1、晴男の寿命の話

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よく持って20歳まで限界です。それ以上は脳細胞が持ちません。 医者が俺様の目の前でそう告げ、一瞬だけ息がつまり、少しの間胸に圧迫感が残る。 昨日、いつもの様に吐き気と頭痛に悩まされ熱が下がらず授業中に倒れ、いつもの様に俺様は病院に救急搬送された。 救急搬送される度に、気絶する時間が長くなっていく俺様に、専門医がそう診断したのだ。 常に脳で炎症が起きてる俺様の脳は熱によりゆっくりだが、徐々に脳細胞が死滅していき、だんだん腐ってきているらしい。 嫌、腐っているというのは語弊かもしれない。 正確に言えば度重なる脳への熱のダメージが蓄積され徐々に正常に動かなくなってきている。 熱によってたんぱく質が固められていき 脳が動かなくなっていっているのだ。 長生きはできねぇとずっと思っていたが 長くは生きられないとずっと覚悟はしてきたが実際に言われると予測とはまったくもって違う。 耐え切れないような重圧感のある言葉に潰れそうになった。 親にも常々言われてきた。 弟にも散々言われた。お隣さんも先生もクラスメートも後悔しないようにと多少のわがままを許してくれた 皆わかっている だからこそ皆俺の余命を軽く受け止めた。 だがいざここまでくると自分ではどうしようもない苦しみと恐怖が襲うのだ。 俺様の脳は 溶けるように脳髄が熱く激しく痛みが襲う。 脳が腐っていく。 苦しい。息ができない。 脳が、腐っていく。 視界が遠くぼやけていく。 家族の姿が、遠く もうどのくらいたったのかわからない。 永遠のような脳を溶かすような痛みに耐え続け、内蔵を焼く痛みがより一層強くなった。 苦しい。痛い。まるで脳髄を焼くように暑い。 苦しい。 流したくもない涙があふれ自然と下唇を噛み締める。 苦しい。 何で俺なんだ。世の中の理不尽を呪った。 苦しい。痛い。痛い。 恐ろしい。 死ぬことが恐ろしい。 だがそれは近くまで来ている。 嫌だと子供のように癇癪を起こしたかった。 死にたくない。 だがもうまばたきすらできない。 植物のように寝てるだけだ。周りで知り合いや身内の号泣する声や「死なないで」といった悲鳴じみた声が部屋に響く。 看護師の焦った声が響き、医者の怒声に似たような支持する声が聞こえる。 誰かがもう無理だ、と言った。 延命機械を外そうと。 その声に背筋から底冷えする様な感覚に陥った。 声が出ないはずなのに悲鳴が出る感覚に襲われた。 それに両親が泣きながら、医者に「お願いします」と呟いた。 続けて母親が俺の頭を撫でながら「楽にしてあげるからね…」と蚊の鳴くような声で呟き 弟が母親を慰める声が聞こえる。 やめてくれ 待ってくれ 俺はまだ死にたくない。 死にたくないと声を出そうとした瞬間に、コンセントを抜かれたかの様に俺の意識は消えた。 「ーーッ!!」 「なッ!?」 バチンと弾ける音が部屋に響いたと同時に、とんでもない激痛が額に走った。 縁起でもねぇ最悪なクソみてぇな悪夢を見た後にこれだとストレスがマッハだ。こんちくしょう。 「い”ッッッ!!」 「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!頭!!!!頭吹っ飛んでない俺!?痛い!!くっそ痛い!!」 歯を食いしばって声を耐えたは良いものの衝撃には耐え切れず、はじかれたように枕まで反動で頭が動いた。クソッ。 「……何やってんだよお前等」 とんでもない痛みを訴える額を両手で抑えて保健室のベットで唸るような声を上げながらゴロゴロと悶えてると サラダ先輩の呆れたようなため息混じりの声が聞こえた。 痛みの元凶は今床で転げ回りながら「ウオオオオオオオオオオオ」と意味のわからない奇声を上げてる人物。 テメェか鳥頭。 恨めしく睨みながらわざとらしくベットを降りるときに脇腹に全体重をかけてながら降りると 「グエッ」と本当に情けない潰れたカエルのような声を出して動かなくなった。  部屋の端っこにいた 赤い髪の死んだ魚が小声で「メメタァ…」と呟いた気がするが無視する。 気のせいで済ませないと面倒くさい(経験済み) 「ハッざまぁみろ」 鳥頭に唾を吐きかける勢いで捨て置くとサラダ先輩が俺を宥めた。 「すまない、ミキサーにも悪気はないんだ。」 こっそり「多分な」と言ったのを聞いて多分かよってツッコミたくなる衝動を抑える。 それに死んだ魚が「馬鹿なだけだろ」と会話に参加してきた してくんなカス 「……うん、まぁ馬鹿なのは置いといて十雙、頭みせてみろ」 「(置いとくのかよ)あ”?ああ、さっきの頭突きの奴か?治すほどのモンでもねぇだろ」 「嫌、そっちじゃない脳の方だ」 その言葉がさっきの悪夢の様に胸に突き刺さった。 「……医者でもねぇテメエがみても無駄なだけだろ」 「じゃあ、赤塚に頼むか。赤塚」 「ん」             ・・ 死んだ魚が道具をその場で生成しながら立ちがったのを尻目に 「医者志望の奴でも意味ねぇだろ」 と面倒くさそうにため息を吐きながら呟いた。 正直脳の事には家族にだろうとあまり触れられたくない。 もう考えたくないのだ。  脳のことを考えると常に死を意識してしまう。 情けないがそれが恐ろしいのだ。 「心配はいらん。そこらへんのヤブ医者よりはいい腕してるぞ」 と自信に満ち溢れたような雰囲気で(あくまで顔は無表情)さり気無く俺の周りに聴診具などの診察室を作っていく様をみて多少の悔しさをにじませた声で 「じゃなきゃ任せるものか」 と捨て吐くように小声で噛み締めるようにつぶやいた。 死んだ魚が俺の脳を見たことない機械で調べていく中、サラダ先輩が機械のモニター真剣な表情で眺めていた。 そういえば鳥頭は、とさっきまでいた場所に目を向けると、そこにはおらずベットの上で漫画を爆笑しながら読んでいた。お前何しに来た。 「解析が終わった」と死んだ魚が言ったがそれに合わせてサラダ先輩が 「…言いづらいがあまりいい状態とはいえないな」と俺の目を見て言った。 本当はそれを聞いて心臓がキュっと縮んだ様な気分に陥った。 だがその恐ろしさを隠すために、見栄を張るためにわざとぶっきらぼうに「…そうかよ」と返す。 「普通の医学では、もう到底手のつくしようがないな」 「…やはり、か」 「……」 聞きたくない結果をいとも簡単にさらっと蛆虫に言われる。 サラダ先輩もわかってたというような声と態度でモニターを眺めてる。 その仕草からわかる結末に行き場のない不安と理不尽さに舌打ちを隠さずした 恐らく後2~3年だろう 自分でもわかってるんだ。 他の、ましては医学をかじってる奴がわからないはずがない。 絶望に近い感情に内蔵をぐるぐるとかき乱されてるような感覚に吐きそうになっていると、 サラダ先輩が俺を慰めるように画面を見せた。 「十雙、この部分の形がほかの人物と脳の形が違うのがわかるか?」 「わかるか」 アホかッ、せめて比較画像ぐらい持って来い! 「ああ、そうかすまない。自分で理解できたらわかりやすいと思ったんだが…簡単に言うと、もしかしたら死なないで済むかもしれんぞ」 「俺でもわかってるんだ、もうほうっておいt……!?」 言われたことが唐突すぎて思わず二度見する。 何だって…? 俺が…? 助かる……?? 「ど、どういうことだ」 平静をよそえないほどに声が吃る それほどに今は目の前のサラダがいった事が衝撃的だった 「長生きできるかもしれない」 「本当…なんだな?」 「ああ、可能性はある」 突然で戸惑いも多少ある。が、 ずっと求め続けた一言。 ずっと夢見てた一言がったった今、聞けた。 とても嬉しくて心が沸き立ち自然と目を見開き口の端があがってしまうが隠そうとしても隠しきれなかった。 今まで何度も蛆虫やサラダには回復の兆しはないと、手のつくしようがないと先程まで言われていた。 それが今助かるかもと、長生きできる顔しれないといわれた。 嬉しかった。 言葉では表せないほどに嬉しかったが… その反面、”もしかしたら”という言葉に糠喜びしてるだけではと恐れている自分がいた。 信用しきり期待すればきっとまた裏切られたとき、とても苦しい目に遭うだろう。 「大丈夫だ。」 けれども、俺にそう告げたサラダ先輩の目は、嘘やまやかしを言う様な目ではなく、 また、ぬか喜びさせたりさせる不確定な可能性をいってる目じゃない。 真剣でいて俺を絶対助けるという意志の元、絶対助けてみせると目が語っていた。 「俺達を信じてくれないか」 不安の壁を貫くような強い意思に考えるまもなく、俺の顔は不敵な笑みを浮かべ 「失敗したら承知しねぇからな」 自然と頷いていた。
よく持って20歳まで限界です。それ以上は脳細胞が持ちません。 医者が俺様の目の前でそう告げ、一瞬だけ息がつまり、少しの間胸に圧迫感が残る。 昨日、いつもの様に吐き気と頭痛に悩まされ熱が下がらず授業中に倒れ、いつもの様に俺様は病院に救急搬送された。 救急搬送される度に、気絶する時間が長くなっていく俺様に、専門医がそう診断したのだ。 常に脳で炎症が起きてる俺様の脳は熱によりゆっくりだが、徐々に脳細胞が死滅していき、だんだん腐ってきているらしい。 嫌、腐っているというのは語弊かもしれない。 正確に言えば度重なる脳への熱のダメージが蓄積され徐々に正常に動かなくなってきている。 熱によってたんぱく質が固められていき 脳が動かなくなっていっているのだ。 長生きはできねぇとずっと思っていたが 長くは生きられないとずっと覚悟はしてきたが実際に言われると予測とはまったくもって違う。 耐え切れないような重圧感のある言葉に潰れそうになった。 親にも常々言われてきた。 弟にも散々言われた。お隣さんも先生もクラスメートも後悔しないようにと多少のわがままを許してくれた 皆わかっている だからこそ皆俺の余命を軽く受け止めた。 だがいざここまでくると自分ではどうしようもない苦しみと恐怖が襲うのだ。 俺様の脳は 溶けるように脳髄が熱く激しく痛みが襲う。 脳が腐っていく。 苦しい。息ができない。 脳が、腐っていく。 視界が遠くぼやけていく。 家族の姿が、遠く もうどのくらいたったのかわからない。 永遠のような脳を溶かすような痛みに耐え続け、内蔵を焼く痛みがより一層強くなった。 苦しい。痛い。まるで脳髄を焼くように暑い。 苦しい。 流したくもない涙があふれ自然と下唇を噛み締める。 苦しい。 何で俺なんだ。世の中の理不尽を呪った。 苦しい。痛い。痛い。 恐ろしい。 死ぬことが恐ろしい。 だがそれは近くまで来ている。 嫌だと子供のように癇癪を起こしたかった。 死にたくない。 だがもうまばたきすらできない。 植物のように寝てるだけだ。周りで知り合いや身内の号泣する声や「死なないで」といった悲鳴じみた声が部屋に響く。 看護師の焦った声が響き、医者の怒声に似たような支持する声が聞こえる。 誰かがもう無理だ、と言った。 延命機械を外そうと。 その声に背筋から底冷えする様な感覚に陥った。 声が出ないはずなのに悲鳴が出る感覚に襲われた。 それに両親が泣きながら、医者に「お願いします」と呟いた。 続けて母親が俺の頭を撫でながら「楽にしてあげるからね…」と蚊の鳴くような声で呟き 弟が母親を慰める声が聞こえる。 やめてくれ 待ってくれ 俺はまだ死にたくない。 死にたくないと声を出そうとした瞬間に、コンセントを抜かれたかの様に俺の意識は消えた。 「ーーッ!!」 「なッ!?」 バチンと弾ける音が部屋に響いたと同時に、とんでもない激痛が額に走った。 縁起でもねぇ最悪なクソみてぇな悪夢を見た後にこれだとストレスがマッハだ。こんちくしょう。 「い”ッッッ!!」 「ギャアアアアアアアアアアアアアアアアアア!!!!!!頭!!!!頭吹っ飛んでない俺!?痛い!!くっそ痛い!!」 歯を食いしばって声を耐えたは良いものの衝撃には耐え切れず、はじかれたように枕まで反動で頭が動いた。クソッ。 「……何やってんだよお前等」 とんでもない痛みを訴える額を両手で抑えて保健室のベットで唸るような声を上げながらゴロゴロと悶えてると サラダ先輩の呆れたようなため息混じりの声が聞こえた。 痛みの元凶は今床で転げ回りながら「ウオオオオオオオオオオオ」と意味のわからない奇声を上げてる人物。 テメェか鳥頭。 恨めしく睨みながらわざとらしくベットを降りるときに脇腹に全体重をかけてながら降りると 「グエッ」と本当に情けない潰れたカエルのような声を出して動かなくなった。  部屋の端っこにいた 赤い髪の死んだ魚が小声で「メメタァ…」と呟いた気がするが無視する。 気のせいで済ませないと面倒くさい(経験済み) 「ハッざまぁみろ」 鳥頭に唾を吐きかける勢いで捨て置くとサラダ先輩が俺を宥めた。 「すまない、ミキサーにも悪気はないんだ。」 こっそり「多分な」と言ったのを聞いて多分かよってツッコミたくなる衝動を抑える。 それに死んだ魚が「馬鹿なだけだろ」と会話に参加してきた してくんなカス 「……うん、まぁ馬鹿なのは置いといて十雙、頭みせてみろ」 「(置いとくのかよ)あ”?ああ、さっきの頭突きの奴か?治すほどのモンでもねぇだろ」 「嫌、そっちじゃない脳の方だ」 その言葉がさっきの悪夢の様に胸に突き刺さった。 「……医者でもねぇテメエがみても無駄なだけだろ」 「じゃあ、赤塚に頼むか。赤塚」 「ん」             ・・ 死んだ魚が道具をその場で生成しながら立ちがったのを尻目に 「医者志望の奴でも意味ねぇだろ」 と面倒くさそうにため息を吐きながら呟いた。 正直脳の事には家族にだろうとあまり触れられたくない。 もう考えたくないのだ。  脳のことを考えると常に死を意識してしまう。 情けないがそれが恐ろしいのだ。 「心配はいらん。そこらへんのヤブ医者よりはいい腕してるぞ」 と自信に満ち溢れたような雰囲気で(あくまで顔は無表情)さり気無く俺の周りに聴診具などの診察室を作っていく様をみて多少の悔しさをにじませた声で 「じゃなきゃ任せるものか」 と捨て吐くように小声で噛み締めるようにつぶやいた。 死んだ魚が俺の脳を見たことない機械で調べていく中、サラダ先輩が機械のモニター真剣な表情で眺めていた。 そういえば鳥頭は、とさっきまでいた場所に目を向けると、そこにはおらずベットの上で漫画を爆笑しながら読んでいた。お前何しに来た。 「解析が終わった」と死んだ魚が言ったがそれに合わせてサラダ先輩が 「…言いづらいがあまりいい状態とはいえないな」と俺の目を見て言った。 本当はそれを聞いて心臓がキュっと縮んだ様な気分に陥った。 だがその恐ろしさを隠すために、見栄を張るためにわざとぶっきらぼうに「…そうかよ」と返す。 「普通の医学では、もう到底手のつくしようがないな」 「…やはり、か」 「……」 聞きたくない結果をいとも簡単にさらっと蛆虫に言われる。 サラダ先輩もわかってたというような声と態度でモニターを眺めてる。 その仕草からわかる結末に行き場のない不安と理不尽さに舌打ちを隠さずした 恐らく後2~3年だろう 自分でもわかってるんだ。 他の、ましては医学をかじってる奴がわからないはずがない。 絶望に近い感情に内蔵をぐるぐるとかき乱されてるような感覚に吐きそうになっていると、 サラダ先輩が俺を慰めるように画面を見せた。 「十雙、この部分の形がほかの人物と脳の形が違うのがわかるか?」 「わかるか」 アホかッ、せめて比較画像ぐらい持って来い! 「ああ、そうかすまない。自分で理解できたらわかりやすいと思ったんだが…簡単に言うと、もしかしたら死なないで済むかもしれんぞ」 「俺でもわかってるんだ、もうほうっておいt……!?」 言われたことが唐突すぎて思わず二度見する。 何だって…? 俺が…? 助かる……?? 「ど、どういうことだ」 平静をよそえないほどに声が吃る それほどに今は目の前のサラダがいった事が衝撃的だった 「長生きできるかもしれない」 「本当…なんだな?」 「ああ、可能性はある」 突然で戸惑いも多少ある。が、 ずっと求め続けた一言。 ずっと夢見てた一言がったった今、聞けた。 とても嬉しくて心が沸き立ち自然と目を見開き口の端があがってしまうが隠そうとしても隠しきれなかった。 今まで何度も蛆虫やサラダには回復の兆しはないと、手のつくしようがないと先程まで言われていた。 それが今助かるかもと、長生きできる顔しれないといわれた。 嬉しかった。 言葉では表せないほどに嬉しかったが… その反面、”もしかしたら”という言葉に糠喜びしてるだけではと恐れている自分がいた。 信用しきり期待すればきっとまた裏切られたとき、とても苦しい目に遭うだろう。 「大丈夫だ。」 けれども、俺にそう告げたサラダ先輩の目は、嘘やまやかしを言う様な目ではなく、 また、ぬか喜びさせたりさせる不確定な可能性をいってる目じゃない。 真剣でいて俺を絶対助けるという意志の元、絶対助けてみせると目が語っていた。 「俺達を信じてくれないか」 不安の壁を貫くような強い意思に考えるまもなく、俺の顔は不敵な笑みを浮かべ自然と頷いていた。

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