博士論文の入手

 ここでは博士論文を入手する方法について簡単に説明します。

 博士論文の入手。と題していますが、先ずは何故博士論文を入手するのかについて簡単に述べようかと想います。
博士論文とは、学位請求論文の一つで当該大学院に提出し、博士号の学位を承認されるための論文です。この論文は提出者による最新の研究が記載されていることも然ることながら、その研究対象に対する研究史および参考文献一覧が付属する。先行研究を知らずしては進歩的で新規性のある研究なぞできないからである。
この先行研究に関する資料が大変有益である。何故なら修士論文や卒業論文を書くにあたって、その先行研究を踏襲擦ることが可能であるからである。 では、そのような博士論文はどうやって入手すれば良いのか。 博士論文はその規定において
学位規則(昭和28年4月1日文部省令第9号)
(論文要旨等の公表)

第8条  大学及び独立行政法人大学評価・学位授与機構は、博士の学位を授与したときは、当該博士の学位を授与した日から3月以内に、当該博士の学位の授与に係る論文の内容の要旨及び論文審査の結果の要旨を公表するものとする。

第9条  博士の学位を授与された者は、当該学位を授与された日から1年以内に、その論文を印刷公表するものとする。ただし、当該学位を授与される前に既に印刷公表したときは、この限りでない。

2  前項の規定にかかわらず、博士の学位を授与された者は、やむを得ない事由がある場合には、当該博士の学位を授与した大学又は独立行政法人大学評価・学位授与機構の承認を受けて、当該論文の全文に代えてその内容を要約したものを印刷公表することができる。この場合、当該大学又は独立行政法人大学評価・学位授与機構は、その論文の全文を求めに応じて閲覧に供するものとする。

と規定されており、「当該学位を授与された日から1年以内に、その論文を印刷公表するものとする。」ということが規定で決定されている。つまり、授与後一年以内に公開がされているのである。さて、この公開なのであるが、出版等を行われ普段目につく所に公開されているわけではない。
博士論文は提出後に提出者によって国立国会図書館の関西支部と関東支部にそれぞれ一部づつ寄贈され、それが保存される。博士論文提出後に博士論文出版助成金などを獲得して出版されるケースも多くあるが、それはこの博士論文を大幅に構成、編集したものであり、原本そのものでは無い。
其のために出版が行われていても博士論文を確認することは有意義であるのだ。では、本題に戻ろう。如何にしてこの博士論文は入手が可能であるか。
それは先に「博士論文は提出後に提出者によって国立国会図書館の関西支部と関東支部にそれぞれ一部づつ寄贈され、それが保存される。」と述べたように国立国会図書館に保管されており、この閲覧が如何なる人物でも可能である。
つまりは、国会図書館に閲覧しにいけば確認を取ることができるのである。
(手続きをとれば国会図書館にコピーをとってもらい郵送して頂くことも可能)

 

 以下執筆中 

 

 また、これは平成二十四年以前の博士論文に限った話である。平成25年3月11日文科省の決定によって、この「学位規則」に変更が施された。その変更点の関係する箇所は以下のとおりである。

第一 学位規則(昭和28年文部省令第9号)の一部改正
一 改正の概要

(1)論文要旨の公表
 大学及び独立行政法人大学評価・学位授与機構(以下「大学等」という。)は,博士の学位を授与したときは,当該博士の学位を授与した日から3月以内に,当該博士の学位の授与に係る論文(以下「博士論文」という。)の内容の要旨及び論文審査の結果の要旨をインターネットの利用により公表するものとすること。(第8条関係)

(2)博士論文の公表
1 博士の学位を授与された者は,当該博士の学位を授与された日から1年以内に,当該博士論文の全文を公表するものとすること。ただし,当該博士の学位を授与される前に既に公表したときは,この限りでないこと。(第9条第1項関係)
2 博士の学位を授与された者は,やむを得ない事由がある場合には,当該博士の学位を授与した大学等の承認を受けて,当該博士論文の全文に代えてその内容を要約したものを公表することができるものとすること。この場合において,当該大学等は,その論文の全文を求めに応じて閲覧に供するものとすること。(第9条第2項関係)
3 博士の学位を授与された者が行うこれらの公表は,当該博士の学位を授与した大学等の協力を得て,インターネットの利用により行うものとすること。(第9条第3項関係)

〜〜〜〜〜中略〜〜〜〜〜

三 施行について

(1)平成25年4月1日から施行するものとすること。
(2)改正後の学位規則第8条の規定は,平成25年4月1日以後に博士の学位を授与した場合について適用し,同日前に博士の学位を授与した場合については,なお従前の例によるものとすること。
(3)改正後の学位規則第9条の規定は,平成25年4月1日以後に博士の学位を授与された者について適用し,同日前に博士の学位を授与された者については,なお従前の例によるものとすること。

つまりは、平成二十五年4月1日以降の博士論文はインターネット上での公開が義務付けられたわけである。現状では各大学のレポジトリ等での公開で各種論文検索機関によっては該当しないかもしれないが、今後、各大学によって公開が続けられるならば、それを検索するためのシステムが整備され、また過去の博士論文の公開にも着手されることになることもあるのではないだろうか。ただただ利用の便が増長することを願うばかりである。

2013.09.01
 

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最終更新:2013年09月01日 17:50