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株式会社 新潮社 週刊新潮編集部 御中

公開質問状『「甲状腺がん」増加を喧伝した「報道ステーション」の罪』における専門家発言について



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公開質問状本文

『「甲状腺がん」増加を喧伝した「報道ステーション」の罪』における専門家発言について
〒162-8711 東京都新宿区矢来町71
株式会社 新潮社
週刊新潮編集部 御中
2016年3月22日
放射線被ばくを学習する会(連絡先)
共同代表 田島直樹
共同代表 温品惇一

 さくら花咲く候、貴社ますますご清栄のことお悦びもうしあげます。貴誌週刊新潮3月24日号の無署名記事=『「甲状腺がん」増加を喧伝した「報道ステーション」の罪』を拝読いたしました。

 マスメディアが他のマスメディアを批判する、それは、私ども一般視聴者・読者にとっては大変喜ばしいことです。物事に秘められた論点を明るみにし、それを掴む絶好のチャンスを与えてくれます。しかしながら、論争は事実に基づいて行われることが最低のルールです。虚偽を用いては、ただの誹謗中傷、罵倒合戦におわってしまいます。

 そこで、質問させて頂きます。

 記事の中では「ではその偏向の度合いを専門家に解説してもらおう」といって、高名な先生方が登場し、その権威で「事実」を語っていらっしゃいますが、私ども「放射線被ばくを学習する会」が、福島の甲状腺がん検査を丹念に追いかけた基礎情報からすると、とても奇異な発言が散りばめられています。およそ専門家らしくない言説です。

 まずは批判よりも確認です。紙面上の発言に関する質問を以下に記しました。
 「いたずらに不安を煽るばかりの“ニュース”を喧伝した、その罪を問う」とまでいって文責を担う貴誌編集部の責任ある回答を求めます。


◆1中川恵一東大医学部准教授


中川恵一東大医学部准教授 は記事の中で、
"飯舘村などの子どもたち1080人の被ばく量が最大35ミリシーベルト程度だった"
旨おっしゃっています。
<質問1>
これは汚染された衣服をバックグラウンドとしており、甲状腺内部被ばく量は1/5程度に過小評価されています。弘前大の床次教授も線量評価には大きな不確かさがある、と証言しています。中川先生は、これらについてどのようにお考えなのでしょうか?

◆2中川恵一東大医学部准教授


中川恵一東大医学部准教授
"チェルノブイリでは就学前の子どもの5%近くが(甲状腺に)5,000ミリシーベルト以上被曝し、いうまでもなく福島の被ばく量は遥かに少ない" 旨おっしゃっています。
<質問2>
5,000ミリシーベルト以上とはチェルノブイリ事故直後に避難した子どもたちのデータです。 チェルノブイリ3国の就学前の子のわずか0.005%です。平均被ばく量は、福島県の子どもたちの平均被ばく量と格段の差は無く、トロンコ博士は、チェルノブイリでも甲状腺がんを発症した子どもの51%が100ミリシーベルト未満だったと、報告しています。中川先生には紙面上の発言を訂正なさるおつもりはありませんか?

◆3松本義久東工大准教授


松本義久東工大准教授
"日本人は海藻を良く食べるから放射性ヨウ素を取り込む余地が少ない"
旨おっしゃっています。
<質問3>
海藻を日常食べてるときの安定ヨウ素血中濃度とヨウ素剤服用時の安定ヨウ素血中濃度とでは数桁の違いがあります。断言は危険です。ヨウ素剤の場合は服用後約160000μg/L前後にまで達しますが、日本人の尿中ヨウ素は中央値で 300~600μg/L程度です。
松本先生が"余地が少ない"と断言なさる根拠を教えてください。

◆4三橋紀夫ひたちなか総合病院センター長


三橋紀夫ひたちなか総合病院センター長
"(チェルノブイリ三国と) 国境を接していたポーランドでは海藻を摂取していたので甲状腺がんが発症しなかった" 旨おっしゃっています
<質問4>
 ポーランド大使館に照会したところ、海藻摂取の食生活は無く、チェルノブイリ事故のとき甲状腺がんが予防できたのは、安定ヨウ素剤の服用を徹底したからだ、との回答をいただきました。三橋先生はこの誌上発言を撤回し、訂正なさるおつもりはありますか?

◆5澤田哲生東工大助教


澤田哲生東工大助教は
"100ミリシーベルト以上被ばくしない限り、甲状腺がんのリスクはありません"
"チェルノブイリの方が放射線や甲状腺がんにまつわるデータの積み重ねがある"
旨おっしゃっています。
<質問5>
チェルノブイリにおけるデータの積重ねは尊重しなくてはなりません。トロンコ博士のデータによれば、チェルノブイリで甲状腺がんを発症した子どものうち51%は、甲状腺被ばく量が100ミリシーベルト未満でした。(◆2にグラフ既出)
澤田先生は、チェルノブイリのデータを尊重して、誌上発言を訂正なさいますか?
311報道ステーションでの、ベラルーシのユーリ・デミチク所長の発言「甲状腺がんにこれ以下なら大丈夫という値はありません」に対してはどうお考えでしょうか。

◆6三橋紀夫ひたちなか総合病院センター長


三橋紀夫ひたちなか総合病院センター長は
"潜在がんは死ぬまで見つかることがない、そのくらい甲状腺がんの進行は遅い"
旨おっしゃっています。
<質問6>
これは高齢者の甲状腺がんについていえることですね。年少者の甲状腺がんは進行が早いということは医学の常識だと、何回も教えられています。日本癌治療学会がまとめた『甲状腺腫瘍ガイドライン』Clinical Question 2 には 「(小児の乳頭がんの)臨床的な特徴は成人のそれとかなりの差異を示す。頸部リンパ節転移が激しく,腫瘍の局所浸潤が多く,治療後の再発も多い」と記されています。」http://www.jsco-cpg.jp/guideline/20.html#cq2
三橋先生の発言とガイドラインの記述との間には大きな矛盾があるようです。いかがお考えでしょうか?

◆7中川恵一東大医学部准教授


中川恵一東大医学部准教授は
"甲状腺がんの5年生存率はほぼ100%だ" 旨おっしゃっています。
<質問7>
これは、遅れることなく適切な治療を施した場合のことですよね。治療をしなくても生命に異常がない、と危うく誤解するところでした。誤解を招く発言は、甲状腺がんの摘出を受けた患者さんたちを冒涜するものです。中川先生は、誤解を招かないように、発言の補足をなさいますか?

◆8御誌記者


御誌記者は、
"本来発見すべきではないがんをわざわざ見付けてしまった過剰診断だ"
旨おっしゃっています。
<質問8>
もしそうだとすれば、甲状腺摘出手術をうけた患者さんは、医療過誤の犠牲者ということになります。週刊新潮(新潮社)は、福島県立医科大学を傷害罪で告発しますか?
逆にもしそうでないなら、週刊新潮(新潮社)は甲状腺摘出手術をうけた患者さんを、虚偽をもって冒涜することになりますが、宜しいのですか?

◆9中川恵一東大医学部准教授


中川恵一東大医学部准教授は
"韓国では(検査によって)甲状腺がんが増えつづけた" 旨おっしゃっています。
<質問9>
甲状腺がんの発症率(=罹患率)は年齢によって大きく変化するのです。
韓国のデータと言われるものは、あくまでも成人女性のデータです。福島の甲状腺検査は、事故時18歳以下の年少者のデータです。単純に比較することはできません。
中川先生は、調査対象の年齢・性別による発症率の違いについて、どのようにお考えですか?

グラフは日本、国立がん研究センターのがん登録です。

◆10中川恵一東大准教授


中川恵一東大准教授は、
"二巡目の検査で51名のがんが見つかったことを、一度でがんを持つ全員が引っかかる事はないから"と、51人は一巡目における見逃しである旨おっしゃっています。
<質問10>
これは、本来一巡目で166名が見つかるべきところ51名を取りこぼし、115名しか見付けられなかったという意味でしょうか? そうだとしますと、相当な見逃しの率になります。見逃しの数51人は二巡目検査が進めばこれからもなお増えるでしょう。中川先生の東京大学病院で行われている検査も、このように見逃しが多いのですか?

◆11御誌記者


御誌記者は、
"福島で見つかっている甲状腺がんは、原発事故が原因であるとか因果関係があるとはいえない、と専門家が言ってる" 旨まとめています。
<質問11>
 記事に登場する専門家は、みなさん原発事故直後に事故を小さく見せるために奮闘した方々ばかりで、専門家を総称するにはずいぶんと人選に偏りがあるのではありませんか?
  • 中川恵一氏 は放射線科の医師ですが、全国の電力会社の組織である電気事業連合会が、福島原発事故で休刊していたグラビア雑誌Enelogを2011年秋に復刊するとき、巻頭言を自ら飾りました。そのくらい原発業界と価値観をともにする方です。
  • 松本義久氏と澤田哲生氏 は、ともに東京工業大学で原子力推進研究に従事し、311事故後はテレビに出ずっぱりでした。<御用学者>と言う言葉が生まれるきっかけを担った方がたです。松本氏は、放射線ヨウ素内部被ばくの、実効線量と等価線量との混同を利用し、放射性ヨウ素で汚染されたキャベツを毎日100個以上食べても大丈夫だと豪語し、被ばくを2桁も小さく見せました。
  • 三橋紀夫氏 は、放射線腫瘍医だそうです。311事故前、原発推進のための宣伝活動で顰蹙(ひんしゅく)を買っていた「日本原子力文化財団」に、事故後論文を提供しています。放射線の影響を過小評価するばかりか、放射線を礼賛し放射線は発がんを抑えるとまで主張しています。

◆12中川恵一東大准教授


中川恵一東大准教授は
"妄想を言ったり福島を利 用することで、いかに現地の人々を傷つけているか考えてほしい。私の知る限り、福島県民の多くは、被曝と甲状腺がんとの間に関連性はないと理解していますよ" 旨総括なさっています。
<質問12>
先生方が記事の中で、事実と違うことを語ることこそが妄想というものではありませんか。被曝と甲状腺がんとの関連性は、信じ込んで判断するものではありません。科学が明らかにしていくだけのことなのです。
「放射線の影響とは考えにくい」という検討委員会の見解に対し、郡山市の男女が「素直にそうとは受け取れないですね」、「じゃあ、何が原因なんだ。お医者さん調べてくださいよ」と意見を述べる姿が、報道ステーション311特集で放映されています。この一般市民の反応について、週刊新潮編集部・執筆記者の方はどうお考えになりますか?

質問は以上です。
年度末でご多忙とは存じますが
3月31日までにお答えくださるよう、お願い申し上げます。


週刊新潮記事テキスト


「甲状腺がん」増加を喧伝した「報道ステーション」の罪
週刊新潮 2016.3.24
21世紀の日本の運命を変えた「3.11」から5年。「原発事故による放射線の影響で甲状腺がん患者が急増した可能性がある」と放送したのが、他ならぬ「報道ステーション」(テレビ朝日)である。いたずらに不安を煽るばかりの“ニュース”を喧伝した、その罪を問う。

詩人・吉野弘の『「目」の見方』という作品にこんな一節がある。
目はもともと陽気でおしゃべりなのに/民の目は眠くて/罠の中

民と目を合わせれば「眠」になり、目が閉じられて横たわってしまえば「罠」となる。世の中は民の目を幻惑するような事象で溢れていて、その先に罠がぱっくり口を開けていると教えてくれる。

あるとき、こう話した人がいる。
「偏っていると言われたら、偏っているんです、私。人間は偏っていない人なんていないんです。客観を装っても、『主観内客観』に過ぎないんです」
昨年のクリスマスイブ、報道ステーションを 3 月末に降板すると明かした古舘伊知郎氏(61)の言葉である。

偏っているのは私だけ。そう言った先から口を拭い、人はおしなべて偏向するものと切って捨てるその口を、改めて点検しないわけにゆくまい。

去る 3月11日の放送で報ステが噛みついたのは、福島県立医大の放射線医学県民健康管理センターが主として行なっている甲状腺検査の結果についてである。

18歳以下の若者166人に甲状腺がんもしくはがんの疑いがあること。そしてそれが原発事故と関連があることを”多角的”に検証したと番組は主張する。

 何のことはない、世の師表たるべき大メディアが公共の電波を使って風評を垂れ流しただけの中身だったわけだが、あらましをざっと振り返っておこう。

2011年4月から足掛4年に亘った先行検査で「がん」および「がんの疑い」は115人だったのが、一昨年4月から始まった本格検査で新たに51人を数えた。

<甲状腺がんは、1年で100万人に1~2人の割合で発症する。多めに見て5年なら10人となるが、166人とは異常に多い>
と、スタジオの古舘氏はぶち上げる。

 よく知られるとおり、甲状腺は海藻などに含まれるヨウ素を取り込んで甲状腺ホルモンを作る。これは子供の発育や成長を促す意味で欠かせないものだが、場合によっては甲状線が放射性ヨウ素を取り込むことがある。そればかりか放射線によって内部被曝し、がんになるリスクが高まる。チェルノブイリの事故では約 6800人の子供が甲状腺がんを患い、15名の尊い命が喪われているのだ。

―――カメラはスタジオを離れ、高校生時代に甲状腺がんが見つかって手術を受けた匿名女性を捉えている。<自分がどれだけ被曝しているかわからない。なんで私なんだろう〉

運命がいたずらをした。 首飾り状に残った手術創。フクシマ・ネックレスが、痛々しく耐えがたい変身を問わず語りに物語る。

<あまり洋服が選べないのが辛い。そして、進学した際に抱いていた夢を諦めることになったのが一番辛かった。人生を大きく変えちゃうなと思います>

事実、甲状腺を手術ですべて摘出すると、ホルモン剤を毎日、そして一生飲み続けなければならない。

震災から5年を機に、福島県の「県民健康調査」検討委員会は、「甲状腺がん患者の増加は、放射線の影響とは考えにくい」と結論付けている。委員会はその根拠に、「福島の被曝線量がチェルノブイリに比べてずっと低い」「チェルノブイリ事故時、0~5 歳までの子供に甲状腺がんが多発したが、福島ではそれが1例もない」などを挙げるのだが、古舘氏はこう撥ね付けるのだ。

<そうだからと言って、原発事故と甲状腺がんとの因果関係がないとするのは甚だ疑問です>

5000ミリシーベルトと35ミリシーベルト

古舘氏自身の言葉を借りれば、冒頭から45分に垂んとした主観内客観ショー。ではその偏向の度合いを専門家に解説してもらおう。

「一番注目すべきは被曝量です。飯舘村などでは15歳未満の子供3人に1人にあたる1080人の被曝量を検査しており、それは最大でも35ミリシーベルト程度となっています」
とは、東大病院放射線科の中川恵一准教授である。
「その一方でチェルノブイリでは、就学前の子供の5%近くが5000ミリシーベルト以上被曝しています。言うまでもなく、福島の方が遥かに少ないのです」

 歴然と差が出るのは、彼我の生活習慣に違いがあるからだ。東工大の松本義久准教授によると、
「日本人は海藻をよく食べるので、甲状腺は常に安定なヨウ素で満たされており、放射性ヨウ素を取り込む余地が少ない。これに対して、チェルノブイリにおけるヨウ素の摂取経路で最も多かったのは、事故後の汚染されたミルクだと考えられています。彼らは食生活の中でミルクを口にすることが多い。そして小さな子供も含めてその量が多く、結果的に放射性ヨウ素を大量に摂取してしまったのです」
すなわち、それらが最大で5000ミリシーベルトに達するというわけだ。

 ひたちなか総合病院放射線治療センターの三橋紀夫センター長が後を受けて、
「チェルノブイリでは乳製品の流通をすぐには禁止しませんでした。それとは逆に、乳製品が入ってくるのを早い段階でストップし、 かつ海に面していて海藻をよく食べていたポーランドは、国境を接しているにもかかわらず、甲状腺がんの増加が有意に認められていません」

 さらに悪いことに、番組では大事なポイントが抜け落ちていた。東工大の澤田哲生助教曰く、
「100ミリシーベルト以上被曝しない限り、甲状腺がんのリスクが高まることはありません」

 したがって、ここに登場する専門家が挙げて、
「いま福島県内で見つかっている甲状腺がんについて、原発事故が原因であるとか、因果関係があるとは言えない」
と訴えるのはもっともである。

 次いで三橋氏に、甲状腺がんの性質について問うと、
「非常に進行が穏やかな病気で、『潜在がん』の代表なんです。実際、他の原因で亡くなった患者さんの病理解剖をする際、見つかるケースが非常に多い。ですから、極端なことを言えば、病状を呈することのない甲状腺がんは放っておいてもいいんです」

「米国での調査によれば」と、これは前出・中川氏 の説明である。
「交通事故で亡くなった60歳以上の方の臓器を顕微鏡で精査してみると、全員から甲状腺がんが見つかりました。甲状腺がんの 5年生存率はほぼ100%ですし、古舘さんが想像するような、どんどん大きくなって人を殺すがんとは様相が異なっているのです」

 本来発見すべきではないがん。しかるに、それを検査でわざわざ見つけに行ってしまったのは過剰診療に他ならず、その悲劇が前述の一匿名女性であり、彼女を含む166名なのだ。再び中川氏が続け、“甲状腺がん大国”事情を打ち明ける。
「韓国では 2 0 0 0年くらいから甲状腺がんが急増し、ここ20年で患者数が15倍までに膨らみました。今や韓国人に最も多いがんで、それは女性がんの4分の1に達しています」

 それというのも、
「乳がん検査と同時に甲状腺がんも調べることになったからです。その結果、甲状腺がんが、どんどん見つかるようになりました。思春期以降、自然発生の甲状腺がんは増え始め、高校生くらいになると甲状腺がんを持つ人は決して珍しくないのです」

 とはいえ、甲状腺がんによる死亡率が韓国で上昇しているわけではないのだ。

「積み重ねがない」

 番組では本格検査により、「がんおよびがんの疑い」が51人に顕在化したことについて、「数が多い。腑に落ちない」とする内外の専門家らの感想を並べている。

これについても中川氏が、
「検査は完璧ではないので、1 度でがんの方全員が引っ掛かることはありません」
とし、こう一蹴するのだ。

「去年の秋に乳がんだと判明した女子プロレスラーの北斗晶さんだって、毎年がん検診を受けていたのに見つからなかった。こういうケースが福島でも当然あるでしょうし、最初の検査のあとに発症する可能性もある。別に、51人増えたということに深い意味はないと思います」

 ところで、特集の結尾に古舘氏が、
<未曾有の原発事故が福島で起きた。未曾有ということはこれまでになかったことですから、詳しいデータの積み重ねがあるわけではない>
と自説を展開すれば、隣のサブキャスターもこれに乗じ、「前提も基準もない」とままごとみたいに応じるのだが、それを口に出してはおしまいである。

 先の澤田氏は、
「未曾有なのはあくまで国内の原発事故において。チェルノブイリの方が規模も被害も大きく、それに加えて放射線や甲状腺がんにまつわる詳しいデータの積み重ねがある」
と反論。

同じく松本氏も
「甲状腺について言うなら、 年齢性別を問わずに内部被曝した事例として、チェルノブイリは最も参考になる。何より、この報道が福島の人の幸せに繋がっているのか。今後甲状腺がんが大きく増える可能性が高いように聞こえるので、視聴者は必要以上に不安を持つでしょう」
と指摘する。

 問題点を担当ディレクターの一人に質すも、
「またすごい批判するんでしょ。言える立場にない」
と、にべもない。

 2カ月に1度は福島県を訪問するという中川氏による総括。
「妄想を言ったり福島を利用することで、いかに現地の人々を傷つけているか考えてほしい。私の知る限り、福島県民の多くは、被曝と甲状腺がんとの間に関連性はないと理解していますよ」

民の目は「眠」どころか しっかりと見開かれているのである。(了)


(関連資料)傍聴ほうこく




◆きーこ様による311報道ステーション書き起こし

1 福島原発事故から5年 「なぜ私が甲状腺癌に…」 報道ステーション文字起こし      http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-4607.html
2「甲状腺がんと原発事故 専門家で割れる”関連性”」 311から5年 報道ステーション文字起こし
  http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-4608.html
3「0歳で被ばく 甲状腺がんに チェルノブイリから見た福島」 311から5年 報道ステーション文字起こし
  http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-4609.html
4「”2巡目”も甲状腺がん次々 専門家が指摘する「異変」」 311から5年 報道ステーション文字起こし
  http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-4612.html










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