瀟洒なメイドは散弾銃がお好き・2~3日目

――とあるメイドの手記・2~3日目
目が覚めたのはAM2:40頃、雷光による轟音と光で意識は半ば強制的に覚醒させられました。
しかしながら、柔らかいベッドで眠れたお陰で疲れはすっかり癒えたので、住宅内にあったお肉を煮込んだスープの缶詰を食べました。
冷たいままのスープを食べていると、自分は相当恵まれた環境下で過ごしていたと痛感します。
お腹と喉の乾きが満たされた私は雷雨の中意を決して出発、暇潰しの為の本も無く、食料にも乏しかった為保存の効く食料を探し求めます。

途中、私の身長以上に巨大化したスズメバチに遭遇したり、太ったゾンビに遭遇したりするも、特に何事も無く食料品店に到着。
缶詰や(お恥ずかしながら大好物の)甘味が集まり成果は上々、しかしながらゾンビを相手にしていくには心許なくなってきた弾薬の補給をするべく、
新たな銃火器専門店を探して、北上してみました。
しかしその途中野生のヘラジカに遭遇、無害と決めつけて呑気に得物のリロードを行っていた所、角による攻撃が私を襲いました。
怪我は大した事はありませんが、当たり所が悪かったのか仕事着は完璧に破れてしまい、もはや着る事は叶わない状態となってしまいました。
(自分で言うのも難ですが)豊満な胸は道行く男性の目を奪ってしまうでしょう、幸いなのがこの状況、見る者は意思の無いゾンビくらいですが。
とは言え、年頃の女性が下着姿で彷徨くのは抵抗感がありますので早急に着る物を見つけたい所です……。

目についたゾンビには散弾銃の弾を撃ちこんできたお陰か、"災厄の日"以前よりも散弾銃の扱いと射撃が上手になったと痛感します。
近距離ならば正確に頭部へ命中させられるようになってきました、しかし食事の殆どは缶詰などの調理済みの物ばかり、裁縫も全く手がけていません。
使用人として確実に間違った方向へ進んで行ってるような気がします……本格的に落ち着ける拠点を作り上げたら文明的に生きようと思います。

下着姿で彷徨いて行き着いた先が小さな質屋でした。
何か使えそうな物は無いかと陳列棚を物色していた所深緑色の軍用ジャケットを発見、防御面も仕事着よりは信頼出来るでしょう。
その他暇潰し用の雑誌……タイトルは"サムライの神秘"と言う胡散臭いモノでした。
そう言えばお坊ちゃんも密かにサムライに憧れてて、庭園で木の棒を素振りしている姿を思い出して少々しんみりしました。

その後どんどん北上してみましたが、目的の店は中々見つかりません。
歩くのでは時間が掛かるので何か乗り物を確保出来れば良いのですが、肝心のガソリンが無ければこれまたどうしようもありません。
悪循環に片足を突っ込みかけていると思いながらも歩を進めて行くと公園を発見、しかし市は何を思って公園をほぼ1箇所に密集させたのでしょうか。
そしてジャングルジムや砂場からこちらに駆け寄ってくる子供のゾンビ、嫌な汗が噴き出る……私は、そのまま北上へ強行突破。
しかし撒く事が出来ずいつまでも追いかけてくるので、致し方なく銃口を向けて引き金を引きました。
吐き出された銃弾が小さな頭部を粉砕したのを見てしまった私はその場で蹲って吐き気と涙を堪えました。
こんな災厄が無ければ、まだ夢と希望を持っていられたのに。
見るも無残なゾンビに成り果て、そして再び命を奪われる羽目になってしまうなんて。
罪の意識に苛まれながらも私は歩みを止めません、泣いている暇もありません。


そんな私を慰めるかのように目に入った銃火器専門店、これまた店舗は小さい物の弾薬の補給にありつけると喜び勇んで入店しましたが
肝心の散弾銃用の弾は置いてありませんでした、だからと言って他の武器を使えと言われても食指が伸びません。
ガックリと肩を落として店を出て、これからどうするかと思い悩みながらチョコレートバーを食べます、現金かも知れませんが罪の意識が少し紛れました。

その後、幾つか銃火器専門店を見つけるも尽く散弾銃の弾だけが無いと言う事態に陥っています。
残りの弾薬はSWATが好んで使用するバックショットが200発分、威力が非常に高い為これだけはなるべくは取って置きたい物ですが、強大な敵に出会ってしまったらそうもいかないでしょう。
軍用ジャケットのポケットに差し込んだ解体用のコンバットナイフで戦わなければならない状況だけは避けたい所ですが、探索を続ける内に3日目の朝を迎えてしまいました。
疲れも少々溜まっているので少々横になりたいと思います、少々先行きが不安ながらも2~3日目の手記を書き終えます――


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