、一般人には相当な額のそれは準備するのに時間がかかりそうだ、と真北は難色を示す。
それじゃあ、とDracheが要求した物は「真北の姿を見たい」というものだった。

それは直ぐに実現することとなる。


シーン15

  • シーンプレイヤー:全員

数日後、ある程度落ち着きを取り戻しつつある天月市支部。
雪は天月市支部預かり、対外的にはイリーガルという形を取り、支部近くのアパートで独り暮らしを開始。
尚、同アパートはやせいのおうこく所属の或るメンバーの親族が所有するアパートであり、
ここにはUGNチルドレンである、剣も生活している。
更にUGNの口添え等もあり、イリーガルが多い四響院学園への編入も果たす。

そんな新しい生活を始める上での諸問題が大方解決し、今日は藤篠市支部の、雪と縁が深かったメンバーとの面談が予定されていた。
この面談は真北がDracheとの個人的な約束を果たすため、でもあった。

相も変らず、七海も驚愕する可愛らしげな衣装に身を包む玲。
それを後々ネタにしようとDracheに命じて撮影させる幸一。
そんな様子を楽しげに見つめる和樹や雪。

いつも通りの騒ぎをしながら会見会場へと向かう。
雪の姿に気付いたらしい、藤篠市支部のメンバーが声をかけてくる。
どうやら、向こうは向こうでひと騒動をしていた様子である。

一先ずお互いに自己紹介をし合う面々。
更に藤篠市支部側の「日常」を垣間見る。
そして躊躇する事なく、天月市支部も「日常」を披露する。

落ち着いた側の面々はぐったりしつつも、ささやかな交流となったのであった。


シーン16


その日の夕方、藤篠市支部の面々と別れた天月市の面々は帰路につく。
和樹は雪を送るべく、同行していた。

色んな人に迷惑をかけてしまった事を、またも悔やむ雪。
気にするなと言っても難しいだろう、だからそういう時は感謝の一声をかければいい、
それにその方が俺も嬉しい、と言う和樹。
雪は首を傾げ、疑問そうな表情。
それに、凄い苦しそうだった、泣き出しそうだったのに、あの時笑ってくれたのが嬉しかった、と彼は続ける。
その言葉にはっとしたかのようにありがとうございました、と言うと泣きだす雪。
一人で助けなきゃ、でも一人は怖かった、と口にしながら。

和樹「1人は怖かったよね。でも、これからは僕が付いてるよ。神谷先輩も、七海先輩も、玲君もいる」
和樹「Dracheは……ちょっと分からないところがあるけど、支部のみんなもいる」
和樹「だからね、これからは一人で頑張らなくて良いんだ。何かあったら僕たちが助けるから。ね?」
雪「……はい、はい……っ」

雪の手を引き彼女のアパートまで辿り着くと、和樹は手を放し彼女を見送るのだった。

和樹「それじゃ、また明日。学校でね」
雪「……はい!」


シーン16+

  • シーンプレイヤー:??

PCモニターにはブラウザが表示。ブラウザのヘッダには「Ustream」の文字。
そしてそこに映った映像を眺める数人の人々。

Drache「以上だけど、これでよかったかな」
玲「えー、以上…これからじゃないんですか?」
幸一「いや、これで終わりだろ。和樹がこれ以上何かするわけがない」
七海「そうだなあ、まだ時期尚早じゃないかなってあたしも思うよ」
玲「そっかぁ…」

各々好き勝手に感想を述べる。玲はどことなく不満そうであった。
一方、幸一や七海には大体予想通りの流れだったようだ。

剣「これってプライバシーの侵害って言うんじゃないのかなあ」
七海「Dracheが居る段階で、そんなのあってないようなものでしょ?」

剣が珍しく真っ当な事を言うと、七海は諦め顔で零す。

Drache「さて、何もなければ切るけど、いいかな」
玲「そうですね。ボクたちも、帰りましょうか」
剣「はっ。そういえば鷲見さんに留守押し付けて出てきたんだった……。俺、先に戻りますね」
幸一「お前らは先帰ってろ、俺は報告書纏めにゃならん」
七海「あたしも拠点に戻るね。何かあったら携帯鳴らして。じゃ、またー」
玲「七海おねーさまもおつかれさまでしたー!またー!」

三々五々、散っていく面々。
幸一は報告書の件を確認するため、上階の颯の元へと様子を見に行く。

幸一「颯ー!報告書どこまで進んだよー!それ終わったらお前の妹に……ってきったねぇな、お前少しは掃除しろよ」
颯「えーもう終わってるよ……葵ちゃん大丈夫かなあ、はあ」


そして彼らは今日もまた、日常へと戻っていく。
──明日は我が身と知りながら。



第1話「悪意の残滓、凍れる孤影」 完