更新日時:2013-06-15 23:06:08 (Sat)アクセス数: -
glBufferData
目次
概要
void glBufferData(GLenum target, GLsizeiptr size, const GLvoid *data, GLenum usage);
glBindBuffer で target にバインドされたバッファオブジェクトにデータを転送します。
第 1 引数では以下の定数を指定してバッファオブジェクトの種類を選択します。
定数 |
バッファオブジェクトの種類 |
GL_ARRAY_BUFFER |
頂点バッファ |
GL_ELEMENT_ARRAY_BUFFER |
頂点インデックス |
第 2 引数 size には転送するデータのサイズをバイト数で指定し、
第 3 引数 data には転送するデータの先頭へのポインタを指定します。
第 4 引数 usage では転送されたデータの使い方を指定します。
このパラメータは OpenGL にヒントを与えるもので、適切な指定によってパフォーマンスの向上が期待できます。
usage の指定はアクセス頻度と特性の 2 つのパートに分かれています。
定数 |
アクセス頻度 |
STREAM |
値の設定は一度だけで、数回程度使用されます。 |
STATIC |
値の設定は一度だけで、非常に多い回数使用されます。 |
DYNAMIC |
値の設定は繰り返し実行され、非常に多い回数使用されます。 |
定数 |
特性 |
DRAW |
データはアプリケーションによって設定され、OpenGL の描画のソースとして使用します。 |
READ |
データは OpenGL 側から読みこんで設定され、アプリケーションのクエリによって取得されます。 |
COPY |
データは OpenGL 側から読みこんで設定され、OpenGL の描画のソースとして使用します。 |
最も頻繁に利用することになるのは STATIC と DRAW の組み合わせで、
この場合には引数 usage に GL_STATIC_DRAW を指定します。
注意
第 3 引数 data に NULL を指定した場合には指定したサイズの未初期化領域が作成されます。
つまり、その領域に格納されている内容は未定義です。
エラー
- GL_INVALID_ENUM
- 第 1 引数 target が許可されている値でない場合に生成されます。
- 第 4 引数 usage が許可されている値でない場合に生成されます。
- GL_INVALID_VALUE
- 第 2 引数 size が負である場合に生成されます。
- GL_INVALID_OPERATION
- target にバインドされているバッファオブジェクトが存在しない場合に生成されます。
- GL_OUT_OF_MEMORY
- 転送に必要なメモリを確保できなかった場合に生成されます。
サンプルコード
以下に、バッファオブジェクトを生成して頂点属性を転送する C++ コードの例を示します。
///**********************************************//**
/// 頂点属性を頂点シェーダに渡します。
/// ここではシェーダのコンパイルとリンクは省略されています。
///**********************************************//**
// バッファオブジェクトへのハンドル
GLuint position_buffer;
GLuint color_buffer;
// 頂点配列オブジェクトへのハンドル
GLuint vao;
// バッファオブジェクトの生成
void CreateBufferObject()
{
// 三角形ポリゴンの位置と色に対応する頂点属性の定義
float positions[] = { -0.5f, -0.5f, 0.0f, 0.5f, -0.5f, 0.0f, 0.5f, 0.5f, 0.0f };
float colors[] = { 1.0f, 0.0f, 0.0f, 0.0f, 1.0f, 0.0f, 0.0f, 0.0f, 1.0f };
// バッファオブジェクトの生成
GLuint vbo[2];
glGenBuffers(2, vbo);
position_buffer = vbo[0];
color_buffer = vbo[1];
// 頂点位置をバッファオブジェクトに転送
glBindBuffer(GL_ARRAY_BUFFER, position_buffer);
glBufferData(GL_ARRAY_BUFFER, sizeof(float) * 9, positions, GL_STATIC_DRAW);
// 頂点色をバッファオブジェクトに転送
glBindBuffer(GL_ARRAY_BUFFER, color_buffer);
glBufferData(GL_ARRAY_BUFFER, sizeof(float) * 9, colors, GL_STATIC_DRAW);
}
// 頂点シェーダの入力属性とバッファオブジェクトを対応付ける
void BindVertexAttribute()
{
// 頂点シェーダの vertex_position と vertex_color に属性インデックス 0, 1 をマッピング
glBindAttribLocation(program, 0, "vertex_position");
glBindAttribLocation(program, 1, "vertex_color");
// フラグメントシェーダの出力変数をマッピング
glBindFragDataLocation(program, 0, "fragment_color");
// 頂点配列オブジェクトを 1 つ作成してバインド
glGenVertexArrays(1, &vao);
glBindVertexArray(vao);
// 頂点位置と頂点色のそれぞれについて頂点属性配列を有効化
glEnableVertexAttribArray(0);
glEnableVertexAttribArray(1);
// バッファオブジェクトに転送した頂点位置をインデックス 0 に関連付ける
glBindBuffer(GL_ARRAY_BUFFER, position_buffer);
glVertexAttribPointer(0, 3, GL_FLOAT, GL_FALSE, 0, (GLubyte*)NULL);
// バッファオブジェクトに転送した頂点色をインデックス 1 に関連付ける
glBindBuffer(GL_ARRAY_BUFFER, color_buffer);
glVertexAttribPointer(1, 3, GL_FLOAT, GL_FALSE, 0, (GLubyte*)NULL);
}
// レンダリング
void display()
{
glClear(GL_COLOR_BUFFER_BIT);
glBindVertexArray(vao);
glDrawArrays(GL_TRIANGLES, 0, 3);
glFlush();
}
参考文献
OpenGLに関連するオススメの本や WEB サイトを紹介します.
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OpenGL策定委員会, 「OpenGLプログラミングガイド 原著第5版」, ピアソンエデュケーション
- OpenGLの赤本(Red Book)と呼ばれる定番の参考書の日本語版です。
- 少し値は張りますがOpenGLの基本的な使い方が丁寧にまとめられています。
- 初心者の方には敷居が高いかもしれませんがOpenGLを極めるつもりなら必須の教本だと思います。
Mark Segal, Kurt Akeley, Jon Leech, 「OpenGL4.0グラフィックスシステム」, カットシステム
- OpenGLの仕様書の日本語訳です。個人的には翻訳に違和感を覚えることはありませんでした。
- 英語が苦手な方は本書をAPIリファレンスの代わりに利用できます。
- チュートリアルのような内容は含まれていませんので他の書籍との併用をオススメします。
床井 浩平, 「GLUTによるOpenGL入門」, 工学社
- これから OpenGL を初めようとしている方にはこの本がオススメです。
- おそらく OpenGL に関する文献の中では最も敷居が低く 3DCG に関する知識が全くなくても理解しやすいです。
- 少し内容は古いかもしれませんが導入という目的では最高の文献で、私もこの本から OpenGL に入門しました。
床井 浩平, 「GLUTによるOpenGL入門2 テクスチャマッピング」, 工学社
- 上の「GLUT によるOpenGL入門」の続編です。
- 前作の内容では物足りなかった方は本書を読むことで 3DCG の表現力が大幅に広がります。
- 引き続き平易な内容となっており、前作を読破した方であれば難なく理解できると思います。
David Wolff , 「OpenGL 4.0 シェーディング言語 -実例で覚えるGLSLプログラミング-」, ボーンデジタル
- 最近のゲームに見られるようなリアルな映像をつくりだすにはプログラマブル・シェーダという機能が欠かせません。
- 床井 浩平さんの「GLUTによるOpenGL入門2 テクスチャマッピング」でもシェーダに関しては少しだけ触れられていますが、書籍の後半で軽く紹介されているだけでいささか物足りない内容ではありますので、本格的に学ぶためにこの本の購入をオススメします。
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最終更新:2013年06月15日 23:06