ザカリオの日誌


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【黄金歴211年8月某日】

 

 

 

gold.ash.jp/main/textView.cgi

 

 

 

 

(鬱蒼と暗い森の奥、夜露の滴る音に紛れて微かな吐息が聞こえてくる…)

 

 

 

 

 

…ああ…俺はまだ生きてんのか。

手も足も…ぴくりとも動きやしねえ。

声も出やしねえのに…意識だけは妙にはっきりしてやがる。

 

この臭いは、えらく嗅ぎ慣れてる…臓物と、血の臭い。

獣じゃねえ、これは人間の臭いだ。

 

暗いな…それに、静かだ。

 

意識が途切れる前に、一人だけ…商人って名乗ってた奴が走り去るのを見たっけ。

あいつ…生き延びたかなあ。

商売人ってのは元々あんまり好かなかったが…生き延びて、大儲けしろよ。

だってほら。

俺が、命に変えて、守ったんだから、よ。

 

……星が見えねえよ。

こんな、暗い…いくら森の中ったって、暗すぎるだろ。

…ああ。

 

ああ……ああ、…そう、か。

 

 

俺、目。

もう、見えてねえのか。

そっか。

 

 

酒場の連中、…あの時みてえに、俺が死んでも、泣くのかな。

そりゃあ…ちょいとまずいなあ。

 

笑って、乾杯してくれりゃいいな。

ザカリオって馬鹿な奴がドジこいて死んだよって。

 

 

 

 

さて…ちょいと…寝るかなぁ。

 

 

 

 

(それきり吐息は静かに消えていき、その主が目を覚ます事は二度となかった)

 

 

 

*****

 

【黄金歴211年7月某日】

 

ああ…傷が痛てェ。今回(gold.ash.jp/main/textView.cgi)はとんだ目に遭った…。

こないだは生きた死人だったが、次は死霊そのものときたもんだ。

あいつらの手の冷たさったらねェ…腹の底から体が冷えて、歯の根が合わねェったァこの事って感じのな。みんなガタガタ震えてたが、ありゃあ怖さだけじゃなかった。

途中で一人毒を食らっちまってさ、それを介抱しようとしたとこで変な奴らとぶつかってよ。

インプってのかあいつら…上からキイキイうるせえのなんのって、頭の中身を爪で引っ掻き回されてるみてえなんだ。

思わず泣き出しちまった奴もいたっけな…とにかく今でも頭がガンガンしやがる。

腹ァやられちまって怯んだ隙に二人やられちまってよ。戦場でもあそこまでひでえ事にゃあならねえさ。相手も人間なら、人間の動きしかしねえじゃねえか。

あいつら、羽生えてんだもんよ。おまけにあの爪よ。ちょいとかすっただけですげえ深く切れやがる。

…次会ったら、必ず仇を取る。

今日はとりあえず…寝なきゃな。あのキイキイした笑い声がまだ耳に残ってやがる…。

 

 

*****

 

 

【黄金歴211年6月某日】

 

今回の冒険(gold.ash.jp/main/textView.cgi)は悪くなかったな。

同行した子供たちの動きも良かったし、俺も好きにやらせてもらった。

それにしてもどうして俺の同行者は15とか18の餓鬼どもばっかりなんだ?俺ぁ昔っから新兵の教育をさせられる事が多かったから、まぁ慣れちゃぁいるが…こんなヤクザな稼業に飛び込むにゃあちょいと早すぎるんじゃねえかな。

…そういや、酒場の親父www.pixiv.net/member_illust.phpが言ってたんだが、冒険初めて半年も経たねえうちは、まだ「下っ端」とか頭につくような雑魚ばっか相手にしてるのが本当らしい。

そんじゃ何で俺にゃしょっぱなから中堅どころばっか寄越すんだって言ったら「餓鬼どものお守りァ慣れてンだろが。かっかっかっ」とか笑いやがった。冗談じゃねえ。

まあ、その後「餓鬼どもに無茶させようとする連中が多すぎるから護衛みてェなモンだ」とも言われたが…なんだか上手く言いくるめられた気がする。

 

 

*****

 

 

【黄金歴211年5月某日】

 

ああ、書くのを忘れてたな。あの日(gold.ash.jp/main/textView.cgi)は確か色々あったんだ。

でかい音がなったと思ったら、ゾンビっていうのか?あれ…俺ぁ一瞬、とんでもねえ仮装だなと思ったんだがどうも違ったようだ。

生きた死人ってのが可能かって話は軍にいた頃も話題になった事があったがな。

そう、確か俺は「死人は死んでるから死人って言うんだ」って言ったし、あいつは「生きるってのが生命活動だけをさすわけじゃない」なんて難しいことを言いやがったっけ。

だが俺は今、あいつをホラ吹き呼ばわりした事を後悔してる。魔法だか呪いだか知らんが、あの時襲いかかって来た奴らは確かに「生きた死人」としか言いようがねえ。…今となってはあいつに謝る事も出来ねえな。墓にでも頭下げに行こうか。

 

それにしても…目の前で子供が二人も死んだ。二人共15歳だって言ったか…「ここで出会ったのも運命ですね」なんて笑ってたが、俺ぁあいつらはたった15歳で死ぬ運命なんかじゃなかったと思う。

俺の手がもうちょいとだけ早けりゃ、二人共助けられたかもしれねえ。

 

人の命に「次」はねえな。

痛烈に感じた日だった。

 

 

*****

 

 

【黄金歴211年4月某日】

 

 軍にいた時から日誌を書くのは嫌いだったんだが、今日の任務(gold.ash.jp/main/textView.cgi)を終えてみて、ああこりゃマジでいつ死ぬかわかったもんじゃねえなと思い記録をつけてみる事にする。

まあ、いつだってすぐに忘れちまうから細かい事は書かないと思う。日記みたいなもんだ。

 

今回の冒険は手馴しって感じだった。

偶然、登録の時同じ窓口に並んでいた奴らと一緒だったな。確かセプテムマジアトゥイっていったか…二人とも若いのになかなか骨のある奴だった。

軍に入れば結構出世すんじゃねえかな、と思ったが、今は俺も軍人じゃねえしな。口利きが出来る立場じゃねえのが残念だ。

ところで、セプテムもマジアトゥイも、使えもしねえ武器持って帰ってどうすんだろうな…俺ならモーニングスターもショートスピアも使えるんだが。二人共金が欲しいって言ってたから、売って足しにでもするのかもしれねえな。

まあそれはそれで、拾い物としちゃあ上出来の末路かもしれん。

 

それにしてもあの毒ガスってやつはどうもいけねえ。未だに目と鼻がひりひりしやがる。帰ってから目は水で洗ったが、鼻から水を飲むのはごめんだ。くしゃみが止まらねえが3日もすりゃなんとかなるだろう。

 

来月はどうやら、正体のわからねえ相手との戦いらしい。やたらと報酬を弾んできたが、一体何が出るんだか楽しみだ。

 

そういや、大鼠って食えるんだろうか。

腿のあたりなんか案外肉付きが良くて食いでが有りそうだったんだが…ただ毛皮がとにかくくせえ。ありゃドブを住処にしてるに違いねえな。

ゴブリンの顔が入隊当時の部隊長にそっくりで思わず挨拶しそうになったが、我慢したら今度は笑いが止まらなくて参った。次に会う時はもうちょいと鼻を高くしてくれよ。