モーリス・アーバーの手記


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§黄金歴211年 11月§

(今日も何も書かれていないように見える。)

かみさま、今日はひとり、術師を貴方の御許に送り還しました。
名前も、どんな顏だったかも、もう覚えていません。暗かったし乱戦の最中の事。誰も気付きやしませんでした。
かみさま、貴方は僕を罰しますか?
罰することなど到底できないでしょう。


だって貴方は存在しないのだから。祈りも、願いもすべてが無意味だ。





§黄金歴211年 10月§

この世に神なんて居ない。
貴方の愛した神なんて、居なかった。





§黄金歴211年 9月§

(何も書かれていないようだ。)

どうして忘れてしまっていたんだろう。
どうして忘れていられたんだろう。
僕は、僕は敬愛する貴方を、僕は ぼくは僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は奥は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は奥は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は僕は、───殺した。


とても、気持ちよかった。





§黄金歴211年 8月§

(日記は書かれていないようだ。)














§黄金歴211年 7月 (ⅰ)§

後で聞いた話ですが、先月も一人同期の方がお亡くなりなっていたようです。
酒場から発生した空前のオムライスブームに隠れてひっそりと葬儀が行われたみたい。
あれ、そもそもの言い出しっぺは誰だったかな…?

それにしてもあの酒場のマスターはなかなかいい性格してますね。
余程店の味に確固たる自信を持っているのでしょう。
いえ、僕も好きですよ?ほぼ毎日通っている訳ですし(他に飲食店を知らないとも言うけど

明日は月一回の依頼の日です。
今回も前回に引き続き鉱脈探し。いえ、前回とは別口の依頼ですので、引き続きというのとは少し…

あれ?今ドアを叩く音が……
こんな時間に何方



(ⅱ)

昨夜はびっくりして墨壺を倒してしまいました。
来客は大家さんでした。ここ最近依頼が失敗続きで家賃を滞納していたのです。
今月も失敗してたんですけど、何故か金貨は増えていたので滞納した分から来月分迄ドーンと支払っちゃおうかなって思います。フフフ。

あっ何故かっていうのは、今日の冒険の記憶が妙に薄いからです。
他の皆さんとお話してみたら、皆さん大なり小なりそういうことがあったみたい。
うーん?みんな一緒になって忘却の魔法にでもかけられていたのかな?
またリンデールさんと御一緒だったのに覚えてないのはちょっと残念です。
僕、変なこと言ってないですよね?

来月のお仕事は人型の怪物退治みたい。
人型の怪物ってどんなだろう?植物型の美人だったらもっといいのになあ。
ああ、それにしてもお腹がすいた。今日の夕餉もサラダとオムライスにしようかな。



(ⅲ)

"記憶がない"で思い出したのですが、そういえば僕、村を追い出される前後の記憶もぼやけていて巧く思い出せないのですよね…
何かあったんだったかな。重要な事なら覚えてそうなものだけれど。




§黄金歴211年 6月 (ⅰ)§

先月の冒険では同期の方が何人かお亡くなりになられたそうです……
中には僕と同い年くらいの子たちも居たみたい。
ニコルズくん、ロストさん、アンリエットさんに、テューニさん……
フフ、ロクに話したことさえない僕なんかが彼らのことを思うなんて失礼かもしれませんね。
彼らは末期の時にどんな気持ちで逝ったんだろう?僕が彼らの立場になったらどんな気分だろう?
ここ最近はずっとそんなことばかり考えています。

そろそろ仕事の時間になりそうです。
確か鉱脈を探す依頼だったかな?
それにしても今日は何だか気分が乗らない。ひょっとして僕は───

いや、止そう。


ああ、もう行かないと。
この続きは帰ってから書く事にします。



(ⅱ)

今日も生き存えてしまいました。

…なんて書くと死に急いでるみたいに思われるかも知れませんね。
フフッ。別にそういう訳ではないんです。

今回の依頼もまた失敗に終わってしまいました。
こう失敗続き(まだ二回ほどですが)だと、徐々に蓄えも減り、やがては食い潰れ、緩やかに死に近付いていく… 
そう考えれば冒険者稼業とはなんと残酷な道なのでしょう
いえ、この職を選んだのは僕自身の意志。
きっと僕は今ネガティブになっているのでしょう。

今日の洞窟でも素敵なひととの出逢いがなかったせいもあるのでしょう。
ああ、今回も駄目だったよ。掘っても掘っても砂ばかり、どれだけ掘っても脈が無い…
恋の脈はおろか鉱脈さえ見つかりませんでした。
運命が望むのはきーげーきか、ひーげーきか…

来月の依頼もまた鉱脈探しみたい。
今更だけどもしかしたら……洞窟に僕の運命のひとはいないのかな。





§ 黄金歴211年 5月 §


今月の仕事はキノコ捜索依頼。
道中、同い年のマジアトゥイさん、一つ年上のリンデールさんのお二人とお話をしました。
どうやら二人とは冒険者稼業を始めた時期が近いみたい。フフフ、同期のサクラですね!

サクラといえば来る途中に見たヤマザクラさんの枝振りの見事だったこと!時期が時期だけに花は咲いてなかったけれど、そんなの関係ないくらい美しいひとで、ついつい前屈みになって変な目で見られたけどいつものことなので気になりません。
帰りにもう一度逢えたら嬉しいなあ。

なんてことを考えて気もそぞろだったのがいけなかったのか。
キノコを見つける事が出来ず、依頼に失敗してしまいました。しょんぼり。
珍しいキノコかあ… どんなコだったんだろう?今になって何故か気になって仕様がありません。
あれあれ?帰ってからずっとあのキノコのことばかり考えています。
なんだか胸がモヤモヤする……

もしかしてこの気持ちは、───恋?


次の依頼は鉄鉱捜索だって。
また洞窟かあ… 今度こそ素敵な出逢いがありますように。





§ 黄金歴211年 4月 §


洞窟のゴブリン退治。
これが僕の冒険者として初めての依頼になります。
陽の当たらぬ薄暗いそこに、まだ見ぬ素敵なお嬢さん達が僕の訪れを待っていると思えばついつい前屈みになりそうです。
嗚呼、そこにロマンはあるのだろうか。

───おっと、いけないいけない。
思わずピンクグリーンな妄想に耽りそうになり、頭を振って雑念を払います。
フフ。まったくモーリスってば、依頼のことを忘れたらいけないゾ☆


道中、同じ依頼を請けたレミフェンさんという方と好みのタイプの話で盛り上がりました。
彼は海辺のご出身だそうで、その辺りの素敵なお嬢さんの話も聞けて大変有意義でした。
それにしても同好の士にお逢いしたのはこれが初めてです。
フフフ、嬉しいなあ。もし同じ女性を好きになったとしても僕、譲りませんからね?

結果的に依頼は無事完了しましたが、素敵なお嬢さんにも巡り会えませんでした。
報酬と、見つけた宝箱から幾ばくかの取り分を戴けたのが不幸中の幸いかな。


次の依頼はキノコ探しみたい。
菌類とは仲良くやれるのでしょうか。
未来に不安はありますが僕は今日も元気です。