要塞をつくろう!その2

雨音で目が覚めた。カーテンを開けて外を確認したら、突然ゾンビに襲われた。
もちろん窓も割られる。これで5枚目だ…朝っぱらから面倒なことを…。

外に出ると例のキノコの死体があちこちに散乱していた。
どうも酸の雨で焼け死んだらしい。気味は悪いが解体の練習にはちょうどいい。
それにこいつらの繊維、なかなか頑丈なので糸代わりに使えそうだ。
例の袋も食べてみたが案外悪くない。喉の渇きを潤すには十分だ。
見た目で評価するのはよくない、という事か。

どうも今の拠点付近は危険が多い。念の為に移転をする。
カートでは物資をすべて収納できないので、服を入れていたドレッサーに詰め込む。
このドレッサー、いくらでも物が入るので例のウィスキー樽もらくらく入ってしまう。
…いろいろ不思議ではあるが気にしないでおこう。

町の中心辺りにガレージを発見。周辺に店も多いので、ここを第二の拠点に決定。
即席のベッドを作っていたのだが、さっきから咳が止まらない。
熱も出てきた。どうも風邪になってしまったらしい…。眠ろうにも咳のせいで寝付けない。
眠れないまま朝に。体はだるいまま、力も入らないが薬を探さなければ…。

寝込んでいる間、ずっとこれからの事を考えていた。
自分の国を作る、とは言うが一体何をすればいいんだろうか?
まず必要なのは住む場所だ。食料、飲水の安定供給は必須だな。
大量の水となると…川や湖の近くがいい。食料は動物を狩れば肉が取れるし、種があればそれを植えて農業をすればなんとかなるだろう。
そしてゾンビ達に対する防御。フェンス、落とし穴、罠、鉄条網…これらを組み合わせて防御線を構築する。
トラップを避けて迂回してくる、なんて知恵も無いだろうし防御は全面を固めよう。
他には…そう、生存者だ。生存者たちを一箇所に集めるんだ。人が多ければそれだけ楽になる。
まあ、こういう状況ではゾンビより人間の方が怖い、なんて話もあるが…。
とりあえずこんな所か…けど、本当に生き残れるのか…この世界で一体何をしていけば…
………

目覚めたのは夕方だった。随分長い間寝ていたな…。
具合はいい。風邪はもう治ったようだ。
午後6時前、辺りは暗くなり始めている。食料が無いので松明を作って近くの食料品店に。

ガレージに戻る途中、初めて生存者と遭遇した。
しかし、彼女は「武器を下ろせ!」と叫ぶばかり。とても話は通じそうになかった。
それでも俺は必死に適意がない事を伝えた。だが…ナイフを持った男の言う事なんて信じられなかったんだろう。
錯乱した彼女は俺に襲いかかってきた。明らかに殺意がこもっていた。
思わず俺はナイフを振り、彼女の喉を…即死だった。

彼女の遺体はガレージ裏に埋葬した。
明日の朝にこの町を出ることにする。食料は十分だ。
荷造りを終え、ベッドに潜り込む。とにかく何も考えないようにする。目を閉じていればすぐ朝になるんだ…

少し寝過ぎたようだ…もう昼前になっている。すぐに出発しなければ。
ガレージに火を放つ。あっという間に火は大きくなり、ガレージを飲み込んでいく。
これからは南に向かう事にする。何があるかはわからないが、ここに留まるよりはマシだ。

行き止まりだったので戻ってきた。ちょっとカッコよく決めたのに凄く恥ずかしい。
町に戻り、今度は南西に。しばらく道路を進んでいると、生存者と遭遇。
彼女はSebastien Jaffreと名乗り、「ゾンビになった母を殺して欲しい」と頼んできた。
断る理由はない。これを引き受けて、教えられた住所に向かう。
家にいたゾンビを軽く片付け、報告に戻る。彼女は安堵の表情を浮かべ、安心しきった様子だった。
折角だから一緒に行動しないか?と誘おうとしたら…
「ここは私の場所だ!××野郎!」
突然罵られたと思ったらこちらに突っ込んできた!

ボロボロになった服やリュックを直しながら考えた。
やはり一番怖いのは人間だった…。要塞には俺一人で暮らす。助けてもろくな事にならない。
1分も経たない内に心変わりを起こすような連中には命を預けられない。
もう俺一人でも戦えるようになっている。何も問題は無いだろう。

近くの民家にあったレザーパンツを刻んで、レザーグローブを作成。これを鉄屑で補強する。
なかなかの防御力があるし、手の動きの邪魔にもならない。
糸が足りなくなったので長い糸を裁縫に使えるようほぐしていく。
シートも刻んで布切れにして、いつでもベッドを作れるようブランケットを縫う。
特に理由はないがふんどしも作ってみた。なんだか気合が入った気がする。
シェルターを出て一週間。国を作るなんて言っておきながらずっとこの町で立ち往生している。
今日こそはここを出る。そうしないと話がまったく進まない…